6月26日 総務委員会(消防法)

  消防法上の危険物輸送に国連基準での表示を提案

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<危険物輸送に国連基準での規制を>
<事故時には流出物質の特定が肝要>
<3つの省庁で重複するデータベース>
<爆発性の化学物質へのずさんな規制>
<縦割りを是正し責任を持った対策を>

 

 


<危険物輸送に国連基準での規制を>

宮本岳志君 消防法の改正案は危険物にかかわる二つの改正が含まれております。一つは、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩類の危険物への追加を行う、これは我が党が当初から要求してきたことであり、当然のことだと思うんです。もう一つは、逆に引火点二百五十度以上の品目を危険物から除くというもので、規制緩和です。我が党は、必要な規制緩和は反対しませんけれども、国民の生命や安全にかかわるものについては極めて慎重であるべきだと考えており、賛成できません。
 今回の改正のもととなった昨年の規制緩和推進三カ年計画の策定の過程では、国際的な水準との整合性ということが議論になってまいりました。しかし、安全規制を緩めるときには国際水準との整合性と言うんですけれども、安全確保のための国際水準については国連勧告さえ無視しているという実態があります。
 危険物輸送に関する国連勧告、日本では既に航空輸送、海上輸送では国連勧告に基づいた番号や図案に日本語を加えた標識が使われております。ところが、道路輸送ではこの国連勧告を遵守していない、これは一体どういうわけですか。
政府参考人(中川浩明君) 危険物輸送に関する国連勧告に基づく番号及び図案の表示につきましては、国境を越えて危険物等を輸送する場合には、それぞれの国の言葉で危険物等の名称を表現するということは困難な面があるということから、共通化した番号等で表示することとしたのがこの勧告の趣旨ではないかと認識をいたしております。
 一方、我が国内の危険物の道路輸送につきましては、国境を越えることがなく、現在の危険物輸送時の掲示及び表示が広く一般に認識をされているということがございます。また、消防法の危険物の分類は、引火点の区分の違いなど、今申し上げました国連勧告とは必ずしも一致していない点がございます。また三つ目に、消防庁では、危険物災害等情報支援システムを構築いたしておりまして、消防機関等への危険物等に係る情報提供の体制を整備しているところでございます。さらに、消防庁など関係省庁におきましては、危険物輸送時におきますイエローカードの携行を推進し、その普及が進んでまいっております。
 このような点にかんがみまして、国連勧告に基づく番号及び図案の表示については、我が国において現時点で導入するという考えは持っておりません。
 なお、今後とも、災害時の危険物等に係る情報提供につきましては、国連勧告に基づく番号及び図案による方法も含めまして、十分研究、検討してまいりたいと考えております。
宮本岳志君 国境を越える道路はないという話なんですが、では聞きますけれども、日本と同じ島国であるイギリス、国境を越える道路を持たないオーストラリア、国連勧告を守っておりませんか。さらには、先進国、EUや米国で、道路輸送で国連勧告を採用していないような国がほかにありますか。お答えください。
政府参考人(中川浩明君) それぞれの国に直接確認をとっているわけではございませんので不正確な面があるかもしれませんが、我々が承知している限りについてお答えいたしますと、イギリスにつきましては、危険物道路輸送に係ります欧州各国合意書というものがございますが、この合意書に参加をしておりますし、オーストラリアにつきましては、オーストラリア運輸省の基準から今お話ございました国連勧告を危険物の道路輸送に採用していると考えられるところでございます。
 また、アメリカやEU各国につきましてすべてを網羅的に調べているわけではございませんが、ほとんどの国がこの国連勧告を危険物の道路輸送に採用しているのではないかと、このように把握をいたしております。
宮本岳志君 きょうは国土交通省鉄道局に来ていただいております。
 鉄道輸送における危険物の輸送に関する国連勧告については、火薬類を運搬する場合の技術上の基準として、平成十年三月二十七日、運輸省告示第百二十一号で国連勧告に対応した措置が講じられたと聞いておりますけれども、これは事実ですね。
政府参考人(白取健治君) 鉄道等によります火薬類を運送する場合の包装の基準につきましては、鉄道等により火薬類を運送する場合の包装の基準等を定める運輸省告示でございますけれども、これを定めまして、国連勧告に対応してきたところでございます。
宮本岳志君 鉄道も、我が国においては国境を越える鉄道というものはないと思うんですね。

 

<事故時には流出物質の特定が肝要>

宮本岳志君 では、本当に道路輸送についてこの国連勧告の遵守の必要性は低いかどうか、このことについて議論したいと思います。
 一九九七年八月五日午前五時三十三分に静岡県菊川町で発生したタンクローリーの単独横転事故ですね。積載していたステアリン酸クロライド一・六トンが流出をいたしました。雨水と反応し、塩化水素が発生をいたしました。この事故では、漏れ出した危険物が何であるかがわからずに、また薬品名が誤って伝わったことから対処がおくれて、高速道路が十五時間も閉鎖されるという事故でありました。
 この事故で物質名がステアリン酸クロライドであることが判明したのは、事故が五時三十三分に起こった後、何時何分だったか。また、小笠消防が静岡県消防防災課からステアリン酸クロライドの製品データシートをファクスで受領したのは何時何分だったか、お答えいただけますか。
政府参考人(中川浩明君) ただいま御指摘の小笠地区消防組合という消防本部から入手をいたしました資料によりますと、五時三十三分ごろ事故が発生し、午前六時四十五分、タンクローリーの運転手を病院へ搬送する必要が生じ、その途上におきまして救急隊がこのタンクローリーの積み荷はステアリン酸クロライドであることを聞き出していたと、このように聞いております。
 このほか、午前六時四十六分、事故現場に到着いたしました消防隊が、車両に掲示されております標識板により、積み荷はステアリン酸クロライドであることを確認しております。また、管轄の小笠地区消防本部は、午前九時三十六分に静岡県消防防災課からステアリン酸クロライドの製品データシートをファクスで受領していると、このように聞いております。
 このような手段、方法によりまして、積み荷がステアリン酸クロライドであることを消防本部としては把握をしたと、このように報告を受けております。
宮本岳志君 物質名の特定に事故発生から一時間、消防のデータシートが届くのは実に四時間が費やされているんですね。その間、六時十三分には、品名はクロロホルムですとの通報があったと。六時三十三分には静岡県消防防災課はクロロホルムに対する危険情報を流したということも私の手元の資料で出ております。物質名の正確な特定とその対処法の徹底がいかに大事かということを示す重大な事故だったと思います。
 次に、一九八八年八月三日に起こった事故。二十三時十九分、中央道で塗料用シンナー入り十八リットル缶一・五トン積載の大型貨物車が中央分離帯ガードレールに衝突、車両火災を起こした事故です。二十三時四十一分、上り車線に消防車が到着し、同四十二分に放水を開始したけれども、その後、事故車両の積載危険物名が不明なため放水をやめ、爆発が続いた。一時間以上たってやっと再び放水を始めたが、車両は二台とも全焼、通行どめ解除は四時間後であった。これは間違いないですね。
政府参考人(中川浩明君) 長野県伊南行政組合消防本部によりますと、事故発生日時は昭和六十三年八月三日二十三時十分でございまして、消防本部が覚知した時間は二十三時二十分でございました。当初、中央道上り線の事故という内容を受けまして、上り線担当の消防隊が出場いたしまして、二十三時三十分の現場到着時の状況では、大型車二台と積み荷が炎上していた。二十三時三十八分にはタンク水で消火活動を開始いたしました。しかし、実際の事故現場が下り線の事故でもございましたので、下り線担当の消防隊、これは伊那消防組合の消防本部になりますが、消防隊が出場いたしましたが、交通渋滞等により到着がおくれたこと、付近の水利が状況が悪かったこと、接着剤、これは第四類の第一石油類でございますが、この接着剤の金属容器百二十缶のうち、一部が破裂、炎上したこと等から消火活動に困難を来し、鎮火をしたのは放水開始から約二時間後の八月四日一時四十二分であった、このように報告を受けております。また、上り線の通行どめが解除されましたのは、発生から約四時間後の三時七分、このように報告を受けております。
宮本岳志君 私の手元に日本道路公団の記録があります。二十三時四十二分、放水開始、零時零々分、輸品名不明のため消防車放水せず、爆発が続くと、道路公団の記録ではそうなっているわけです。
 そこで、これを見ていただきたいのです。(資料を示す)これが国連番号と国連表示を使った場合の塗料用シンナーの標識なんですね。この八月三日の事故で燃えたものは塗料用シンナーだったわけですけれども、この一二六三というのが塗料用シンナーの国連番号です。それで、この三三というのは、これは引火点二十一度以下の塗料用シンナー、常温でも引火するというものです。それから、三〇となったのは引火点が二十一度以上ということですから、そういう塗料用シンナーはこの三〇と、引火点によって二種類あるんですけれども、こういう表示をきちっと掲げるというのが国連勧告の趣旨なんですね。
 そして、水をかけてはいけない場合はどうかといいますと、ここに持ってきたこのXというこの番号が水をかけてはいけない、禁水性という意味です。(資料を示す)このパネルは、アセチルクロライドという、国連番号一七一七番という物質ですけれども、水をかけると有害な塩化水素が発生いたします。だから、このバツという、Xというのがついております。引火点二十一度以下で三三、腐食性があるので八、そして禁水性を示すXがついてX三三八というのがあれば、ああこのXとあるのは水をかけたらいかぬなと一目見てわかることになるわけです。
 こういうものをすべて物質ごとにまとめたものを国連はつくっているわけです。これがまとめたオレンジブックと言われる冊子です。(資料を示す)日本は使っていないですから日本語のものはなくて、これは英語のものですけれども、これがオレンジブックなんですね。
 国連勧告では、危険物一つ一つを四けたの番号であらわして明確に示しております。それを一冊にまとめてこういうものにしている。これならば物質名を誤る可能性もないわけですし、対応も迅速になる。なぜ、国際的には常識とも言うべきこの国連勧告、こういう方式を改めて採用しないのかと思うんですが、いかがですか。
政府参考人(中川浩明君) 危険物の輸送の安全を確保するためにどのような標識を表示して事故時に的確にその実態が把握できるようにするのかということにつきましては、確かに重要なポイントであろうと、このように考えております。
 我々としても、よりよい、より望ましい方式について研究、検討することはやぶさかではございませんが、あえて先ほど申し上げましたことをもう一度申し上げれば、現時点において国境を越えない、あるいは危険物自体の分類が今お示しのような国連の定めております勧告の前提となっております分類と異なっている等々の問題もございますし、また、実際の消防機関において現状の標識、表示あるいはいろいろなデータによります情報で消防活動に的確に対応している実態もございますので、なお引き続いて国連勧告の取り扱いについては研究、検討させていただきたいと思います。
宮本岳志君 なかなか適切に対応できていないから、私、こう申し上げているわけですよ。
 それで、例えば日本語名というのはほとんどの薬品に複数の呼び名があるんですね。アセチルクロライドというのは別名塩化アセチルとも言いますし、先ほどクロロホルムというのが出ましたけれども、これに至ってはトリクロロメタン、塩化メチニル、三塩化メタン、四つも名前があります。これらは国連番号なら、一七一七、一八八八と明瞭なんですね。

 

<3つの省庁で重複するデータベース>

宮本岳志君 そこで聞くのですけれども、消防庁で持っているデータベース、これは国連番号に対応しているんじゃないですか。
政府参考人(中川浩明君) 平成十年度消防庁で構築いたしました危険物災害等情報支援システムは、道路上等で危険物に係る災害が発生した場合に、消防機関に対しまして物質の性状、消防活動要領、中和剤提供事業所、製造等事業所名などの情報を早い段階で提供する、この趣旨で作成をいたしているものでございます。
 現在、このシステムの中には約二千五百のデータが登録されております。それぞれの物質に対応する形で化学名、英語名、通称名などの名称、分子式、分子量、比重、融点、沸点、引火点、毒性、外観などの性状、また消防活動方針、人体応急処置などでございます。
 この名称データには、国連番号により検索することが可能となっております。当該システムに登録されている物質のうち国連番号の情報が提供できるものについては、名称データの一部にも国連番号を追加しているところでございます。
宮本岳志君 総務大臣、このやりとりを聞いていただいて、やっぱり国際標準ということが議論になっている時代に我が国だけ国連勧告を採用していない、それが危険物特定の障害になる場合さえあると。この問題は、つい最近ベルリンで開かれたOECDの不安定物質爆発危険性に関する専門家会議、IGUSというところでも問題になったと私はお聞きをいたしました。
 この際、やっぱり国連勧告を採用するということも含めて検討すべきだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。
国務大臣(片山虎之助君) いやいや、宮本委員がお詳しいのにちょっとびっくりしているんであれしております。よく勉強されたと思いますけれども、私、消防庁の方から聞いておりますのは、今言ったように島国で国境通過がないというのと、その危険物の引火点ですか、それが必ずしも国連の分類と同じじゃないんで、直ちにそういうことを採用するといろんな混乱が起こるし、それから少なくとも車にそういうものをつけなきゃいけませぬ、表示を、そういうことでさらなる負担がかかるんで、そういういろいろなことを考えて、当面はこれで支障がないという報告を受けておりますので、それはそのとおりだろうと思いますけれども、しかし、言われる長官とのあれを聞きまして、研究はさせていただきます、今後とも、研究を。
宮本岳志君 私は、今回これ調べて本当に驚いたんですよ。ぜひ研究していただきたいんですけれども、これは本当に省庁ごとの縦割りの非常にきつい分野でして、火薬類は経済産業省及び警察庁、危険物は消防庁、毒物は厚生労働省、高圧ガスは経済産業省と、それぞれ法令を所管する省庁ごとに規制を分け合っているんです。
 それを調整するために危険物運搬車両の事故防止等連絡会議を開催しているというけれども、これは年一回なんですね。しかも、各省庁横並びの連絡会にすぎないと説明を受けました。この連絡会は警察庁で開くんですけれども、別に警察庁が各省庁に指示、命令したり、政策変更を求めたりするものでないというふうにお伺いしたんですけれども、そうですよね、警察庁。
政府参考人(坂東自朗君) 委員御指摘のこの連絡会議は、関係行政機関等の申し合わせに基づきまして警察庁において事務局を担当しているところでございますけれども、この連絡会の性格は、警察庁が関係行政機関等に指示あるいは命令したりする性格のものではございませんでして、関係行政機関等が連携協力し合って、総合的に事故防止対策とかあるいは事故発生時対策というものを推進していこうというものでございます。
宮本岳志君 縦割りでもそれぞれが責任持てば大丈夫という話も一部いただいたんですけれども、一例を挙げたいと思うんですよ。
 警察庁はことし四月から高速道路での危険物流出事故に係るデータベースというのをつくって活用を開始されております。このデータベースの作成に幾らの予算おかけになりましたか、警察庁。
政府参考人(坂東自朗君) 委員御指摘のように、警察庁では全国の都道府県警察に危険物に係るデータベースというものを整備したところでございまして、これに必要な経費は約七千万円ということになっております。
宮本岳志君 一方で、消防庁が平成十一年度から運用している危険物災害等情報支援システム、さっき長々と説明いただいたものですが、これも危険物に係る災害が発生したら災害現場で使うデータベースを構築したものなんですね。実は、これ以外に厚生労働省も毒物・劇物情報データベースというのをつくっておりまして、これもおおよそ一千三百万円かけて平成十二年四月から活用していると。
 だから、消防が十一年四月から、厚生労働省が十二年四月から、十三年四月から警察と、毎年毎年別々の役所がつくっているんですが、消防庁、聞きますけれども、消防のものは厚生や警察と同じものですか、消防庁。
政府参考人(中川浩明君) 警察庁あるいは厚生労働省のデータベースについて必ずしも詳細を把握しておりませんけれども、お聞きした限りにおきましては、例えば警察庁のデータベースには化学名だけではなくて商品名なども入力をされていることや、あるいは事故発生の際に危険物質を特定し危険有害性を認識した上で適切な事故処理を図るため高速道路交通警察隊に配備をしているというような点について異なるところがあるのではないかと、このように考えております。
宮本岳志君 つまり、違うところもあるんでしょうけれども、よく似たものを三つの役所がばらばらにつくっていると。これを本当に一つにすれば、そしてみんなで力を合わせてよりよいものをつくればもっと節約になるのではないかと、私などは本当にこれ話を聞いて感じたわけです。

 

<爆発性の化学物質へのずさんな規制>

宮本岳志君 縦割りの弊害というものをもう一つ私御指摘したいんですが、今回新たに危険物指定の対象となるヒドロキシルアミン及びその無機塩類について聞きたいと思います。
 ヒドロキシルアミンというこの薬物は、毒物及び劇物取締法の指定による劇物であります。幾つかの資料で調べましたら、これらの物質の致死量は体重一キログラム当たり大体数百ミリ程度で死ぬと書かれてありまして、おおよそバケツ一杯で数百人の致死量ということになります。同時に、この物質は昨年六月の、先ほどお話にあった爆発事故でも明らかになったように、空気の供給がない条件下でもそれ自体が爆発的に化学反応を起こす、つまり自己反応性物質として指定されることになりました。これは、つまり爆発物や火薬類と同じグループに入れられるということになります。
 そこで聞きたいんですけれども、このヒドロキシルアミンはどのような形態で輸送されているのか。純粋な物質や日進化工の事故の原因になった高濃度の溶液として運ばれているんですか、いかがですか。
政府参考人(中川浩明君) ヒドロキシルアミンは、現在、通常濃度約五〇%の水溶液として流通をしていると把握しております。その際、プラスチックドラム等の容器に収納されていると、このように把握をいたしております。この容器は、国連勧告におきます腐食性物質に適用する容器でございますが、消防法第五類の自己反応性物質に係る消防法の基準にも適合するものでございます。
 爆発事故の原因となりました高濃度のヒドロキシルアミンは、製品でありますヒドロキシルアミン五〇%水溶液を製造する工程の中で中間的に生成されているものでございまして、このような高濃度のものを輸送することは現在ないと考えておりますし、今後とも想定されないところでございます。
宮本岳志君 本当そうだと思うんですね。純粋な物質のまま道路を輸送するというのは、ダイナマイトをトラックに満載して走るようなものであり、許されないのは当然だと思います。
 しかし、硫酸塩として運べば安全かというと、そうは言えないからこそ今回の危険物指定にその硫酸塩や硝酸塩も含まれているんだと。硫酸ヒドロキシルアミンも加熱されれば急速に反応して有毒なガスを発生すると思うんですね。
 そこでまた確認ですが、硫酸ヒドロキシルアミンの熱分解生成物は何であるか、また燃焼生成物は何ですか。
政府参考人(中川浩明君) 硫酸ヒドロキシルアミン自体は可燃性ではございませんが、加熱した場合の分解生成物としては、アンモニア、窒素、水などが考えられます。また、この硫酸ヒドロキシルアミンをさらに空気中で加熱をいたした場合は、分解生成物のアンモニア等の酸化あるいは硫酸の分解などが起こることとなり、その結果、二酸化窒素、二酸化硫黄等が発生すると考えられます。
宮本岳志君 万一交通事故による火災に巻き込まれれば、こういう毒性の高いガスが出てくるわけです。非常に危険な状態だと。だからこそ、危険物の種類の表示、それから危険性についての知識を持った人間がそこに同乗することが非常に大切になります。危険物取扱責任者の同乗義務が課せられているのは当然です。
 ところで、日本道路公団による道路輸送危険物のデータシート一九九六年には、固体の硫酸塩の運搬方法について、輸送時の輸送形態、紙袋、石油缶、ドラム缶と書かれてあります。トラックに紙袋、石油缶、ドラム缶に入った硫酸ヒドロキシルアミンを積んで走る場合に危険物取扱責任者の同乗は義務づけられておりますか。
政府参考人(中川浩明君) 硫酸ヒドロキシルアミン、現在危険物ではございませんが、仮にこれを危険物といたしますと、これを容器で運搬する場合には、他の危険物と同様に危険物取扱者の同乗は必要ございません。
 この趣旨は、この容器によります運搬では、危険物は小分けをされて容器に密封して収納されており、それぞれ出発地、到達地におきまして実際に危険物を出し入れするという作業はなく、容器の積みおろしという作業があるのみでございます。また、容器に小分けされておりまして、事故時におきましても一つの容器から漏れる量というのは限定されるということから、危険物取扱者の同乗を義務づけてはいないものでございます。
 現在、危険物取扱者の同乗を義務づけております移動タンク貯蔵所については、その運転手自体が荷積み及び荷おろしに際して移動タンク貯蔵所の弁などを操作して実際に危険物を出し入れするというそういう作業を行うために、危険物に関する知識を有する危険物取扱者の同乗を義務づけている、このような違いがあるわけでございます。
宮本岳志君 紙袋、石油缶、ドラム缶ですから、それは密閉されたものもあるでしょうし、紙袋などは紙ですから。それで、タンクローリーならば危険物取扱責任者の同乗義務があるけれども、同じものを石油缶やドラム缶、紙袋でトラックに積んだら同じ量でも同乗義務はないと、これはどう考えてもざるだと私は言わざるを得ないと思うんですよ。
 タンクローリーは、法律上、今本当に長官がおっしゃったとおり、移動タンク貯蔵所と言うんです。トラックはそうじゃないんですよ。つまり、これも結局縦割りの行政、縦割りの法的システムに大きな問題があって、これをひっくるめて道路上の危険物輸送ということについてやっぱり突っ込んだ議論というのがされていないことから、こういう矛盾というか、おかしな話も出てくるんだと私は思うんですね。

 

<縦割りを是正し責任を持った対策を>

宮本岳志君 昨年の我が党寺前議員に対する政府答弁書では、政府がこれを責任を持って総合的に推進すると、こうお答えいただいているわけですよ、大臣。そうだというならば、警察庁、消防庁、国土交通省、経済産業省、厚生労働省と横並びで、年に一回、報告をお互いし合って交流するという程度の話でなくて、責任を持つ役所を明確にして対策を進めるべきではないかと。その中でぜひ、先ほど検討するとおっしゃいましたけれども、国連勧告の採用についても改めて議論すべきではないかと、私はそういうふうに思うんですけれども、最後に大臣の政治家としての御答弁をお伺いして終わりたいと思います。
国務大臣(片山虎之助君) 日本の役所というのは、みんな使命感、責任感が旺盛で、それぞれの根拠のある法律を持って行政をやっていますから、それを一つにまとめるというのは、なかなか全部をカバーできるようなことは難しいと思うんですよ。
 とりあえずは、今関係省庁で連絡会議をやっているようですから、年に一遍というのはちょっと少ないことは少ないですね、これはもう少し頻繁に情報交換をしてもらったりするようなことをやってみて、それでやっぱり問題があるようなら、今や改革の時代ですから、研究だけは今後も続けてまいります。
宮本岳志君 終わります。

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