宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。本題に入る前に小坂副大臣に、この後審議が予定されている電波法についてお伺いをしたい。我が党は、内閣提出の電波法改正案の衆議院での審議を受けて、去る五月十六日に関係諸団体との懇談を行いました。ここには労組、市民団体と並んで民放連、フジテレビの代表の方も参加をされました。民間の放送事業者とひざを突き合わせて話をするというのはこれまでなかったことでありまして、もちろんすべての点で意見が一致するというようなことはないわけですけれども、お互いそれをわきまえた上で有意義な意見交換ができたというふうに思っております。そこで、民放連の方は、十年間でのデジタルへの切りかえ完了を合意したという衆議院での総務省答弁について、うそではないが法案に打ち切り期限まで書き込まれることは知らなかった、あれを役所の立場からとらえるとああいうことなのかなという言い方でありました。同時に、二〇〇八年が放送事業者の免許の切りかえの年になるということを言われて、この二〇〇八年時点での状況次第では国会からの何らかの動き、あるいは視聴者の側からの何らかの動きがあってしかるべきだとのお考えでありました。これは、我が党が衆議院に提出した修正案の内容、一年前に見直すという内容と重なり合うもので、我が党の立場が現実的なものだという自信を深めさせていただいたところです。ところが、残念なことに衆議院では修正案、与党三党が反対ということで否決をされました。そこで、政府に確認させていただきたい。政府も同様の立場ということですか。それから、反対であれば、その理由は何ですか。副大臣(小坂憲次君) 民放連の会員の方との懇談を持たれたというお話でございますが、私ども、意見を集約していただく形で民放連の代表の方とお話をしてくるわけでございまして、その民放連の中にどのような意見があったかは私どももわかりませんが、代表の方が民放連の意見として述べられた方向は申し上げたような方向でございます。また、衆議院におきます採決におきまして、与党三党が修正案に反対したためにという御指摘でございましたが、私の記憶では、与党三党に加えまして民主党それから社民党、自由党の皆さんも、言ってみれば共産党以外の皆様は全部反対をされたかと思うわけでございます。そういう中で、私どもはどうであったかということでございますが、私どもはその衆議院における審議の中で委員の皆様の採決によって決まったことということで、それを受けとめさせていただいたところでございます。宮本岳志君 この法案は追って審議することになりますので、またその場でやらせていただきたいと思います。
宮本岳志君 本題に入りたい。近年、通信と放送の融合ということがしきりに言われております。実際に、伝送路の融合あるいは事業体の融合ということは時代の趨勢として着々と進んでおります。そのことは客観的な事実でありますし、それに応じた制度の整備、これが必要になるということももちろん我が党は否定いたしません。しかし、出されている法案は、余りにも小手先の対応になっているのではないかというのが私の率直な感想なんです。通信と放送が融合するという議論をするのであれば、放送の規律をこれからどうしていくのか、通信の秘密はどう扱うのか、こういう大問題を避けて通れないわけです。また、昨年のIT基本法の審議でも私は主張しましたけれども、電気通信の分野の新しい技術を民主主義の発展に役立てるという視点での腰を据えた取り組みが求められていると思います。そこで、まずテレビ放送の現状について確認をしておきたい。デジタル、アナログ込みですけれども、地上放送、CATV、BS放送、それからCS放送の視聴者人口をどう把握しているか、直近の数字で御答弁ください。政府参考人(鍋倉真一君) 地上放送は平成十二年三月末で約四千七百万世帯でございます。それからCATVでございますが、これは同じく十二年の三月末で九百四十七万世帯でございます。またBS放送は、これは平成十三年の四月末ですが、一千六十七万加入でございます。それから、CS放送の場合は平成十三年四月末で二百六十六・一万加入でございます。宮本岳志君 地上放送は、これは基幹放送としてほぼ全世帯に普及しているということだと思います。そして、ケーブルとBS放送がそれぞれ約一千万世帯と、それに準ずる地位を占めつつあります。しかし、CS放送は二百七十万、これは全体の数字なので、個々の事業者が獲得している視聴世帯はさらに小さな数字になると思うんですね。それで、これも情報通信政策局にお伺いしますが、CATV、BS、CSについて、普及の見通しですけれども、どうなっておりますか。政府参考人(鍋倉真一君) BS放送につきましては、先生御承知のとおり、特にBSのデジタル放送でございますけれども、放送開始後一千日経過日における一千万世帯というものを目標にして今現在普及に努めているわけでございますが、本年四月でCATV経由の受信者も含めまして約百八十万世帯に普及をしております。また、最近の民間の需要動向調査等によりましてもBSデジタル放送の認知度というのは約九割前後に上っておりまして、二〇〇三年までの新たな潜在需要層は一千六十一万世帯という調査結果もあるところでございます。それから、CS放送でございますが、CSデジタル放送につきましては、これも先生御承知のとおり、ずっと伸びてきておりますが、ここ二、三年は年率十数%の伸びが予想されるというふうに。それから、CATVでございますが、CATVは、ここ数年やはり平均十数%の伸びを示しておりますので、そのような傾向が続くんじゃないかなというふうに思っております。宮本岳志君 いや、CATVが十数%で、CS放送はどう見込まれていますか。政府参考人(鍋倉真一君) CATVもそれからCSデジタル放送も十数%年率伸びていくという予測をしております。宮本岳志君 そうですか。現時点で恐らくCSのチャンネル数、総務省がお持ちの目標に達していないと思いますけれども、それは事実ですね。政府参考人(鍋倉真一君) 目標というのは、会社の目標ということでございましょうか。宮本岳志君 いや、私がお伺いしたところでは二百十でしたか、目標に対して百九十ぐらいの数が出されたと思いますけれども。政府参考人(鍋倉真一君) 済みません、加入者ではなくて事業者の数でございますか。それは、おっしゃるとおり二百十を目標にしておりますけれども、百八十八というのが現在の数字でございます。宮本岳志君 今回の法案は、このCSの事業をとにかく何とかしよう、さらに前進させようということで出されているというふうにお伺いしているんですけれども、まず端的にお伺いします。今回の法律で電気通信役務利用放送という制度をつくればCS放送の問題は解決するのか、これはどのようにお考えになっているか、いかがですか。政府参考人(鍋倉真一君) CS放送につきましては、先生御承知のとおり、平成八年から開始されたものでございまして、まだ五年を迎えたところということで、産業としてはまだ創成期にあるのかなというふうに思っております。ただ、業界全体といいますか、その事業者全体の、まだまだ赤字の多いところが多いわけでございますけれども、収支率というのは、トータルで全社でやりますと収支率というのは毎年毎年上がってきているということでございます。これは、CATVも創成期のころは同じような状況にあったということでございます。恐らく、CS放送の場合には専門的な放送あるいは有料放送である、あるいは多チャンネルであるというそういう新しいメディアでございますので、そのメディアのあり方そのものがまだ国民全体に、全般に浸透し切れていないのかなというふうに思っておりますけれども、今後本当に視聴したい放送には料金を払うというスタイルが浸透すれば普及もしていくというふうに思っております。なお、今回のこの制度、お願いしております本制度でございますが、これは御承知のとおり中継器を衛星通信事業者が効率的に使用できる、柔軟に利用できるということになりますので、中継器使用料の低廉化ということも図られますので、CS放送事業者の経営に好影響を与え、ひいては有料の料金というものもいい方向に向かうのではないかなというふうに考えているところでございます。
宮本岳志君 多チャンネルというのがCSの値打ちといいますか、武器だと今おっしゃいましたね。それで、一つお伺いしたいのは、この多チャンネルというメリットをどう視聴者の立場に立って生かすか、私は視聴者の立場に立って多チャンネルという魅力をいかに生かしていくのかということを考えなければならないと思うんですよ。小手先の規制緩和で事業者を入りやすくすれば番組の種類もふえるだろうという議論ではなくて、まず視聴者がCS放送に何を求めているか、これをきちっとつかむという点で、総務省、旧郵政省は視聴者や国民の声を調査したことがあるか、検討したことがあるか、いかがですか。政府参考人(鍋倉真一君) 結論から申し上げますと、私ども旧郵政省なりあるいは今の総務省なりが行政としてそういうCS放送に国民、視聴者が何を求めているかということを調査したことはございません。ただ、この有料放送で多チャンネルであるということ、あるいはその番組、いろいろな番組が出てまいりますけれども、視聴者の意向あるいは好みというものが有料放送でございますのでダイレクトに反映されるということから、このCS放送事業者の方々が視聴者の多種多様なニーズというものにこたえるためにいろんな視聴者の意向を調査しているというふうには聞いております。宮本岳志君 まずそこから、そういう視聴者の放送に求めるものをしっかりつかんで放送行政に当たるということがなければならないと思うんですね。九六年に多チャンネル懇というものがやられております。これは報告書ですけれども、アメリカではCATV事業者が番組編集権を持たず、公衆が利用できるパブリックアクセスチャンネル、これを一定量確保することが制度化されているということを紹介しながら、多チャンネル時代においては、一定のチャンネルを視聴者が自由に利用できる形態、これの導入を検討する必要があると、視聴者の放送への積極的参加ということを提案しております。この多チャンネル懇から五年間、このような視聴者参加の方向について検討を行いましたか、いかがですか。政府参考人(鍋倉真一君) 実態から申し上げますと、先生御承知のとおり、BSやCS放送でデジタル放送の機能を生かして通信回線を利用して双方向の視聴者参加番組というものが放送されるようになってきております。これは視聴者の参加ということであると思いますが、こういった方向というのは、デジタル化、多チャンネル化で一層促進されていくんじゃないかなと、増加していくというふうに私ども期待をしているところでございます。宮本岳志君 視聴者参加番組というのは、それは今でも山のようにありますけれども、ここで言っているのは、パブリックアクセスチャンネルということが議論されている、そして視聴者が自由に利用できる形態で使えるようにしようという議論がされているんですね。視聴者参加番組というのは今でも幾らでも地上波でもやっているじゃないですか。そういうことじゃないんですよ。それで、この報告書は、障害者向け放送の充実とか外国語放送の充実、高齢者向け専門放送の導入、それぞれ一節ずつを割いて提起しております。多チャンネルという新しい条件をどう生かしていくかという問題を検討した懇談会がこの多チャンネル懇ですから、まさにチャンネル数二百というCS放送こそこういう議論を最も生かすべき分野だというふうに思うんですけれども、今申し上げた三点、障害者向け、外国語放送、高齢者向け専門放送等々、これはどのような検討を行いましたか。政府参考人(鍋倉真一君) 障害者向けの放送の充実につきましては、もうこれは先生御承知のとおり、平成九年度に放送法を改正しまして、字幕放送等の免許を不要とする、それから字幕放送等の努力義務化を行いました。それから、行政上の目標としましては、平成九年にこの字幕放送の普及目標というものを策定、公表したところでございます。それから、外国語放送の充実でございますが、これにつきましては、この懇談会以降にも外国語放送をやるFM放送局の四局目の名古屋が開局をしているということでございます。それから、CSの多チャンネルデジタル放送を通じまして、五カ国語九チャンネルの外国語放送が実施をされているということでございます。それから、高齢者向けの専門放送の導入、これは結論から申しますと今はございません。ただ私ども、高齢化を迎えるに当たりまして、放送のデジタル化によっていろいろ高齢者の方がサービスを受けやすい、そういう技術の開発というのを私どもは行っているところでございます。宮本岳志君 字幕放送というのも繰り返し取り上げてきましたけれども、やっぱり事業者の方でまだまだおぼつかないという現状が残されているわけです。それで、チャンネル数がふえるということは、国民がさまざまな形で放送に参加する可能性がふえるということであります。また、視聴者の放送への主体的、積極的な参加というこの方向こそ私は、伸び悩むといいますか、なかなかうまくいっていないCS放送が国民生活にしっかり根差して発展していく道だということを言いたいんですね。インターネットのこれだけ急速な普及と発展も、ネットワークへの参加者が主体的、積極的に参加できるようになって初めてぐんと伸びたわけですね。だから、こういう発想がなければ、いろいろ規制を緩和して、とにかく入ってくるものを広げれば二百全部埋まるのではないかということではなくて、というふうに考えても、やっぱり二百のチャンネルをもてあますということになるのではないかと。冒頭に小細工という言葉を使わせていただきましたけれども、やはり今回のような法律では本当にこの問題の抜本的な改善にならないということを私はまず御指摘申し上げたいというふうに思っております。
宮本岳志君 次に、法案に関連して一つ確認しておきたいと思います。今回の法案では、九九年のケーブルテレビに続いてCS放送についても外資規制を撤廃するということになっております。政府も、放送の外資規制をすべて取っ払っていいというふうには考えていないと思います。まず、確認させていただきますけれども、地上波テレビなど基幹放送の外資規制の撤廃は考えておりませんね。政府参考人(鍋倉真一君) 基幹放送である地上放送の外資規制の撤廃は考えておりません。宮本岳志君 当然の答弁だと思います。同時に、先ほどBS放送も既に一千万世帯、こういう答弁がございました。基幹放送並みにといいますか、準基幹放送と言っていいような位置にあると思うんですね。このBSテレビについても外資規制の撤廃は考えておりませんね。政府参考人(鍋倉真一君) 考えておりません。宮本岳志君 なぜここにこだわるかといいますと、年内にも東経百十度のCS放送の開始が予定されております。今後、東経百十度CSの運用、放送が始まれば、このCS百十度とBSは同じ受像機で受信できるようになる、そしてCS、BSの区別は余り意味がなくなる可能性がございます。今回の法のスキームを東経百十度CSに適用すれば、つまりBS放送の外資規制を撤廃するのと同じ意味を持ちかねないという問題があります。これは明確に確認をしておきたいんですが、東経百十度CS放送には今回の法律は適用いたしませんね。政府参考人(鍋倉真一君) 昨年、平成十二年に認定しました東経百十度のこのCSデジタル放送について本法を適用する考えは持っておりません。
宮本岳志君 次に、放送行政の問題について少し大臣と議論をしたいと思います。放送という概念が大きく変わるような状況も生まれている現在、本当に視聴者のために役立つような制度を設計しようと思えば、それを企画する行政機関のありようも当然問われてくることになります。内閣の一員である大臣が周波数の管理もやる、放送事業者の規律も所管する、こういう国はサミットの参加国の中で日本以外にないと私は思うんですが、いかがですか、大臣。国務大臣(片山虎之助君) これは、この委員会でも何度も御質問いただいたような気がしますし、他の委員会、予算委員会、衆議院等でも御質問いただきましたが、例えば今言われた放送通信制度もその国の事情を背景にできているわけでありまして、アメリカのFCCのことをよく言われるんですけれども、これは合議制の執行機関ですけれども、やっていることは一緒なんですよ、我々の方と。企画立案も規制、監督も後の紛争処理もやっているんですよ。ただ、合議制執行機関です、大統領制だから。アメリカという国は合議制執行機関が好きな国で、日本にも相当持ち込みましたけれども、今残っているのは少のうございますが。そこで、我々はやっぱり合議制の執行機関よりも独任制の方でしっかりと国会に責任を持つ、機動性もあると、こういうことで、いろんな議論があって、中央省庁再編のときに、もう御承知だと思いますけれども、総務省の中で、こういう形になったわけでありますが、この中で紛争処理についてだけは、これは電気通信事業紛争処理委員会というのをつくらせていただいて、今衆議院で審議いたしておりますけれども、そのうちこちらへ参ると思いますが、その中で国会承認の委員さんによって紛争処理をしっかり適切に対応していただく、こういうことにいたしておりますので、そこのところはぜひ御理解をいただきたいと思います。また、公取と一緒のことがよく言われるんですが、公取はこれは独立の機関なんですよね、御承知のように、三条機関で。ただ、総務大臣の所轄に入っていると、こういう意味でうちの範囲に、総務省の範囲にはおりますけれども、仕事そのものはもう御承知のように準司法的な機能が中心でございまして、ほぼ独立でやっておりまして、この間、本会議で小泉総理が答弁したように、機能や事業の展開は今のままで構わないけれども、特に問題ないと思うけれども、将来への検討課題として所属をどうするか、所轄をどうするかは検討課題の一つであると、こういう答弁をされておりますので、念のために申し添えます。宮本岳志君 FCCが強力な権限を持っているというのはそのとおりなんですよ。ただ、私が指摘しているのは、それをその行政府、政府の中に、大臣に持たせているというのは、アメリカはそうなっていないわけですよ、これは。議会に対して責任を負うという形になっていて、やっぱり政府から独立しているわけですね。そういうふうになっているのは、政府がこの二つのことをどちらの権限も持ってやっているというのが日本ぐらいで、おかしいのではないかと。というのは、これまでやっぱり旧郵政省が無線局免許を人質にして放送行政を牛耳ってきたと、だから日本では言論機関の中でも放送局は特に政府寄りなのではないかと、そういう議論が随分やられてまいりました。これが鳴り物入りの行革で、また省庁再編でどうなるのかと各方面の注目を集めました。九七年の九月に行政改革会議が出した中間報告では、通信放送委員会の構想が掲げられて、この分離を図るということで、国家行政組織法三条に基づく独立行政委員会というふうに通信放送委員会が位置づけられておりました。ところが、わずか三カ月たった最終報告ではそれは覆りまして、今日こういう形になったわけですね。今日こういう形になったその理由、それをひとつ大臣お答えいただけますか。国務大臣(片山虎之助君) 九七年九月の行政改革会議が出した中間報告はあの時点の議論でありまして、その中間報告が出た後、さらにこの議論を深めて、やっぱり外局ではなくて内局の方がいいなと、こういう結論になったと私は漏れ聞いております。それは、機構のあり方も大切ですよ。だが、私はこれは今、日本しか例がないと言うが、ドイツもそうですから、EUをお調べになっていただきたいと思います。ある省の内局で全部やっている、あるいは外局でやっている、いろんな型がありますけれども、一つの省で今、委員が言われたような機能を営んでいる例はいっぱいEUにはありますから。アメリカはそれをFCCがやっていると、こういうことですね。私どもの方は、それを合議制でなくて独任制の議院内閣制の大臣としてやっていると、こういうことでございます。私は、それぞれの今言われた機能がちゃんと本来の効用を発揮して適切に運用されておればいいと思うので、それは機構と不可分ですよ、不可分ですけれども、機構がこうでなきゃいかぬということはないので、何度も言いますけれども、その国の事情や経緯や国民性その他があるものですから、私は、今こういう形で総務省が担当させていただいておりますけれども、ぜひ国民のために適切に運用して期待にこたえたいと、こう思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。宮本岳志君 ちょっと事務方でもいいんですけれども、一応正確を期すために、EUで国名を挙げてください、日本と同じ制度をとっているところを。おりますか、事務方。言えますか。政府参考人(鍋倉真一君) 先生の御指摘は、周波数管理とそれから放送の規律と両方を一緒の省でやっているものがあるかどうかということで、EUの、そういうお尋ね……宮本岳志君 免許制度ですよ、免許。政府参考人(鍋倉真一君) 免許とそれから要するに放送の規律ですね。EUの関係ではございません。国務大臣(片山虎之助君) 済みません。今の、周波数免許と放送規律と、こう言われたので。私が言ったのは、済みません、情報通信に関する企画立案と規制、監督と紛争処理、この三つのことを念頭に置いておりましたので、衆議院の方の電気通信事業法とのちょっと混同がありますので。今言ったものは、ドイツは連邦政府が周波数の管理免許で、州メディア庁が放送技術を担当しておりますので、そこは訂正させていただきます。宮本岳志君 仕組みの問題ではないんだ、中身が大事だというふうにおっしゃいましたけれども。つまり、これはもう御承知のように、放送というものは言論機関であって、その独立性が最大限重視されなければならないと。これはもう世界の常識でもあり、歴史の教訓でもあるわけですね。大臣、その精神はもちろん踏まえていただいていると思うんですが、独立は尊重されなければならないと。よろしいですね。国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員にも何度もお答えしているような気がしますが、憲法で表現の自由が保障されており、放送法では放送番組編集の自由をはっきりと規定しておりまして、私は、何度も言いますように、自律でやっていただくことが基本であると。ただ、その自律で効果がないという意見が確かにあることは、これもよく耳にいたしておりますので、さらに関係の方にそういう意味での自律、自粛を求めたい、こういうふうに思っております。
宮本岳志君 そこで大臣にお伺いしたいんです。報道によると、自民党は報道モニター制度というものを設けておられると聞いております。四月七日の朝日などによりますと、四月六日に自民党はテレビの政治報道の公正さを監視するために報道番組検証委員会を設置したと。あるいは、ことし二月には放送活性化検討委員会が発足したと。そして、そこでは報道内容について民放連などを呼んで議論をして、中には五つの民放キー局のうち一つなくなってもどうということはないという声まで出たとこの記事には書いてありますし、またある有力な自民党の幹部は、放送法を改正すべきだ、放送免許の与えっ放しはおかしい、そういう声も出されたと。これは報道機関に対する圧力になるんじゃないですか。いかがですか、大臣。国務大臣(片山虎之助君) これは私がお答えする立場にもあれもないと思います。自民党の方で、私も詳しいことは全く聞いておりませんし、お答えする立場にないと。差し控えさせていただきます。宮本岳志君 では、もう一つ事実を挙げましょう。これは政策局でいいですけれども、放送技術について、BRO、BRCというものが設けられていると思いますが、これはどういう機関ですか。政府参考人(鍋倉真一君) BRO、これは放送と人権等権利に関する委員会機構という名前でございますが、放送による人権等の権利の侵害に対する苦情を処理するために、平成九年にNHKと民放が共同でつくりました自主的な第三者機関でございます。このBROの中に設けられておりますBRC、放送と人権等権利に関する委員会、ここが、視聴者から放送により権利を侵害されたという申し立てがあった場合には見解や勧告を出すということで行ってきている組織でございます。宮本岳志君 ここにBROのホームページからとった第三十一回委員会議事録というのがあるんです。この中で、「自民党の「放送と人権等に関する検討会報告書」について」という記述があって、自民党の政調会から送られてきた報告書には、BROの実効性が大いに疑問だ、自主機関の実効性が上がらないのであれば法的根拠のある中立公正な第三者機関の設置云々と書かれていた旨、事務局から説明をされておりますと。放送事業者が自主的に努力していることに文句をつけて、思うとおりにならなければ別の機関を設置してびしびしやるぞと言わんばかりの文書を送りつける。こういうやり方は政治的な圧力だと私は思うんですが、これは大臣でも小坂副大臣でもいいですが、こういうことは適切なんですか、いかがですか。国務大臣(片山虎之助君) 先ほども申し上げましたが、これは党のどなたがどういう形でそういうあれを出されたのか知りませんが、全く存じ上げておりませんし、お答えする立場にございませんので、よろしくお願いします。宮本岳志君 この事件というのは、実は所沢のダイオキシン問題の報道をめぐるものなんです、この圧力をかけた件というのは。この件で事業者に問題があったということは私も否定しませんけれども、かねてより自民党が目のかたきにしてきた番組に対してここぞとばかりに圧力をかける、そういうやり方は本当に危険だというふうに思っております。自民党は、テレビ番組に対する監視を最近一段と強めて、みずからに不利な報道は許さないという態度を一層露骨にしております。しかし、政権党の目から見て問題ないという報道ばかりになったときには、それは報道そのものが完全に死んだときですよ。それで、ここに「ドキュメント 放送戦後史」という本を持ってきましたけれども、この中にかつて占領軍のもとに設けられた電波監理委員会がわずか二年で廃止に追い込まれた経緯について総括したくだりがあるので、最後に紹介して終わりたいと思います。電波三法は、放送行政上の広範な権限を、独立規整委員会としての電波監理委員会に与えることによって、放送の民主化と政府からの中立性を保障していた。が、その広範な権限がそっくり郵政大臣の手に移ったとき、放送行政は政府の恣意に左右されることになったのである。電波法・放送法・電波監理委員会設置法の三位一体で支えられていた放送制度は、実質的に崩壊した。今日の事態というのは、まさにここに言うとおりの郵政大臣の手に、総務大臣の手に移ったわけですよ。