この年の8月に導入された住民基本台帳ネットワークのねらいを追及した。「住民の利便のため」という表向きの説明とは裏腹に、国民の個人情報を霞ヶ関に集中し、中央省庁が自由に使えるものとなっていることを指摘。このシステムの運用によって、情報の漏洩と国民のプライバシー侵害が引き起こされる危険性についても明らかにした。
10月31日の質問に引き続いて、住基ネットの安全上の問題点を明らかにした質問。このシステムに使われているIP-VPN(仮想専用線)が、民間事業者の設備・回線に依存するものであることや、システムを管理している全国センターのセキュリティ対策のずさんさを指摘した。住民票の「公開4情報」といっても、万一のことがあれば漏れるのは4情報だけでなく住民票コードも一緒だという追及に、片山総務大臣は「(住民票コードが漏れたら)すぐ変更できる」と居直った。
これまでも取りあげてきた郵便局窓口での過不足金問題で、銀行窓口の現状なども紹介ながら、郵政事業庁を追及した。これに対し、総務大臣も、「責任を全て職員に負わせるのは不公平」と指摘した高裁判決の趣旨を尊重することを約束。その後、窓口への現金管理機の配置が実現し、個人による不足金の弁済は行わせないとの通知も出されるなどの改善が実現している。
「基本的人権」のうち「市民的自由」についての参考人質疑。政府が国会に提出した「人権擁護法案」や、この年に運用が始まっている住民基本台帳ネットワークなどについて、憲法に反する疑いがあるとの参考人の言明を引き出した。
自治体職員や教員の過労自殺や保育士の頚肩腕障害・腰痛などについて地方公務員災害補償基金が「公務外」と認定した事例を取り上げ、救うべきものを救おうとしない基金本部と総務省を追及した質問。弱い立場の被災者や遺族に常識はずれの量の資料を要求し、基金自身は現地調査もしないこと、民間・公務を通じての過労死認定に関する判決の流れにも背を向けた認定を繰り返していることなど、基金の冷酷な姿勢の背景に、総務官僚の基金への天下りがあることを暴露した。
「聴覚障害者にとって、意味不明な政見放送が放置されているのは参政権の保障に反する」との立場から、字幕の付与を要求。
地上波テレビのデジタル化計画について、デジタル放送の開始も放送エリアの拡大も当初の計画から大幅にずれ込むことを明らかにした。これは、前年春の法改正からわずか1年半で計画が破たんしたものと指摘し、「いったん立ち止まって計画を見直す」よう求めた。