郵政公社の制度設計は第3・4種郵便の存続を前提に
委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。宮本岳志君。
宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
我が党は、郵政事業の民営化にはきっぱり反対という立場でありますけれども、今準備されている公社への移行も、民営化の準備であったり公共性の縮小ということであれば容認はできないと思うんです。
宮本岳志君 そこで今日は、第三種、第四種郵便という問題についてお伺いいたします。
まず、総務省から、第三種及び第四種郵便の制度の趣旨と目的を御説明いただけますか。
政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
第三種及び第四種の郵便物の制度につきましては、郵便法で規定されているものでございます。
まず、第三種郵便物の制度につきましては、国民文化の普及向上に貢献すると認められる定期刊行物、主として新聞、雑誌でございますけれども、こういうものにつきまして郵送料を安くして、購読者の負担の軽減を図ることによってその入手を容易にし、もって社会文化の発展に資するという趣旨で設けられております。
また、第四種郵便物の制度でございますけれども、これにつきましては、学術、教育の振興普及、それから目の不自由な方の福祉の増進などを目的とするものにつきまして、郵送料を安くする、ないし無料にしております。具体的には、通信教育のための郵便物、盲人用の郵便物、これは無料でございます。それから、農産種苗を内容とする郵便物、学術刊行物を内容とする郵便物の四種類が設けられております。
宮本岳志君 官房長官、官房長官も、この制度の意義、果たしてきた役割というのはお認めになっていただけますね。
国務大臣(福田康夫君) 認めます。
宮本岳志君 総務省、サミット参加諸国のうち、定期刊行物などへの政策的な割引料金制度を設けている国はどことどこか、お答えいただけますか。
政府参考人(團宏明君) 各国制度でございますが、まず、サミット参加国のうちアメリカ、カナダ、フランスというところにつきましては、ユニバーサルサービス提供義務を担う郵便事業体、この料金におきまして政策的な見地から定期刊行物の料金が低廉なものと設定されております。また、イギリス及びドイツにおきましては、大量差し出しの場合の料金割引というのがございますけれども、これは直ちに政策的な観点から設定されているものではないというふうに認識しております。
なお、イタリア、ロシアにつきましては、今、制度の有無については承知しておりません。
以上でございます。
宮本岳志君 しかし、少なくとも大半の国々ではこういった低額の料金が存在すると。
ところが、この制度の廃止ということが我が国で一部で報道されて、関係する各方面で不安が広がっております。それは、新たな公社法の制定に伴って今の郵便法の第三種及び第四種の料金を規定した条文が廃止をされて、政策的な料金の設定は公社の判断に任されるという方向になっているということなんですね。
去る二十日の総務委員会で総務大臣は、この制度の果たしてきた役割を重く受け止めていると、こう述べられました。それならば、この制度を維持するとこの場でお約束いただきたいと思うんですが、いかがでしょう、総務大臣。
国務大臣(片山虎之助君) 今、公社化に伴う法案を検討中でございますが、それは、公社化研究会というものの答申を十二月にいただきましたので、それに基づいて今法案作成中でございますが、公社化研究会の答申は、こういうものについては公社の経営の状況との兼ね合いを考えなさいと、こういうことを言っていますから、そこのところをどこに接点を求めるのかと、こういうことでございまして、私もこの三種、四種の今まで果たしてきた役割は評価するにやぶさかではありませんよ。ただ、これからできる公社の経営についてこれが大変な圧迫要因になるようでは、これはこれで大変でございますので、その辺どういうふうに兼ね合いを考えるのか、関係団体の意見も聞きながら現在検討中でございます。
<営利になじまない政策的な割引料金>
宮本岳志君 公社の経営という言葉が出ましたので、この問題を少し考えたいと思うんです。
二〇〇〇年度の郵便事業の損益、そして第一種、第二種を合わせた黒字の総額、及び第三種、第四種を合わせた赤字の総額、それ以外の小包や速達などの赤字の総額、それぞれお答えいただけますか。
政府参考人(團宏明君) 御指摘の平成十二年、二〇〇〇年度の郵便事業の収支でございます。
郵便事業全体の損益は百億円の赤字でございます。このうち、いわゆる手紙、はがきの第一種及び第二種郵便物につきましては、合計で五百五十九億円の黒字でございます。第三種及び第四種の郵便物につきましては、合計で三百二十五億円の赤字でございます。その他、特殊取扱い、小包、国際郵便物につきましては、合計で二百八十五億円の赤字でございます。
宮本岳志君 前回の郵便料金の値上げ以降、最近まで郵便料金、郵便は黒字が続いてきたと思うんですが、その黒字のときは三、四種は黒字でしたか。
政府参考人(團宏明君) 第三種及び第四種につきましては、通常の料金よりかなり割引ないし無料でやっておりますので、ちょっと正確ではございませんが、ほとんど赤字で推移しておると思います。
宮本岳志君 そうなんです。だから、三、四種の赤字分を、そしてまたその他の赤字をはがきや封書の黒字で埋めてきたと。元々、三種、四種郵便というのは赤字を覚悟しなければできない水準の料金でサービスをしているところに意味があって、営利の目的の制度でない以上、それは当然のことなんです。
郵政公社化研究会の中間報告では、郵便事業の全分野に参入しようとする事業者には一定の条件を付けると、こう言っております。この条件には三種、四種郵便を政策的に行わせるということが含まれておりますか。
政府参考人(團宏明君) ただいま民間の参入、郵便事業への参入につきましては法案を検討中でございますが、その中での第三種、第四種のような扱いでございますが、これはこれまでの郵便法におきまして独占の下で国の社会政策的な意味でやっておりますので、これから参入する民間事業者にこれを義務付けるというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
宮本岳志君 そうなれば、参入してくる民間事業者はもうかる一種、二種だけをやることになるんです。三種、四種の方はどこもやらない。これが公社の業績悪化の要因となることは明白だと思います。
宮本岳志君 研究会の中間報告には、役員の解任についても触れております。どのような場合に解任できると書いてありますか。
政府参考人(野村卓君) お答えいたします。
昨年十二月に取りまとめられました郵政事業の公社化に関する研究会の中間報告では、役員の解任について次のとおり記述してございます。「総務大臣又は公社の長は、」「役員の職務の執行が適当でないため公社の業務の実績が悪化した場合であって、その役員に引き続き当該職務を行わせることが適切でないと認めるとき等の場合には、その役員を解任することができるものとする。」と、かように書いてございます。
宮本岳志君 実績が悪化した場合だけは、実は役員が途中で解任されることになり得るんですよ。こうなりますと、第三種、第四種の料金を値上げしたい、あるいはなるべくならやめてしまいたいという気持ちが公社の経営当局に働くようになる。私はこれは制度的に自明の理だと思いますが、総務大臣、そういうふうにお考えになりませんか。
国務大臣(片山虎之助君) 委員が言うように一概にすぐそうということにはなかなかなるかどうかですよね。やっぱり公社は公的な存在でございまして、やっぱりユニバーサルサービスというものの確保というのが常に念頭にあるわけでありますから、直ちに経営だけを考えるということじゃないと思いますよ。しかし、経営も考えなければいけません。だから、そこの接点をどうするかということを私は申し上げております。
宮本岳志君 私どもは、だからこそやはり公社がユニバーサルサービスをしっかりと守れるように制度設計すべきであるということを申し上げているわけです。
郵便事業への民間参入というのは、つまり公社に一層の経営努力を強いるものになります。そのとき、できれば政策料金を圧縮したいという、そういう思いが役員に生ずるということは明らかだと思うんです。
こういう議論を是非踏まえていただいて、官房長官に聞きたいんですが、総務省の研究会と並行して首相の懇談会でも議論がされていると聞いております。その中でこの政策料金制度の問題についてどのように検討がされておりますか、官房長官。
国務大臣(福田康夫君) 郵政三事業の在り方について考える懇談会におきましては、公社化後の郵政事業の在り方についていろんな方のお知恵、御意見を伺いながら、国民の理解と協力を得ることができるような具体案について検討を進めているところでございます。特に今、御指摘の三種、四種郵便物に焦点を当てた具体的な検討は今行っているのではございません。
宮本岳志君 ろくに検討していないということですか。私は、これほど重要な問題についてその検討すらまともにやっていないというのは問題だと思います。
去る二十日、この問題で我が党は懇談会を企画いたしました。各方面の四十八団体からの参加者で会場があふれるような状況になりました。そして、第三種、第四種郵便というものが実に様々な分野の団体の活動を支えていることがこもごも語られました。それが廃止されたのでは一体何のための公社化かと、こういう声も出されております。
私は、公社化法案の関係法案の提出に当たっては、今後この制度をどのように守っていくのかをはっきり国民に示すべきだと思うんですけれども、官房長官、いかがでしょうか。
国務大臣(福田康夫君) 先ほど申し上げました三種、四種の具体的な検討と、これは今行っていません。今大きな枠組みと申しますか、考え方をどうするかと、基本的な、そういうことについて議論が集中しているということでございます。
また時間を追ってそのようなことを議論する場面もあろうかと思っております。
委員長(真鍋賢二君) 時間です。
宮本岳志君 責任を持ってやっていただきたいと思います。
我が党は、各方面の方々と手を取り合って、政策料金制度の存続、拡充と国民本位の公社制度を求めていくことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。