<労働者への思想差別で厚労省を追及>
宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
まず、大阪に本社を置くクラボウでの思想差別事件について厚労省に聞きます。
昨年六月十日に大阪労働局労働基準監督官あての告訴が行われた件でありますけれども、既にこれについては民事裁判で一定の判断が下されております。昨年五月十四日、大阪地裁は、この会社が共産党員であることを理由として違法な賃金差別を行ったという事実を認定いたしました。個別問題については答えにくいと思いますので、一般論としてお答えいただきたい。
労働基準法第三条に違反する行為がそこに明らかになれば、当然速やかにかつ厳正に対処していただけますね。
政府参考人(松崎朗君) 御質問の労働基準法第三条に限らず、労働者の方からいろいろな申告等がございまして、そういったものを契機といたしまして、今御指摘のございましたような条文、それからそのほかにも労働安全衛生法等いろいろございますけれども、そういった法律に違反する事実が確認できた場合には、これを是正させるために必要な指導監督というものを行っております。
宮本岳志君 この判決文では、労働基準法第三条に照らしてクラボウの行為は違法であると断定をしております。裁判所がそう断定したのだから、認定したのだから、これほど明らかなことはないと思うんですね。しかし、現実には労基署の予算が不足していてなかなか進まないというような話も聞こえてくるわけです。
念のためにこれは確認しますが、予算不足が原因で違法行為が見逃されると、そんなことはまさかないと思うんですが、よろしいですね。
政府参考人(松崎朗君) これはもう予算が、決して予算、定員、これは決して十二分ではございませんけれども、こういう現場の監督機関におきましては、今申し上げましたように、労働基準法を始めとする関係法令の違反事案、こういったものにつきましては、申告等がございました場合にはきちんと的確に対応しているというふうに認識をしております。
<警察幹部への贈賄を裁判所が事実認定>
宮本岳志君 さて次に、警察と武富士の癒着の問題についてお伺いします。
昨年五月、個人情報保護法を審議した特別委員会で、私は武富士から警察にばらまかれてきたビール券の付け届けリストを明らかにいたしました。調査の結果、七月に、ついに三人の警察官が処分をされました。
そこで、警察庁に聞きますけれども、この三人以外に武富士から付け届けや金品を受け取った者はいないと、よろしいですね。
政府参考人(吉村博人君) 委員おっしゃる付け届けリストというものでございますが、私どもの理解では、武富士に対する恐喝未遂事件等の捜査過程におきまして警視庁が押収をした消費者金融会社武富士が警察官に対してビール券等を供与したものを記載したリストを指すものと思っておりますけれども、この元社員は、このリストの信憑性につきましては必ずしも一〇〇%信用のあるものではないということを述べておるところであります。現に、リスト上、名前、ポストが明示をされた五千七百八十枚ということを受領したように書いてございますが、実際に調査を遂げましたところ、約十四人の警視庁職員、うち退職者が五人でございますが、これが合計で千枚弱のビール券を受け取っていたことが判明したものであります。
宮本岳志君 答えていないじゃないか。駄目だよ、あんなの。三名以外にいないのかと聞いたんじゃないか。
政府参考人(吉村博人君) ですから、十四人から三名を引いた者については、退職者五人と現職者六人について、ビール券を受け取っていたということで注意処分をしておるところでございます。
宮本岳志君 私は重大な事実を入手いたしました。
武富士の元総務部長だった藤川という人物が武富士を相手に起こした民事裁判が昨年結審をいたしました。最高裁は武富士に対し、この藤川氏への四億円の支払を命じております。この裁判の内容は驚くべきものでありまして、武富士はこの藤川という人物を使って暴力団対策を始め様々な違法な裏工作を行っておりました。その裏工作に携わった張本人が裁判所へ訴えて出て、自分はこれだけのことをやったが武富士から約束の報酬をもらっていない、払ってくれと、こういう裁判であります。
今日、資料に、一、二、この裁判で藤川氏が提出した陳述書をお付けいたしました。甲八号証と裁判上のナンバーが振ってあります。これを読むと、平成四年十二月、武井会長から預かった背広仕立券を福田氏が佐藤刑事部長に渡しましたと書いてあります。この福田氏というのは元の警視総監で武富士に顧問として天下った人物、そして、平成四年十二月、当時の警視庁で佐藤刑事部長といえば佐藤英彦、正に現警察庁長官のことではありませんか。
政府参考人(吉村博人君) そのとおりであります。
宮本岳志君 こういうものを受け取った事実については調査いたしましたか。
政府参考人(吉村博人君) お示しの資料につきましては、その内容からして、武富士とこの藤川という人との間における民事訴訟の場において提出をされた陳述書と受け取れるわけでありますが、この陳述内容と同様のことが去年の秋に出版をされましたイースト・プレス社の「武富士対山口組」と題する書籍の中で記載をされております。その「武富士対山口組」という本の中では以下のように記載をされております。すなわち、仕立券、ビール券が相手方、警視庁、神奈川県警ですが、に渡されたかどうかは確認をしてないと藤川が法廷で証言をしたという記述であります。
ただ、念のため、昨年秋にこのような書物が出ましたので、出版をされました直後に警察庁の次長から長官と刑事局の審議官それぞれに事実関係を確認をいたしました。警察庁としてもそのような事実はないと判断をしているところであります。
宮本岳志君 そんな話は通らないと私は思いますよ。
<「本人がないと言った」では通らない>
宮本岳志君 それなら資料二を見ていただきたい。同じ藤川氏の陳述書ですが、これは別の裁判のものであります。週刊現代に掲載された藤川氏の発言を武富士が名誉毀損だといって訴えた、それに対する反論を述べております。これは更にリアルに、英国屋、額面五十万円の仕立券一枚と、こう出てまいります。
重要なのは、どちらも藤川氏の側が勝訴しているということなんですね。特にこちらの裁判では、名誉毀損だと訴えた武富士に、名誉毀損には当たらないと裁判所が判断をしております。藤川氏の発言はおおむね事実を述べたものだとされているわけであります。つまり、週刊誌上など、藤川氏の発言は公判以外の場でも行われているわけでありまして、ここまで明らかになった以上、当然事実関係を解明する義務があると、私はこう思います。
同時に、この資料一、資料二をもう一度しっかり見ていただくと、もう一つ、藤川氏の二つの陳述書に神奈川県警知念刑事部長というのが出てまいります。平成五年二月、神奈川県警の知念刑事部長にビール券を渡したと証言しております。神奈川県警の知念刑事部長といえば知念良博、現警察庁知念官房審議官、この方に間違いありませんね。
政府参考人(吉村博人君) ですから、それは先ほど申し上げましたように、次長から長官と審議官に事実関係の有無を確認をし、なかったというふうに警察庁としても判断をしているところであります。事実無根であります。
宮本岳志君 これは事実無根だとおっしゃるわけですか。
政府参考人(吉村博人君) いずれにしましても、先ほど来申し上げておりますように、昨年秋に本が出まして、その本の中でいろいろなことが書かれておりましたので、長官と刑事局審議官に対しましてその事実関係を確認をいたしましたところ、そのようなことはないということでありまして、警察庁としてもそう判断をしております。
宮本岳志君 現に裁判資料でこうして私はお示しをしたわけであります。それで、本人に聞いてそんなことはなかったと言ったからないんだと、それでは通らないと。
ここは国家公安委員長に改めて聞きたい。警察庁長官や官房審議官自身が背広仕立券やビール券を受け取っていたという重大な疑惑であります。当然調査して国会に明らかにすべきだと思いますが、委員長、いかがですか。
国務大臣(小野清子君) 警察官と武富士の関係について再度調査をということでございますか。
宮本岳志君 そうです。
国務大臣(小野清子君) はい。
お尋ねの事案につきましては、警視庁、それから関係府県警察におきまして捜査、調査を尽くし、法と証拠に基づきまして、御案内のとおり、刑事事件として取り上げるものは取り上げ、処分すべきものは処分したとの報告を受けておるわけでございます。それによりまして、国家公安委員会といたしましては、このような経緯にかんがみまして再調査の必要はないものと承知をいたしているところでございます。
宮本岳志君 駄目ですよ、そんなのは。警察庁長官と審議官の名前がここに出ているわけですから改めて調査する必要がある。いかがですか。
国務大臣(小野清子君) ただいま申し上げましたとおり、刑事事件として取り上げるものは取り上げ、そしてまた処分すべきものは処分したとの報告を受けているわけでございますので、国家公安委員会としては、このような経緯にかんがみまして再調査の必要はないものと承知をいたしているところでございます。
宮本岳志君 国家公安委員長が明らかにできない、再調査しないと言うのであれば、国会の場で真相を究明する必要があると思います。
私は、改めて武富士元総務部長の藤川忠政氏と、警察庁の佐藤英彦長官、知念良博官房審議官の参考人招致を求めたいと思いますが、委員長、お取り計らいを願います。
委員長(鴻池祥肇君) 理事会において取扱いは協議をいたします。
宮本岳志君 徹底究明を求めて、私の質問を終わります。