3月25日 総務委員会(成田財特法改正案)

    関空の需要予測は「明らかに見込み違い」と総務大臣 

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<関空関連事業の失敗で自治体リストラ>
<破たんへの反省なく自治体にしわ寄せ>
<予算委での総務大臣答弁の内容を追及>

 

 

宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 この法律ができたのは成田空港開港をめぐるあの騒ぎのさなかのものでありまして、我が党は、この法律も農民の土地を強制的に取り上げる空港政策と一体のものだという立場で当時は反対の態度を取りました。しかし、現実に空港が開港して以降の法改正による期間、期限の延長にはその都度賛成をしてきております。それは、この法律に基づく国からの支援に対して地元住民の皆さんの期待があるからであります。この法律の目的は、成田空港が開港したことによって急増したインフラ整備のための地元自治体負担を支援するということにありました。しかし、代替新空港開港に伴うインフラ整備の支援ということであれば、その後私の地元に関西空港も開港いたしましたし、神戸空港や中部国際空港も造っております。

 

<関空関連事業の失敗で自治体リストラ>

宮本岳志君 そこで聞くんですけれども、関西国際空港にはこの法律のような財政支援の特別措置法があるか、またこういう法律を持つ空港が成田以外にございますか。
政府参考人(瀧野欣彌君) 新東京国際空港につきましては、その整備を計画した当時、国として必要な国際空港を農業地域である内陸に設置せざるを得ないというような状況もございました。空港周辺地域に、その当時地方公共団体が行う空港設置に伴って必要となる公共施設の整備にやはり財政上の特別措置が必要だということで、この法律を作ってきたという状況がございます。
 一方、関空につきましては、もう先生御案内のとおりでございますが、海上空港でございますし、騒音区域が陸上部分に及ばないなど、空港の建設によって地域に与える負担が成田と比較して小さいというようなこともございまして、特に財政上の特別措置は設けられてないということでございます。また、他の空港につきましても、成田財特法のような特別の法律は存在してないという状況でございます。
宮本岳志君 つまり、こういう特別の法律を持っているのは成田だけなんですね。私の地元の関西空港でも、開港に当たって周辺自治体のインフラ需要というのは急増いたしました。今、関空周辺の自治体財政にどのような事態が発生しているか。例えば、私が二年前本委員会で取り上げた関西国際空港の対岸の町、泉佐野市であります。関空関連のインフラ整備と称して行った膨大な公共投資が自治体財政を完全に破綻をさせたと。
 今日、資料をお付けしてありますけれども、一枚目に、三月十六日付け朝日夕刊の記事を付けておきました。二〇〇三年度末での累積赤字は約三十五億円。あと四億円増えると財政再建団体になるということで、今やなりふり構わぬリストラが始まっております。私が二年前の質問で身の丈に合わないと公共事業の例として示した市立文化会館、総工費三百億円、三百二十一平米のレセプションホール、茶室からハードディスクレコーディング装置まで備えた音楽スタジオまで、こういう超豪華ホールはついに二〇〇六年、オープン十年目にして閉鎖ということになりました。三路線あるコミュニティーバスも全線廃止。市立体育館の週休二日制の導入、これに至ってはそんな体育館は聞いたことがないと、市民が声を上げております。
 ここにその計画を持っているんですけれどもね。この中を見ますと、障害者福祉給付金、難病患者見舞金、敬老祝い金から寝たきり老人介護手当など軒並み廃止。さらには金婚を祝う会、町会連合会バスツアー、文化祭、身体障害者交流会、戦没者追悼式から小中学生の友好都市派遣に至るまで全部廃止、休止という内容になっているんですね。
 国が、私は二年前にも指摘したんですけれども、この国が関空需要をやっぱり当て込んだ膨大な公共投資を地元自治体にあおってきたと、これは事実としてあるわけですね。これから開けるんだから大いに整備しろということで。正にそういった国の責任というものもこれはあるというふうに私は思うんですけれども、大臣、そうはお考えになりませんか。
国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、こういったものは最終責任は地方自治の首長が取るということに基本的になっておると思うんですね。今言われたところの泉佐野というところをよく知らないんでいい加減なことを申し上げるにいかないんですが、この数字だけ見ますと平成十四年度決算におきまして約二十五億円の赤字ということになっております。ただ、そのほかのところをよく見ますと、これは平成十四年度のこの決算を見れば、これは経常収支比率という、ということはこれは民間用語でいう固定費のことだと思いますが、固定費でこれ一〇七%、人件費だけで一〇七%、固定費だけでね。ほかの全国では大体八七、八だと思うんです、固定費というものは。役所用語でいけば経常収支ですけれども、八七、八%。ここは一〇七%というので、そもそもほかのところに比べてまだ二割高いというのは、ちょっとこれは経営としてはちょっといかがなものかというのが正直な実感ですね。それで、またこの起債の制限比率というのは全国平均で約一〇から一一ぐらいだと思いますが、一一ぐらいだと思いますが、ここは一七・七と書いてありますので、そういった意味からいきますと、これは、財政構造はこれはかなり硬直化しておるということは間違いないんだと思うんです。
 そういった意味で、今のお話で、企業立地等々をいろいろやられたんだと思いますけれども、できる前とできた後では、バブルもはじけた、何もはじけた。随分状況がここは多分一番大きく変わったところの一つだと思いますので、歳入見込みが大幅に違った、乖離したということだと思いますので、今言われたような状況になっておるんだと思いますけれども、これは最終的には市の政策判断ということになろうと思いますので、私どもとしては、これは極めて、状況として今言われたようなところは分かりますけれども、だから自治省がと言われても、これはそのときわんわんわんわんやられたときはそう思われてやっておられるわけで、そういった意味では、地方自治というのの判断ということになるんじゃないでしょうか。
宮本岳志君 国が関空について非現実的とも言える需要予測を振りまいて、そしてあおってきたというのは事実なんですね。我が党は当時からそのような浮ついた議論にはくみいたしませんでした。大型公共事業には一貫して批判的な態度を貫いてまいりました。しかし、関空周辺自治体は、あなた方国の言い分を信用して、我が党の反対を押し切って、泉佐野コスモポリスとかりんくうタウンとか大規模開発にのめり込んで、それが破綻して大やけどを負ったんです。我が党の警告に耳をかさなかった首長、あるいは我が党以外は残念ながらオール与党という形でそれを推し進めた議会の責任は重いです。だが、それをあおった国の責任も免れないと私は前回も指摘したんですね。

 

<破たんへの反省なく自治体にしわ寄せ>

宮本岳志君 もう一枚、資料をめくっていただきたいと思います。関西空港の離着陸回数に、これまで政府が出してきた将来予測を書き込んだものをお付けしました。折れ線で示した現実の離着陸回数は二〇〇〇年度をピークに減少に転じております。最初の黒の破線は一九九五年第七次空港整備計画の数字、実績を示す赤の実線と比べていただければ、一九九七年から大きくずれ始めております。そこで、二〇〇〇年十一月に関空会社は経営見通しで需要予測を見直したんですね。それが青の破線。しかし、実績はそれからも大きく外れ続けております。そして、最後の緑の破線というのが先週の十六日に衆議院総務委員会で国土交通省の鈴木審議官が答弁した数字なんですね。いつまでたっても斜め四十五度で上がる予測ばかりやっているわけですよ。しかし、現実には二〇〇三年度も、昨年十二月までの九か月間の実績で推計すれば、赤の破線、つまり十万回そこそこになるというのがこの間の実態なんですね。
 今日は国土交通省に来ていただいていますけれども、あなた方の予測は余りにもでたらめだと、つまり関空は一本の滑走路ではパンクするんだと強弁するための恣意的な予測をしているとしか思えないんですが、いかがですか。
政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。
 関空の需要予測につきましては、予測時点における最新の政府経済見通し等による経済成長率あるいは為替レート等を前提として行ってきたものでありますが、御指摘の例えば七次空整につきましては、経済成長率、平成十二年度までで二・五%ぐらいで見込んでおったものが実績は一・四%であったとか、あるいは為替につきましては、九十円ぐらいの円高で見込んでおったのが百十円ぐらいで推移したというようなことで、その前提が乖離してきたということでこういう結果になったものと考えております。
 それから、最近の落ち込みでございますが、これは御承知の二〇〇一年のアメリカ同時多発テロあるいは最近のイラク紛争、SARSの発生等々によって一時的に落ち込んでいるものと思っておりまして、最近の国際線の便数などは十分回復している状況にございます。
宮本岳志君 もう一枚資料をめくっていただけますか。関空の他の主要空港の年間の着陸回数を比較したものを付けておきました。同じページに乗降客数も付けておきました。どちらも同じ傾向が現れております。この二、三年で急に落ち込んでいるのは関空だけなんですね。
 つまり、あなたがおっしゃったように、テロやSARSの影響は他の空港もみんなあるんですよ。しかし、関空だけが他の空港に比べても落ち込んでいることが一目瞭然であります。つまり、他の空港に発着便と乗降客を奪われていることが一目で分かります。旅客数では最近、新千歳や福岡空港にさえ抜かれたというのが実態なんです。
 先ほど、泉佐野が三百億の超豪華ホールを十年で閉鎖と言いましたけれども、これを進めた責任は免れないとはいえ、少なくとも泉佐野市は破綻を認めて、そういう措置を取ろうとしているんですよ。ところが、泉佐野の財政破綻の原因になった関空の方は一期工事の分だけでも収支の見通しは立たない。既に関空会社の累積赤字は二〇〇三年九月の中間決算で二千億円を超えて、一兆二千、三千億円の有利子負債を抱えております。利払いだけで毎日毎日一億二千万円払い続けているというのがこの会社の現状なんですね。ところが、今、更に総工費一兆四千二百億もの二期工事を着々と進めている。さらに、その根拠はと問えば、さっき見せた漫画みたいなこの航空需要予測ですよ、十六万回でパンクすると。
 麻生大臣は、この間、国が財政破綻したのだから地方も努力をしてもらわなきゃならないと、そう言ってきましたけれども、こんなでたらめなことを一方で国が先導して続けておって、そして、これ全部地元自治体の財政、これ負担があるんですからね、地元自治体にも、この関空事業というのは。こんなことを続けていてまともに進むはずがないと私は思いますが、大臣はいかがお考えですか。
国務大臣(麻生太郎君) これはちょっと直接の、これまた運輸省の話で、私に直接関係ない話が今日はよく来る日やなと思いながら、感心しながら、これは総務委員会じゃなかったかなと思いながら今聞いていたんですけれども。
 今の話ですけれども、これはその計画の内容がどうなっているんだかも私の方には全然知らないんで、何とも申し上げようがないんですが、基本的には私の知っている範囲では、これは地方債は充当率九割、じゃありませんでしたかね、これはたしか。私の方ではそうだと思いますので、これは関西国際空港株式会社に対する出資及び無利子何とかかんとかというのの比率も国が二で地方が一という比率にして、そしてその他のところも、この関空会社に対しての話は無利子金やら何やらでずっと用地造成会社にしておられるんだと思いますので。
 泉佐野につきましてちょっとどうなっているか、ちょっとその泉佐野の個別のところまでよく詳しく知りませんけれども、今言われたように、需要予測が大幅に違っております点は事実なんだと思いますので、これは明らかに見込み違いということはもうはっきりしていると思いますが、今言われましたように、これ、元こういった工事をやった経験者の方から言わせていただくと、これを、この図を見ていると、これは埋立てだけは途中で止めたら、多分せっかく埋めた砂が全部出ていっちゃうんだと思うんですね。この施設造るかどうかは別にして、この埋立てだけはやらぬと、これまで埋め立てた分も駄目になっちゃうということになるんじゃないですか。ちょっと私、ちょっとこの図しか見たこと、この写真を見ていると、そういう形になるのかなという感じだけはします。
宮本岳志君 いや、もう本当に、先ほどから細かい無駄という話も出ていますけれども、細かい無駄はもちろん、細かくたってなくさなきゃなりませんけれども、何せ一兆円単位の話ですからね。
 それで、やっぱりこういうことが今も続けられている、今日もこの二期事業というのが続けられているわけで、もちろんもうほとんど埋まっていますよ、既に。ほとんど埋まっていますから、これをどうするかというのはそれはよく考えなきゃならないけれども、しかし、とにかく見込み違いと今大臣がおっしゃったけれども、見込みが違いながら、今なお二本目の滑走路がどんどんどんどん造られていっているという状況がありますので、私は、こういうことを続けていたのでは地方自治体の、正に今三位一体などといってばっさり地方の公共事業は削っていますけれども、地方の理解は断じて得られないのではないかということを申し上げておきたいんです。

 

<予算委での総務大臣答弁の内容を追及>

宮本岳志君 そこで次に、では地方はどうすれば、どのように努力すればよいのかについて聞きたい。
 麻生大臣は今月の十一日、予算委員会で私に言いましたけれども、財政健全化債というのがあると、こう言いましたけれども、泉佐野市でもこの財政健全化債というのは発行できますか、自治財政局長。
政府参考人(瀧野欣彌君) 財政健全化債は、行政改革大綱などに基づきまして数値目標を設定して公表しまして行政改革等に取り組む場合、その将来の財政上の負担の軽減を見込みまして資金手当て措置としての地方債を充当するものでございますので、泉佐野市においてもそういう取組をしていただきますれば当然発行することができるわけでございます。
宮本岳志君 財政健全化の計画を示せ、示せば、例えばこういう泉佐野市の計画が示されて、それを総務省は結構だということになれば起債を認めると。これでは、正にこういう住民サービスの切捨てを総務省が後押しするという結果になりかねないと思うんですけれども。
 しかし、聞きたいのは、じゃそれで借りた金は一体だれが返すのかと。これは、返済は全額交付税で面倒見ていただけるんですか。
政府参考人(瀧野欣彌君) 財政健全化債についてのお尋ねだと思いますが、財政健全化債はただいま申し上げましたとおり、行政改革の効果が将来その団体に及ぶであろうと、それを先取りした形で起債を発行するものでございますので、その償還は、将来償還をする場合に行政改革の効果が出てきたその団体の負担の中で行っていただくというものでございます。
宮本岳志君 要するに、自治体に徹底的にリストラをしろと、来年度以降にそれができるんだったら、今年度の分はそれを当てにした借金でつないでおきなさいと、そして借金は自分で返せと、こういうことなんですね。
 大臣は先日の予算委員会で、私が補助金一兆円、交付税一・二兆、臨財債一・七兆、合計四兆近く削って税源移譲は四千五百億だと、三兆五千億も減らしているじゃないかと聞いたら、財政健全化債もある、地域再生債もあると、こうお答えになりました。しかし、財政健全化債というものは自分で借りて自分で返せというだけのことであって、交付税や臨財債が減ったことに対する何の足しにもならないというのは今明らかになったとおりだと思います。
 では、地域再生債というのはどうかと。地域再生債は財政健全化債とは違いまして、その償還費用が地財計画に組み込まれます。しかし、聞くんですけれども、仮に泉佐野市がその要件を満たしたとして地域再生債を発行すれば、その償還費用は必ず発行額全額を交付税で見ていただけるんですか。

政府参考人(瀧野欣彌君) 地域再生債につきましては発行額を全部見るのかどうかというお尋ねでございますけれども、実際に財源不足が生じている団体におきまして基金の対応でやる場合とかあるいは行政改革でその財源不足を埋める場合とか、そういう団体もございますし、片方、地域再生債で対応するところもあるということでございますので、発行に応じてそれを交付税で見るということではなくて、標準的な事業費を設定する中でその償還を見ていくという考え方に立っておるところでございます。
宮本岳志君 つまり、個々の自治体にとってはその全額じゃなくて標準的な発行額に見合う償還費用が基準財政需要に組み込まれるという仕組みなんですね。大体、自治体の側から見れば、その標準的な発行額をあらかじめ知ることはできないわけですから、幾らまでなら交付税措置がされるのか分からないということなんですね。しかも、これを発行できるのは一定の公共事業を実施する団体に限るというものなんです。
 だから、大臣ね、大臣がおっしゃったその財政健全化債というのは自分で借りて自分で返すというもの、それから、この地域再生債というのは幾ら交付税措置してもらえるか分からないというもの、これらのものをもって二・九兆もの交付税、臨財債削減の手当てになると私は到底思えないんですけれども、大臣、いかがですか。
国務大臣(麻生太郎君) 今、泉佐野の話もありました。ありましたけれども、このように見ましても、やっぱり固定費の比率、経常収支比率が一〇〇%をはるかに超えておるというようなところ等々、いろいろその各自治体においてスリム化をしていただかないかぬという部分は多々あるんだと思っておりますので、そういった意味では、前にも申し上げましたように、今不要不急というようなものはちょっと恐れ入りますが二年のところを三年でやってもらえぬだろうかとか、そういったようなものを含めまして、各自治体がそれぞれスリム化の努力をしていただくという部分もある程度勘案していただかぬといかぬところなんであって、それが今一兆円と四千億、六千億の差がそこに出てきていると、基本的にはそう御理解いただければと存じます。

委員長(景山俊太郎君) 時間が来ております。
宮本岳志君 もう終わりますが、実は今日は、最後のページに読売新聞の三月十八日付けの記事も付けておりました、付けておきました。地方は相当基金を取り崩したりして苦労しているんだけれども、この記事によりますと、財務省は基金の取崩しが昨年に比べて減少していると、だから何だと、三位一体で地方交付税や臨財債削っても何とかやっていけているじゃないかと。それで、来年度以降もばんばん交付税の削減をこれからもやっていくんだと、意を強くしたというような記事が出ているわけですね。これは余りにもひどいと。
 ちょっと大臣の方から、これは事実と違うということを答弁していただいて、質問を終わりたいと思います。
国務大臣(麻生太郎君) 手短に、簡略に数字だけ申し上げます。お書き取りをいただければと思いますが。
 取崩し総額八千百八十二億円です。平成十五年度は七千五百七億円に比べて約六百七十五億円、取崩しは増加しております。パーセントでいきますと九%。したがって、この記事は明らかに意図的にやられたか間違いか、いずれかです。
宮本岳志君 終わります。

 

 

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