7月16日 総務委員会(郵政事業公社化関連4法案)

       郵政公社は発足当初から債務超過の疑い 

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<審議中に法案の「不十分点」を検討>
<法案自体が民営化を準備する内容に>
<前任者の答弁を反故にした片山大臣>
<個人にはリスクのない金融商品も必要>
<「満期保有」の筈の国債を売っていた>
<債務超過の可能性も「確定できない」>
<5兆円の欠損に誰も責任をとらない>

 

宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 先週の本会議で小泉首相と大臣に質問して、驚いたことがあります。私の最初の質問は、例の一里塚発言について、総理はこの四法案で郵貯、簡保まで含めた民営化へ一歩近づくという認識なのかどうかと、こう聞いたわけですね。これに対して総理は、今回の法案とは別物だと、郵貯や簡保については民営化問題も含めて総理の懇談会で間もなく具体案を取りまとめると、こう答弁をいたしました。
 郵便については、この四法案で民間参入と公社化を進めると。しかし、郵貯、簡保の改革は別物で、これから改めて取り組むというのが小泉内閣の方針だと理解してよろしいですか、総務大臣。
国務大臣(片山虎之助君) それは何度も言いますけれども、今回の法案は公社化の法案であり、民間参入の法案なんですね。それで、公社化後、郵便事業、貯金事業、簡保事業、そういうものを含めてどうやるかはこれからの議論なんですよ。
 その一つのたたき台といいますか、案を今の懇談会で議論しているわけでございまして、総理の御意見はその懇談会の中でそういうことも検討して一つの範が出てくるのではないかと、こういうことを言われたわけでございまして、政府の方針とはそれは全く関係ございません。
宮本岳志君 だからこそ、私は引き続き本委員会にも総理に出席を求めて、この総理のお考えについてもお伺いしたいと考えているわけでありますけれども。

 

<審議中に法案の「不十分点」を検討>

宮本岳志君 大体総理は、六月の十一日には、その後のことは実際公社ができた後にいろいろ議論をしていただきたいと答弁しておったんです。ところが、この法案が成立したとしても実際公社ができるのは来年の四月なわけですよ。だから、公社ができた後に御議論いただきたいというんだったら、来年四月以降に議論してほしいと、こう取るのが普通なんですね。ところが、法案が衆議院を通過して参議院に送られてきたら、いずれ近いうちに具体案を取りまとめ、直ちに国民的な議論に付すと、正にもう近いうちから議論が始まっていくかのような御答弁が次々と出ているわけですね。
 ましてや、先ほど午前中も取り上げられましたけれども、この総理の諮問機関である郵政懇談会でこの十二日にも都内で非公式の勉強会を開いて、そして本法案、四法案の問題点についても洗い出す作業に着手をしたと、こういうふうにも伝えられておるわけですし、この記事では、この懇談会は今後、首相も交えて詰めの協議を行い、九月初旬にも最終報告書をまとめる方針だと報じられております。これはどちらが小泉内閣としての方針になるわけですか。
国務大臣(片山虎之助君) 国の意思、国の方向を決めるのは国会でございます。国会で今やっているのは公社化法案と民間参入法案でございまして、それは議論としてどんな議論があってもいいわけですから、どんな研究があってもいい。そういうことで今、総理は公社化後の在り方について大いに民間の有識者の方に議論してほしいと、そういうことで議論いたしておるわけでありまして、報道が全部正確じゃないですよ。それは、委員の中には公社化について反対の方もあるでしょうし、問題点についていろんなお考えをお持ちの方もあるでしょうけれども、それは個人の意見ですから、大いに懇談会でどういうことを言われようがそれは個人の勝手ですから、懇談会でそういう議論が固まったとか、そういう問題点の洗い出しをやったかは全く聞いておりません、私はメンバーの一人でございますが。
宮本岳志君 そういう話は、私、通らないと思うんですよ。
 私、ここに第一回から第七回までの懇談会の議事要旨全部持っていますよ。そもそも第二回懇談会でこういうことを田中座長は確認しているんです。総理も大臣も大変お忙しいので、委員だけで少し勉強会を積み重ねた方がいいのではないかという提案があるので、そういう方向で進めたいと。そして、この委員だけの勉強会というものがずっと開かれてきたわけですね。そして、その勉強会が七月の十二日に先ほど報道された中身を議論したということになっているんです。このとき、総務省の方にも出席してもらおうと思っているということで、総務省の出席がこの勉強会にも、有識者の勉強会にも確認されておりますけれども、これは松井事業庁長官、松井さん、これ出ておられますね。
政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 出席しております。
宮本岳志君 じゃ、長官にお伺いいたしますけれども、この報道にあったとおりの議論がこの勉強会でやられたという事実はありますか。
政府参考人(松井浩君) いろんな論議の中でそういうお話があったことは記憶しております。詳細には、原則非公開ということで自由な議論をという、そういう中での空気でございますので、控えさせていただきたいと思います。
宮本岳志君 ちょっと内閣官房に確認しておきたいんですが、この会合、大臣などが参加して議事録が明らかになっている会合は、今年の二月の二十五日を最後に開かれていないんです。その後ずっと勉強会と称して続けられてきたと。
 この勉強会の議事録というものは公表されておりますか。
政府参考人(壷井俊博君) 突然の御質問でございますけれども、有識者勉強会につきましては、特に議事録というものを作成している経緯はございません。
宮本岳志君 つまり、これは、国会に公社法を提案をして、そして公社法の議論をしてくれと言っておきながら、結局その一方で、もうたちまちこの公社法が成立した直後から民営化も含めた検討をするというその中身を国民に隠れて勉強会なるもので作っていると。そして、我々はこれをここで議論していても、たちまちこの夏あるいは九月と言われる時期には、正にその郵貯、簡保を含めた、民営化含めた検討結果というのが出てきて国民的議論をやるんだと。こんなことで本法案の審議続けられないんじゃないですか。総務大臣、そう思いませんか。
国務大臣(片山虎之助君) 懇談会がやっているんなら宮本委員の言われることはそれは一理あるかもしれませんが、勉強会で勉強する、何をやってもいいじゃないですか。勉強しろしろといって、いろんなことやってもらった方がいいんですよ。懇談会は何のまだ意見の集約もしているわけではないし、いろんな議論をしている段階で、その中で有識者の方が集まって自主的に勉強する、私は大いに結構なことではないかと、こういうふうに思っておりますし、それは総務省なり内閣府の関係の職員を呼んでいろんなデータを出してもらったり説明を聞くということもあってもいいんで、そうとんがっていろんなことを言われるようなあれではないと思いますよ。
 我々は今、公社化法案をやっているんで、それで最終的には何をどうするか決めるのは国会なんですから、そういう意味では。その前にいろんな議論があるというのは私は大いにいいんで、それが民主主義だと思いますよ。
宮本岳志君 それなら、第七回会合の議事録を紹介しましょう。あなたも参加していたでしょう。第七回会合の最後に総理大臣はこう発言しているんです。「いよいよ本質論に入ってきて、着々と議論が進展している御努力に感謝している。単なる郵便局のサービスの問題ではなく、財政、行政、全般に関する大改革であるので、いい結論を得ていただきたい。」と、二月二十五日に総理大臣がそう言って、総務大臣も「幅広く議論をしていただき、意見をうまく集約していければ一番いい。」と付け加えておりますけれども、こう言って、この後、その趣旨に基づく勉強会が議事録が公表されないまま続けられてきたと。
 そして、七月の十二日に開かれた勉強会の中身として伝えられているところによると、もはや経営の形態まで踏み込んだ議論がされて、なるほど、実はこの第七回会合に示された「懇談会の今後の運営について」という文書では、今後の議論として「経営形態の検討」とありますよ、これちゃんと。そして、特殊会社、政府支援企業、完全民営という三つの案が出された検討がこの七月十二日もやられていると、こういうことじゃないですか。
 つまり、勝手に研究会をインフォーマルにやっているんじゃないんですよ。研究会というものをやるということもちゃんと進め方としてこの会合で決めて、総理も一言述べて進めているということじゃないんですか。そうでしょう。
国務大臣(片山虎之助君) だから、大いに勉強していい結論を出してほしい。私は幅広く議論してほしいと言いましたよ。そこで、あとは集まって、有識者の方が勉強会をやっているので、一向構わないじゃないですか。
 その勉強会の、今、委員が言われたようなことは私は何にも知らない、メンバーである私が。だから、それは懇談会の議論じゃないですよ、勉強会の議論で。勉強会の議論は何があってもいいと思いますよ。懇談会は、またこの国会が終われば時期を見て懇談会をやって意見の集約を図っていくわけですから、そっちの議論なんで、インフォーマルなものについてこういうところで取り上げて、いいの悪いのと言うのはおかしいと思いますよ。勉強会は大いに勉強したらいい、どんなことでもと思います。
宮本岳志君 インフォーマルなものではないと言っているじゃないですか。現に松井長官が出席しているという御答弁されているじゃないですか。それも第二回会合で確認していますよ、そういうことを。ちゃんと確認に基づいて開かれているんです。
国務大臣(片山虎之助君) インフォーマルに決まっているじゃないですか。懇談会のメンバーである私が出ない、総理も出ない、官房長官も出ない、議論の内容を何にも私には連絡もない、相談もない。それがインフォーマルでなくて何ですか。フォーマルですか。それは、勉強会を官邸でやったり、役所の方も出ていろんな説明をしているということでは、それはあなたが言われるとおりかもしれぬけれども、私は、メンバーである私は何にも知らないです、そういうことを。何にも知りませんよ。連絡もありませんよ、相談も。そんなものがインフォーマルでなくて何ですか。
宮本岳志君 じゃ、内閣官房に改めて聞きますけれども、これは全くインフォーマルなもので、じゃ内閣官房はこの懇談会は二月二十五日を最後に何の仕事もしていないということですか。官房。
政府参考人(壷井俊博君) 私、先生からは、郵政三事業の懇談会の会合は今年になって何月何日に開催されたか御答弁するように呼ばれておるんですが、その点についてまず申し上げますと、第七回会合は今年二月二十五日に開催されております。(発言する者あり)
 それで、有識者勉強会につきましては、公社化後の在り方に関し様々な論点について自由に論議をいただいているところでございますが、その内容についてコメントする立場にはございません。(発言する者あり)
委員長(田村公平君) ちょっと静粛にお願いします。
宮本岳志君 だから、二月二十五日以降は何もやっていないんですか。はっきり答えてください。
政府参考人(壷井俊博君) ただいま申し上げましたように、懇談会につきましては二月二十五日に第七回会合を開催いたしたところでございます。
宮本岳志君 総理が少なくとも指示を出されて、そして、二月の二十五日に指示を出されて、それに基づいて研究会が開かれているということだし、そして、国会、本会議の場では間もなく取りまとめて国民的議論に付したいと総理が答弁をされているわけですから、これはもう総理をお招きして是非ともこの本委員会でただしたいと。是非、委員長、これを私、改めて要求しておきたいと思います。
委員長(田村公平君) 追って理事会で協議いたします。

 

<法案自体が民営化を準備する内容に>

宮本岳志君 やむを得ないので、質問の角度を変えたいと思います。
 團局長は、先月六日の衆議院の審議で矢島議員に、公社化される郵政事業について、将来のこともありますので、やはり収支相償に加えまして、徐々に債務超過を解消していくと答弁しております。ここで言われている将来のことというのは一体何ですか。
政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 矢島先生の御質問は、郵便の開始BSにおいて債務超過があるじゃないか、これをどうするかという御質問でございました。これに対しまして、この債務超過の額が六千五百億円と非常に巨額でございますので、一気に解消は難しいという意味で、多少年数を掛けて解消をする必要があるという考え方を申し上げたつもりでございました。
宮本岳志君 はぐらかさずに答えてほしいんですけれども、矢島議員は退職給付引当金を積む必要が本当にあるのかどうかという問題提起をしたんです。それに局長は、「直ちに問題は生じないことは事実でございますけれども、」と認めた上で、それでもなおあえて引当金を積んで生ずる見掛けの債務を徐々に解消をしていくんだ、それは将来のことがあるからだと答えているんですよ。公社化後の当面とは事情が異なる将来のことというのは一体何か、はっきりお答えください。
政府参考人(團宏明君) これは、債務超過という状況が、これは直ちに支障はないとしましても、これをいつまでも放置するということは不健全な状態でございますので、将来において解消する必要があると、そういう意味で答えたつもりでございます。
宮本岳志君 そんな訳の分からない説明では納得いかないですけれども、この文脈で将来のことといえば、これは民営化もあり得るという事情以外考えられないと私は思うんですね。
 もう一つ、じゃ聞きましょう。
 今月の四日、民主党の松沢議員が、前払式証票法という民間のプリペイドカードなどの発行に伴う残高引き当ての制度を引き合いに出して、なぜ公社の場合は販売した切手の残高に対する引き当てが必要ないのかと、こうただしたら、團局長は、国営で行われる事業ということでございますので、民間事業のように破産、倒産というものを前提とした制度ということにはなじみにくいと、こう答弁されておりますね。国営の公社は破産や倒産を前提にしないということであれば、貯金残高に対する自己資本比率など問題になりようがないんですよ。そもそも民間の基準で退職給付引当金を積む必要などさらさらないということになると思うんですけれども、それについてはどうお考えですか。
政府参考人(野村卓君) 今回の郵政事業の公社化は、自律的、弾力的な経営をすることによってより高度のサービスを提供しようということでございまして、そのために公社の会計につきましては企業会計原則を導入するということになっているわけでございますけれども、そういったものを導入する趣旨につきましては、一つは国民の目から見て分かりやすい形でやりたい、それから一般企業との共通の尺度でやるべきだと。こういった観点から、国民に対する説明責任を重視すると、こういったことで企業会計原則を導入することになっているわけでございまして、したがって、企業会計原則に基づきまして、公社におきましても民間企業と同様に将来債務である退職給付引当金を計上することとしておるところでございます。
 それから、自己資本比率の改善の関係でございますけれども、公社は独立採算制の下に健全な経営を確保すると、そういう必要があるわけでございますけれども、三百数十兆と非常に大きな債券を持っておりまして、金利変動による保有債券の価格変動リスク等、経営上の各種リスクに対応できるよう一定の資本を確保する必要がある、そういう観点から、自己資本比率といいますか、自己資本を重視するという方向で考えているところでございます。
宮本岳志君 何かよく分からない答弁なんですが、大臣、私が言いたいのは、民営化は総理の持論だ、我々は民営化ではなくて公社化だと繰り返しそうおっしゃる。それは、総理の持論について議論しようと思えば総理に出てきてもらわなきゃならないということになるでしょう。しかし、あなた方が今提案しているこの公社法というものも、これはやはりこの中には民営化への一里塚という中身が含まれているということを私は実感するんですよね。
 それで、法案修正の提案者である八代議員、お尋ねしたいんですが、八代議員は、国庫納付の可能となる資本金額をアバウト十兆円と、こう答弁をされております。この二百五十兆の四%でおよそ十兆円という、この計算の根拠をひとつお答えいただけますか。
衆議院議員(八代英太君) 午前中も同じような質問をいただきましたんですが、いずれにいたしましても、二百五十兆、それから簡保等々の債券を入れますと三百数十兆と。そういう中で、やはりこれから公社化になって自立をしていくということにおきましても、この辺は非常に財務省は厳しい態度で臨んでくるだろうと思うんですが、やっぱり公社が自立していくためにはある程度の基準額とでも申しましょうか、資本がしっかり担保されてこそ本当の自立の自由度というものがあるように私たちは思います。
 そういう意味でも、ただ単に公社化になった、はい納付しなさいという論法ではなくて、例えば地銀であり都銀であり、そういうものは四・七、中には八%等々を債権の中からの一つの基準額として考えているところもあるわけですから、およそそういう類似の民間の金融機関等々を含めましても、四%ぐらいは基準額として、資本として残しておかなければ、自由裁量、公社自立ということは難しいじゃないだろうかと。
 それはたくさんあればたくさんあった方がいいと思いますが、しかし、いかんせん一兆八千九百億とかそのぐらいの額ではどうにもどうにも両手両足を縛られたような状況であろうと思うんですね。そういう意味でも、納付することはやぶさかじゃないけれども、ある一定の四年間の中期計画の中で基準額というものをやって、それに黒字になっていったら、それは国民の一つの成果として国家に納付するというのはこれは当然だと思います。そういう意味でも、およそ二百五十兆の四%ならば十兆、何とか総務大臣、十兆ぐらい守ってくださいよ、もっと多くたっていいですよと、こういう願い、祈りを込めて、こういう額を、アバウトという言葉を使いましたが、設定をしたということで御理解いただければと思っております。
宮本岳志君 内閣官房、ありがとうございました。結構でございます。
 金融庁、お呼びしていると思うんですが、四%と今お話がございました。これは金融庁が所管しておられるBIS基準というものだと、の話だというふうに私は理解するわけですけれども、このBIS基準というのは、元々、預金者保護のためのリスク管理という観点から設けられているものだというふうに考えるわけですが、これは間違いございませんね。
政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 自己資本比率規制のことかと思いますが、自己資本比率規制につきましては、金融システムの維持あるいは預金者保護という銀行法の目的に沿いまして、銀行の健全性を判断する指標として定められたものでございます。
 国際的に活動する銀行に対しましては、今お話にありましたバーゼル、BISの銀行監督委員会で合意されました基準に準拠しまして八%、また国内行に対しましては四%の最低自己資本比率を定めているものでございます。
宮本岳志君 こういう基準を守らなければならないということでいいますと、私、今不思議に思うのは、今度の公社化で、郵便貯金法第三条、国の保証というのは、これは何か変更あるんですか。お答えいただけますか。
政府参考人(團宏明君) 今度の公社化法、公社化移行後の郵便貯金への国の保証の関係でございますが、今回の法案におきましても、政府は郵便貯金の支払に係る公社の債務を保証するというふうな規定をしておりまして、実質的な変更はございません。
宮本岳志君 もし公社のままで未来永劫いくというのであれば全く必要ないことをやろうということになっているんですね、今。自己資本比率四%以上というBIS基準をクリアすること、つまりこれは、いつでも民間銀行に衣替えできる状態になるということではないかと思うんですよ、私。これは正に一里塚どころか九十九里まで行くに等しいと。そして、このアバウト十兆といいますけれども、このアバウト十兆というものは、本来は郵便貯金をしている国民、利用者のものなんです。国営の公社であれば、本来、利用者に還元されるべきものでしょう。それを還元せずに積み立てる、そして行き着く先が郵貯民営化というのであれば、これはもう絶対許されない話だと私は言わざるを得ません。

 

<前任者の答弁を反故にした片山大臣>

宮本岳志君 ここで私ちょっと、せっかく修正案提案者で八代さんに来ていただいていますので、八代さんにお伺いしたいと。
 八代さんが郵政大臣だったとき、今から三年前、十一月十六日、参議院交通・情報通信委員会で私は八代さんに中央省庁改革基本法第三十三条六号について質問をいたしました。このときの八代さんの答弁は、割合一致しない点が多いんですが、その分野は本当に一致していると、こう述べていただいた上で、民営化について、将来的な見直しはないと、将来的な見直しはないと答弁されておりますけれども、間違いないですね。覚えておられますね。
衆議院議員(八代英太君) 鮮明に覚えております。
宮本岳志君 この問題で、私自身、野田前郵政大臣からも重ねて確認を取ってまいりました。野田大臣は、この民営化の検討自体が将来にわたって行われないと明言をいたしましたけれども、ところが片山大臣は、この野田大臣の答弁について、政治家としてそういう見通しをお述べになったと、こう答弁を説明をされているんですよ。
 これは、片山大臣に聞きたいんですけれども、大臣答弁というのは、これは政治家としての見通しを述べているだけで、後から聞かれても何の責任も持たないようなものなんですか。片山大臣、いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) いや、答弁はいろんな場合があるんですよ。だから、今の野田大臣の答弁は、私はそうだろうと言ったんですよ。
 それは、その三十三条一項六号は、これは法律論と政治論があると私は申し上げているんです。政治的には、だから八代大臣なり野田大臣が言ったのも一つのお考えなんですよ。ただ、法律論としては、それは確認的な効果で、それによって禁止するようなそういう政治的な効果はないということを私は申し上げている。法律論としては、政治論としてはこれで一区切り、これで一件落着だというお考えがあっても一つもおかしくない、そういうことを申し上げているわけでありまして、まあ答弁というのはいろんなあれがあってもいいんですよ。総理の答弁だってそうでしょう、野田大臣の答弁だって。ただしかし、それは国会に責任を持ってみんな言っているんですよ。政治家として責任を持って言っているんです。
宮本岳志君 全く無責任な答弁ですよ。これでは大臣、ユニバーサルサービスは守りますと、あるいは先ほど来、盲人用の無料郵便物の無料の制度は法律には抜けているけれども大臣としてはっきり答弁で守りますとおっしゃるけれども、これは政治家としての見通しを述べているだけということにならないんですか。今日は視力障害者の方々も傍聴にお見えになっていますけれども、三年前の大臣答弁を政治家としての見通しでしょうよと言って覆すあなたが、今ここで述べた答弁は絶対覆さないと言える保証どこにあるんですか。
国務大臣(片山虎之助君) 大臣として答弁しているんです。機関の長である総務大臣として答弁しているんです。ただ、だから、今の三十三条一項六号は、その解釈を質問をあなたがされて、それぞれ大臣がお答えになって、法律的には拘束しないと言っているんですよ、公社化後のいろんな議論を。ただ、政治的には、それで民営化しないんだということの政治的なお考えをお述べになったんだと。答弁をよく聞いてくださいよ。すべての答弁が見通しやなんかじゃありませんよ。ここで答弁しているのは、機関の長として総務大臣が責任を持って答弁しているわけであります。
宮本岳志君 じゃ、盲人用無料郵便物を守るという御答弁については法律的な効力の及ぶ答弁なんですね。
国務大臣(片山虎之助君) いや、それは宮本委員だけじゃなくて、前の多くの皆さんに答弁したとおりであります。あなただけじゃありません。皆さんに申し上げている。
宮本岳志君 いやいや、法律には書いていないんですから、答弁にいろいろあると。今お守りになると、その無料郵便物を守るというのについては、政治的な見通しではなくって、政治家としての見通しじゃなくって、法律的にこれには効力があるということなんですねと聞いているんです。
国務大臣(片山虎之助君) 認可権がある総務大臣としてそういう認可をいたしますということを言っているわけであります。経営計画に書いてもらって。
宮本岳志君 この問題は引き続き議論していきたいというふうに思っております。

 

            

<個人にはリスクのない金融商品も必要>

宮本岳志君 民営化の主張の論拠としてよく言われることなんですが、特に郵貯の問題で言いますと、ノンリスクのマネーが市場をゆがめているという理屈がよく言われますね。しかし、これは裏を返せば、失敗も覚悟の上での企業活動を活発にするためには個人の資産も失敗覚悟の投資に回せと、こういう議論に行き着くと思うんですね。郵貯が安全確実なのがけしからぬという議論に行き着くと思います。
 アメリカでは、なるほど個人資産の一定の部分が株式などのリスキーな投資に回っておりまして、それが近年のアメリカ経済の好調の要因だと言われてまいりました。しかし、個人が人生設計に必要な資金まで投資によって運用するということがはらむ問題の大きさというのは、最近のエンロンの事件で改めてクローズアップされることになったわけです。
 エンロンの倒産で一挙に五千人が職を失ったと。エンロン社員が老後のために年金資金を運用していた四〇一kの何と六割が自社株に投資されたと。それが紙くずになったんですね。つまり、職を失う、老後の資金も失う、これがカジノ資本主義の非常に厳しい結果だということが明らかになりました。
 私は、この事件は、ハイリスク・ハイリターン論というのが決してバラ色の未来を約束しないと、一たび株価が暴落すればたちまち多くの国民の人生設計が狂わされてしまうと、こういうことを事実で示したのではないかと思うんですけれども、総務省、お伺いいたします。
政府参考人(團宏明君) 今エンロンの御指摘ございまして、エンロンの場合、それから今ワールドコムということが話題になっておりますが、これは単にハイリスク・ハイリターンというだけじゃなくて不正経理という問題があって、よりまたそういうもっと深刻な要素のある事件じゃないかというふうなことで理解しております。
 資金の運用につきましては、個人ないし法人が自分の、自らの貯蓄ニーズに応じていろんな商品に投資をしていくと。一般に、リスクが高いものはリターンが高いということでハイリスク・ハイリターン、リスクが低いものはリターンが低いということでローリスク・ローリターンということでございます。
 したがいまして、それぞれの選択でございますので、いろんなハイリスク・ハイリターンないしローリスク・ローリターンの商品が提供されておって、それが非常に透明な情報公開の中で自由に選べるということが一番大事であって、そのハイリスク・ハイリターンだけがいいということでもありませんし、またその反対の極にあるようなリスクのないものについて、これはシステム上問題があるということもまたおかしいんじゃないのかなというふうに考えておる次第でございます。
宮本岳志君 やっぱりハイリスク・ハイリターンの投資というものがどういう結果を生むかということを如実に示しているのが、私は既に生じている指定単の含み損の問題だと思うんです。

 

<「満期保有」の筈の国債を売っていた>

宮本岳志君 じゃ、経営の健全性という問題について、残された時間、議論してみたいと思います。
 まず確認ですが、團郵政企画管理局長が六月四日に、指定単の含み損の償却によって内部留保の減少が予想されると答弁をしております。発足前から資産の目減りが分かっているというのもゆゆしきことだと思うんですけれども、前提として、指定単の運用は事業庁が直接行っているものではなくって簡保事業団に委託して進めているものですけれども、したがって、公社化研究会が行った公社発足時の資本金が一兆八千八百億円という、この資本金、予定資本金、この試算には含まれていないと思うんですが、事実そうですね。
政府参考人(野村卓君) 大臣の郵政事業の公社化に関する研究会、昨年の十二月に公社化発足時のバランスシート、資産状況を試算したわけでございますけれども、その試算によりますと、平成十二年度決算を基に試算したわけでございますけれども、資本金が一兆八千八百億円と示されたわけでございますけれども、この試算におきましては、郵便貯金とか保険の保有する金融資産につきましては、指定単も含めまして簿価を基準にして試算しているところでございます。そういった意味で、評価損益は入ってございません。
宮本岳志君 入っていない。
政府参考人(野村卓君) はい。
宮本岳志君 現在、指定単運用されている資産は簡保事業団の廃止に伴って郵政公社の本体に吸収されることになっております。これについて團局長は六月の六日にこう答えております。「郵貯の指定単運用で約一・六兆円、簡保の指定単運用で約四・七兆円の評価損が生じております。」。そして、これが公社の資産となる際に、「指定単の承継価額は時価に評価がえされることになりますので、その時点で指定単の評価損自体は解消する」と。つまりこの時点で評価損が出てくるわけですよね。表面化するわけです。
 先日発表された事業庁の決算報告を今日持ってまいりましたけれども、参考資料によりますと、指定単の含み損は若干圧縮をされておりますけれども、それでも郵貯、簡保合わせて五兆円を超えております。これが時価に評価替えされるということは、その時点で含み損が帳簿上の損失として表面に出るということですね。
政府参考人(團宏明君) 開始時の資本の額をどう考えるかということで、ちょっと整理して御説明申し上げたいと思いますが、まず、大臣の研究会では、約一兆九千億の開始の資本金であるというふうなことを言っております。それには、運用資産については簿価で計上しているということ、申し上げたとおりでございます。
 その後、先般発表いたしました平成十三年度決算でございますが、これにつきましては郵便が予算に対して約四百億円の改善、それから貯金が約五千億円の改善をいたしましたので、このベースでまいりますと、五千五百億円増加しておりますので、二兆四千億という計算ができるわけでございます。
 今御指摘のこの評価損あるいは評価益の関係でございますけれども、これにつきましては一兆九千億のベースが簿価でございますので、このままでは時価の計算が必要でございます。その場合の計算の仕方でございますが、今御指摘ありましたように、十三年度末での指定単の評価損が郵貯、簡保合わせて五兆七千億円でございます。それから、本体運用の今度は評価益がございまして、この評価益は合計で六兆三千億円でございます。したがいまして、評価損益だけで見ますと約七千億円の評価益ということになるわけでございます。
 しかし、このもう一つ要素がございまして、この資本金の計算時には満期保有債券については簿価で計上するということで予定でございますので、この要素は評価益を圧縮する要因となります。こういうものを足し合わせまして、それから次のこの十四年度の損益というものを合わせまして開始時の資本金が決まるということになりますので、現時点ではこの確たる資本金の額については確定していないというものでございます。
宮本岳志君 ちょっと待ってほしいんですよ。その一兆八千八百億、およそ一・九兆というのが過少資本かどうかという議論が、盛んに過少資本でどうこれ増やすかという議論を盛んにやってきたわけですよ。そうでしょう、そういう議論ね。修正案提案者の八代さんもそうだと思うんだけれども。
 ところが、そもそも簿価を時価換算したら五・七兆の実はマイナスが出るんだと。出るんだと、これ。簡保事業団のやつを引き継ぐときにマイナスが出るんだと。普通だったら五・七兆も赤が出たら、マイナスが出たら、一・九兆なんか吹き飛んじゃって、債務超過になるじゃないかと思ったら、いやいや、もう一方で六・三兆の評価益があるんだと。つまり、一・八兆がどうこうなんという議論延々とやるけれども、一方で、五兆、六兆なんというのを幾らでも、損が出たり益出ししたりと好き勝手にできるという話ですか、それは。
政府参考人(團宏明君) 委員おっしゃいますが、こういう評価というものはそのときのあくまで時価でございますので、自ら操作するということはできないわけでございまして、自らの資産を評価した場合にこういう計算になるということで、大体、今申し上げた評価益と評価損というのは、大ざっぱに言いますと大体同じレベルで、多少の評価益が出ているということでございますので、いろんな操作によって数字が変わるということじゃなくて、自らの保有する債券の評価がその相場によって多少変動していくということでございます。
宮本岳志君 昨日レクを聞いたら、五兆七千億の評価損が出ても、これは簡保事業団から受け継ぐ部分などがありますから、損の方はこれは時価評価しなきゃならないんですね、会計原則で。出ても、一つ内部留保があると、三・三兆という内部留保があるという説明だったんですよ。
 なるほど、三・三兆円の内部留保があります。危険準備金一兆七千億、価格変動準備金一兆、繰越剰余金五百億ですか。この一つ一つの性格なんですけれども、まず、運用している資産に万一評価損が出た場合にはこのうちの価格変動準備金で対応すべき性格のものだと、これは間違いないですね。
政府参考人(團宏明君) おっしゃるとおりでございまして、価格変動準備金といいますものは、有価証券等の価格変動に、変動し得る資産について、下落したときに生じる損失に備えるための積立金でございますので、これは損失が出た場合にまず最初に取り崩すという性格のものでございます。
宮本岳志君 この一兆円の中身を見ますと、実は、昨年よりも約五千億円、この価格変動準備金は十二年度末と十三年度末と比べて増えているんですね、五千億円。それで、これは国内債券などの含み益を現実化したものだと、こういう説明を受けましたけれども、つまりは、これは今の簡保の資産構成で五千億円益出しをするとすれば国債以外に考えられないと思うんですけれども、この五千億円の積み増し、価格変動準備金の五千億円の積み増しは国債を売って作ったということでよろしいですね。
政府参考人(團宏明君) この価格変動準備金の原資でございますけれども、これは、金利の低下局面というものを踏まえまして、国債等の国内債券を中心に売却を行って価格変動準備金として積んでいるものでございます。
宮本岳志君 驚きましたね。
 私どもは、この資金の運用について、保有する国債はバイ・アンド・ホールドの精神で保有しているんだと繰り返し聞かされてきた覚えがあるんです。それが、昨年度の決算で市場に放出していたというのは驚くべきことだと言わなければなりません。しかも、これが今だけの例外的な措置では済まないと。なぜといえば、先ほど、あれでしょう、五兆七千億のマイナスはあるけれども、六兆三千億の含み益もあるというふうにおっしゃった。この含み益というのは大半が国債の含み益でしょう。これを現実化しようと思えば国債を売却するということになるんじゃないですか。いかがですか。
政府参考人(團宏明君) 売却した後の含み益が六兆三千億になっているということでございます。
宮本岳志君 ちょっと分かりません。もう既に売却したんですか。
政府参考人(團宏明君) 価格変動準備金として取り崩したものを除いたものが六兆三千億になっているということであります。
宮本岳志君 それは売っていないと思うんです。それ全部現実化していたら大変な、大変な量の国債を市場に放出したということになって、市場は大混乱しますよ。
 バイ・アンド・ホールドの原則というのはもうやめるんですか。
政府参考人(團宏明君) 基本的に、簡保にしても郵貯にしましても、保険契約ないし貯金の契約の支払に充てるということでございますので、それに対応するのに一番安定的なやり方がバイ・アンド・ホールドであるということは、基本は変わりございません。
 しかしながら、こういう価格変動、金利の低下局面におきまして利益を確定して準備金を積むということは、これは全体的な管理上必要なことでありまして、すべてのものをバイ・アンド・ホールドということになりますとかえってリスクが高いということでありますので、こういう局面においては売却によりまして準備金を積むということは、経営的には必要なことというふうに考えております。

 

<債務超過の可能性も「確定できない」>

宮本岳志君 もう一遍、原則を確認しておきますよ。今度、簡保事業団などから新しい公社が資産を受け継ぐときには、含み損の方は時価会計で引き継がなきゃならないんです。それはそうなんです。これは、企業会計原則というのはそうなっているんですね。
 ところが、正に先ほど局長がおっしゃったように、満期保有資産というものは企業会計原則でも時価会計じゃないんです。これは簿価でやらなきゃならないんです、簿価でやらないと。簿価でやるならば六兆三千億出ないんですよ、さっき含み益と言ったけれども。六兆三千億の含み益がありますというのは、これは時価換算すれば六兆三千億の含み益がありますという話なんですよ。いいですか。評価損の方は間違いなく五兆七千億、今の時点で。これから先の変動がどうなるか分かりませんけれども、少なくとも今五兆七千億マイナスが出ているんですよ。一兆九千億吹き飛んでマイナスになるだけの、もうマイナスはほぼ今の時点で出ているわけですよ。
 ところが、六兆三千億の方は、保有国債をすべてバイ・アンド・ホールドの原則を取っ払って、これはいつでも売るんだと、確定するんだと言わなければ、いつでも売る国債なんだと宣言しなければ、この評価益というものを、こんなものに入れるわけにいかないじゃないですか。そうじゃないですか。
政府参考人(團宏明君) その点は先ほど申し上げたとおりでございまして、満期保有のものとそうじゃないものというのをどう振り分けるかという作業を今やっているわけでございまして、そこでは、だから数字が少し変わってくるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
宮本岳志君 これまた驚くべき答弁ですよ。
 つまり、今、事業庁が保有する、簡保で保有する国債は、公社の決算処理では、一部だけが簿価、残りの一部は時価で評価をすると。それでつじつまを合わすという、そういう話でしょう。つまり、六兆三千億のうち、どれだけを時価換算してプラスにするか、どれだけを長期保有国債と、つまり満期保有とみなして簿価のまま引き継ぐかと、その仕分を今あれこれ検討していると。つまり、簿価にする分と時価にする分と二種類あるという答弁を今あなたはされたわけですね。
 私、こんなばかな話ないと。そんなことがこれから来年四月に向かってやられるのに、一兆八千八百億が過少か過少でないかなんという議論、意味ないじゃないですか。どうでもできるということですか、それは。
政府参考人(野村卓君) 私、公社化担当ということでございまして、先生おっしゃるように、公社に移行するときには原則時価でその持っている固有財産を評価して引き継ぐわけでございますけれども、ただ、今も先生おっしゃいましたように、満期保有債券については時価じゃなくて簿価でいいという形になってございます。
 先生がおっしゃるように、一部簿価にして一部時価にするというのは、意図的といいますか、操作的に自由にやるわけじゃなくて、簿価で、満期保有のものと申しますのは、その一つの一括財産として満期保有債券という形で処理いたしまして、それを途中で売却した場合、一部でも売却した場合には全部が時価評価になるということでございまして、簿価で、満期保有で持つものというのは、我々として、最終的に最後まで、満期まで持つんだという意欲といいますか、意識じゃないとそういった処理ができないものでございます。
 そういった意味で、我々が持っている貯金の債権、片方で定額貯金という形で負債を持っているわけでございます。それに対する債権として持つものが、国債は十年でございますけれども、定額貯金になると四、五年でございます。その期間に合うような形で資産を持っていかないと、平均的な保有債券の期間が定額貯金と合っていないと金利のリスクをしょいます。そういった意味で、負債の側の状況に合わせてどのぐらいまで満期に持つかということを計算して、その額については簿価でやるということでございますので、評価損を隠すために、償却するために満期保有を意図的に増やしたり減らしたりする、そういう性格のものじゃないということでございます。
宮本岳志君 裁量では変えられないものだということですね、その割合は。そうとすれば、私、お伺いしたいんです。
 今、簡保の四兆二千億円の評価損というふうにおっしゃいましたね。これ、ほんの先月の局長答弁では四・七兆評価損だったんです。これ、五千億円実は評価損が減ったんです、この期間に。なぜかというと、今年三月末に掛けては株価が若干上がったからなんです。ところが、今年の三月末と比べて今また株安でしょう。こんなものはまだまだ膨らむ、現時点では更に膨らんでいる可能性が大なんですよ。そうですね。つまり、これが好き勝手に動かせないとすれば、つまり六・三兆と言われる評価益のうち、評価益を現実化できるものが裁量では変えられないと、一定量しか。これは、満期保有という性格のものはやっぱりそれは途中では変えられないんだと。とすれば、三・三兆の内部留保があったとしても、今の時点で五・七兆もの評価損が一層膨らんで、評価損の方が膨らんで、そして評価益の益出しの方は最大六・三兆ですけれども、これとても全部益出しできないでしょう、六・三兆全部を。そうでしょう。そもそもこれ債務超過になる可能性否定できないんじゃないですか、四月の時点で。
政府参考人(團宏明君) 先ほど申しましたとおり、その評価の問題、それから十四年度損益の問題、いろんなものはあります。ですから、確定できないということを申し上げているわけでございまして、委員のように悪いデータだけ集めてマイナスじゃないかというのも、これまたちょっと行き過ぎじゃないかと私は思います。
 だから、現時点での先ほど申しました私のデータによりますと、そういう事態はないものと考えております。
宮本岳志君 何が悪いデータですか。じゃ、もう一遍確認しましょう。
 あなたが話した郵貯の指定単運用で約一・六兆円、簡保の指定単運用で約四・七兆円の評価損が生じております。これは事実ですか、間違いなんですか、どっちですか。
政府参考人(團宏明君) 繰り返し申しておりますけれども、十三年度末の数字でございます。これは、最終的に確定しますのは十四年の、失礼しました、十四年度末の数字で確定しているわけでございまして、その予測というものは現時点では一年前の数字しかないわけでございまして、来年どうなるかということにつきましては、これはなかなか予測できないところじゃないかというふうに考えているところでございます。
宮本岳志君 今、確定している数字はこの五兆余りの数字しかない、その後は別に確定した数字がないんだという答弁でしょう。つまり、五・七兆という評価損が出ているという事実から出発しているんですよ、私は。評価益の方は六・三兆。じゃ、六・三兆今すぐ実現できるんですか。できますか、六・三兆、どうですか。
政府参考人(團宏明君) 評価でございますので、損も益も実現するものではございません。
宮本岳志君 六・三兆全部を評価益として時価換算することはできないんです。もしするとしたら、バイ・アンド・ホールドなんという原則はもうなくなっちゃうんですよ。つまり、公社の保有する国債というのは、バイ・アンド・ホールドで持っているんじゃなくて、投機というか投資のために持っていると、高くなったら売って、一もうけするために持っているという話になるじゃないですか。そんな話はないんですよ。
 だから、六・三兆と言うけれども、実は六・三兆全部益出しなんかできないわけですから、郵政公社発足時に債務超過になる可能性が否定できないんじゃないですかと私は聞いているんです。否定できますか、債務超過にならないと、絶対、できますか。
政府参考人(團宏明君) 認めておりますのは、だから五・七兆は計算上は確定していると、六・三兆はそのまま確定できない、これは私も認めているところでございます。来年どうなるかということについては、今、これはいろんな要素がありますから、まだ確定できないということを申し上げているわけです。
宮本岳志君 じゃ、株価次第で資本金が出るか債務超過になるか、そういうことですか。
政府参考人(團宏明君) 株価だけでなくて、今後の損益、それから債券の評価もかかわってくるわけでございますので、株価だけでおっしゃるのはちょっと一面的じゃないかというふうに思います。
宮本岳志君 とにかく、この議論は郵政公社発足時の正に資本にかかわる問題でしょう。延々とやっている一兆八千八百億が過少かどうかという議論なんて全部吹き飛ぶ話なんですよ、こんなものは。これがもしこれからまだどうにでもなる、どうなるか分からない、検討中だという議論になればですよ。
 それで、私ね、少なくとも債務超過にならないという試算を責任持って出す必要があると思います。出せますか。
政府参考人(團宏明君) 相場のこともありますので、確定できないものは確定できないというふうに思います。
宮本岳志君 これは、少なくともこういう試算で債務超過になることはありませんということを示していただきたいと思うんですね。
 念のために聞いておきますけれども、債務超過で郵政公社は発足できますか。
政府参考人(野村卓君) ちょっと仮定の御質問でございますので、ちょっと今のところ検討しておりませんので、回答は保留させていただきます。
宮本岳志君 発足できるはずないと思うんですよ、私。
 郵政公社法施行法案の第七条、承継される資産の価額の合計額から承継される負債の価額及び引当金の額に相当する金額の合計額を控除した額に相当する金額は政府から公社に出資されたものとすると。これを出資金とするんですから、これを引いてマイナスになったら出資金がマイナスになるじゃないですか。
 だから、これは、もし債務超過ということになればとんでもないことなんですから、責任持った評価損と評価益とをどのように計算して、そして今議論の出発点になっている一兆八千八百億という資本金のこの議論のベースになっている額、これが確かなのかどうかということをやっておかないととんでもないということを指摘申し上げたいと思うんですね。

 

<5兆円の欠損に誰も責任をとらない>

宮本岳志君 それで、私、聞きたいんですけれども、こういう失敗をやってこのまま済むのかという問題あると思うんですよ。
 今年三月の予算委員会で、私、公社法には業績が悪化した場合は役員の解任条項があるということを指摘をいたしました。運用に失敗して大きな損失が出たという場合にも、これから発足する公社の場合はその責任は経営陣は問われるんですか。
政府参考人(團宏明君) 元々運用といいますものは、簡保の契約それから郵貯の預かり、これをきちんと払っていくということを目的に運用をやるわけでございまして、部分的な成功、失敗というのはなかなか計り難いものがあるわけでございますけれども、いずれにしても、運用計画を立ててそのとおり実行していくということになりますので、そこら辺に外れたものがあれば、当然それはマイナスの評価になっていくというふうに考える次第でございます。
宮本岳志君 この公社法を作って、これから発足する公社の幹部には経営責任問うんだと、そうあなた方はおっしゃる。ところが、既に指定単の運用で五・七兆の穴を空けたと、この責任は一体だれが取るのかと。一体これだれがどういうふうにこの責任取るんですか。
政府参考人(團宏明君) これにつきましては、元々この指定単というものは国自身が行うことは適当じゃないということで簡保事業団に切り離してやったものでございます。債券と株式というのは相反する行動を取るということで、これを併せまして、あるときに債券が上がれば株が下がるというふうなことに着目してやっているわけでございまして、株の指定単のマイナスだけをもってこれが失敗だったということではなくて、この評価益と評価損というものを併せて評価すべきじゃないかというふうに考える次第でございますので、いろいろ振り返る点はあろうかと思いますけれども、直ちにこれが責任を取るべきほどの失敗であったかどうかということについては、必ずしもそうではないんじゃないかというふうに考えております。
宮本岳志君 実に無責任な答弁ですよ。この指定単というのは適当でないということで切り離してやったと。適当でないということを簡保事業団に委託してやらせたということを、さっきそう言ったじゃないですか。国がやるにはでしょう。そういうことをやらせたわけですから、どこかの特殊法人をかわいそうだから今度吸収してやろうという話じゃないんですよ。これは、あなた方が作ってあなた方がやらした資金の運用なんですね。その結果出た五・七兆もの損失でしょう。
 そして、評価損もあれば評価益もあると言うけれども、評価損は指定単の評価損ということが問題になっているけれども、評価益の方は国債運用じゃないですか、正に。私は、こういうことをやって責任を取らないということでは絶対国民は納得しないということを申し上げておきたいというふうに思います。五兆円の穴を空けてだれも責任を取らない、それどころか、公社化に向けてこうしたマネーゲームを更に歯止めなく拡大していく、こういうのが私は今の姿だと思います。
 今まであなた方は盛んに過少資本を強調してきたけれども、民間のように資本を積むということは、民間のような運用をするということの表裏の関係にあると思うんですね。十兆円の自己資本というのは、今後もこういう失敗があり得るという前提で、その穴を埋めるための準備として本来利用者に還元すべき収益を十兆円規模で内部に積み立てようというものなんです。先ほど大臣もいろいろリスクがあるというふうにおっしゃいましたけれども、つまり民営化への準備資金として十兆円の国民負担を求めるということにほかならないと思います。しかも、会計操作で五兆円もの欠損を埋めるだけのものを持ちながら、国会には過少資本で大変だと説明をする。このどこが透明な経営ですか。
 冒頭に議論した総理の懇談会のやり方も国民と国会を愚弄するものだと思いますけれども、あなた方のやり方も同じく国民と国会を欺くものだということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。

 

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