5月11日 総務委員会 (郵便振替法及び簡易郵便局法)

  郵便窓口の過不足金問題

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<昨年度も減少していない窓口の過不足金>

<利用者の損失で年7億7000万円が国庫に>

<「任意弁済」として事実上は賠償の強制>

<今後、職員への賠償の強制は「困難」に>

<公社移行後は「公平な」制度にと大臣>

 

宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 本法案は、ATM提携などのサービスに伴う郵便局と金融機関の資金決済を日銀ネットを使って電子的に行えるようにするということと、それから、今でも簡易郵便局でできている国保料の納付を引き続きできるようにするというものであって、我が党もこれは当然賛成でございます。
 そこで、一つだけ確認をしておきたいと思います。今回導入される日銀ネットにある民間銀行の当座預金と政府当座預金の日銀の仲介による決済、このシステムは郵政事業庁が新型の公社に移行した場合でも何の変更の検討もなくそのまま使えるかどうか。これ、いかがですか。
政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 今回導入を予定しておりますのは、ATM提携等の提携サービスに係る民間金融機関との間の資金決済につきまして、郵政事業庁の国庫金の受け払いを日本銀行に電子的に通知して、提携先の民間金融機関の日本銀行当座預金との間の資金授受を行うものでございます。
 そこで、移行後の新型公社の扱う資金でございますが、国庫金ではなくなるということにはなろうかと思います。しかしながら、その後の決済方法につきまして幾つかのパターンがあると思います。国庫金でなくても国庫金扱いというパターンもありますし、それから当座預金、日本銀行への当座預金というパターンもあります。それから、その中でもまた民間の中であります銀行の全銀システムの中に入るとか入らぬだとか、そういったいろんなバリエーションはあり得るんですが、まだ決まっておりません。
 公社の制度設計、新しい国営公社の制度設計と深くかかわる部分がございまして、今後の具体的な取り扱いにつきましては、関係者と鋭意協議させていただきまして検討してまいりたいというふうに思っておりますが、大幅な費用が、何といいましょうか、今回取り組んだことがむだになるというふうなことはないのではないかというふうに思っております。

宮本岳志君 国庫金でなくなるので検討が必要になるということが御答弁だったと思います。

 

<昨年度も減少していない窓口の過不足金

宮本岳志君 そこで、この法案にかかわって幾つか窓口業務のことについてお伺いしたいと思います。
 私は、一九九九年三月九日に参議院交通・情報通信委員会で、郵便窓口におけるいわゆる過不足金問題について質問をいたしました。
 そのときの議論では、平成九年度で過剰金が六十五万件弱、六億円強、欠損金が一千件で三億円強、任意弁償が四十万件で十一億五千万程度でしたので、合計年間約百万件、総額二十億円という過不足が生じているというものでありました。
 そこで、まずお伺いいたします。この件数と額はそれぞれ平成十一年度でどのようになっておりますか。
政府参考人(足立盛二郎君) 郵便局におけます現金、過剰金でございますが、平成十一年度は六十五万一千件、七億七千七百万円となっております。それから欠損金につきましては一千百二件、四億四千二百万円、それから任意弁償金でございますが、平成十一年度三十九万二千件、金額で九億七百万円でございます。
宮本岳志君 合計すると百四万件、総額約二十一億円と。これ、減っていないわけであります。百万件といいますと、全国約二万五千の郵便局で割っても一郵便局当たり年間四十回、週に一回程度はお金が合わないということであります。
 なぜ減らないのかと。これも前回私は指摘をいたしました。過不足事故が生じたときに原因がわかるような実務処理になっていない、そして、原因がわからないにもかかわらず、郵政省は会計法の善管注意義務にあぐらをかいて、不足金は職員の任意弁償という形で自腹を切らせてきたからではないのかと。
 私が前回質問してから以降、過不足事故の原因を特定するための改善措置を何か講じてきましたか、郵政事業庁。
政府参考人(足立盛二郎君) 先生御指摘のとおり、現金の窓口の過不足事故はなぜ発生するのかということでありますが、基本的には私、やはりお金の授受を慎重に行うことが必要であると。極めて地味なことでありますけれども、そういうことを職員に徹底することがまず基本であると。それとあわせて、なるべく機械化をして人の手によらないでお金を計算することが必要であるというようなことから、職員の指導と機械化という二つの側面から取り組んでまいりました。
 前回、先生に御指摘いただきました以降、平成十一年度以降でございますが、特定局の郵便窓口へポスタルスケール。という機械を全局配備いたしまして、平成十一年度末に完成しております。また、貯金の窓口におきまして紙幣硬貨入出金機、いわゆるオートキャッシャーと呼んでおるものでございますが、こういったものにつきまして全国一千四百三十五台を配備したところでございます。平成十三年度、本年度につきましては、このオートキャッシャーという機械の少し小型版のものを開発いたしまして、これをさらに普及を図っていくということを考えております。
 また、窓口の現金管理機、こういったものを導入いたしまして、従来ですとお客様とのやりとりをしたときにレシートとかそういったものがない場合がございますが、今度この現金管理機を導入いたしますと、確認票といいますかレシートをお客様にお渡しする、また私どもの内部にも現金の受け払いの記録が残るというようなことで、事故が起こった場合に後で究明が可能であるといったようなことなどができますので、こういった両方の側面から、職員の指導それから機械化、そういったことに一層取り組んでまいりたいというふうに思っております。
宮本岳志君 今御答弁になったオートキャッシャーあるいは紙幣計算機及び硬貨計算機の配備、あるいはビデオとかマニュアル、今回質問に先立ってどういう防止策があるかと聞いたら、この四つが出てきたんですけれどもね。前回の質問のときの答弁を一つ一つ調べてみたら、前回も同じことを実は答弁されているんですよ。
 それで、私、前回ここがかぎだと指摘したことがあります。民間の金融機関では現金は金種別に扱うのが常識になっている、金種別に扱うように伝票などを切りかえろと指摘したはずですが、伝票は金種別のものにかえましたか。
政府参考人(足立盛二郎君) 民間金融機関におきましては、非常に店舗数、店舗の規模も大きい、そして取扱金額も大きいということから、いわゆる現金の受け払いを計算する機械、そういったものが広範に導入されておるわけであります。それに相当いたします郵便局の機械と申しますのが先ほどのオートキャッシャーということになります。また、それのいわゆる小型版であります窓口現金管理機といったようなものになってくるわけでございまして、郵便局につきましては、いわゆる局の規模、取り扱いの量、そういうことを考えますと、民間金融機関と全く同様な施設設備を導入するということは、その必要がないんではないかというふうに考えております。
 ただ、先ほど来申し上げましたとおり、なるべく職員の注意喚起、また可能な限りの機械の開発、そういったものに努めてまいりたいというふうに思っております。

宮本岳志君 民間と同様なものはできないんだとおっしゃいながら、実際には過不足金が生じたときにはどういう処理になっているか。民間はそんな職員に自腹を切らせるという処理はやっていないんですよね。ところが、現実に郵便局では、不足金の大半を任意弁償という職員の自腹切りに押しつけている。過剰金は国庫金の収益としてきたということがあります。つまり、過不足事故の原因がわからなくても郵政は決して損をする心配はないということになっているんですよ。

 

<利用者の損失で年7億7000万円が国庫に>

宮本岳志君 しかし、私、ここで問いたいんです。不足金の対応は後で論じるとして、過剰金ですよ。少なくとも過剰金の原因となったお客様にとっては、本来受け取るべきお金が受け取れなかった、損をしたということなんです。過剰金の原因が特定されないということは、つまり郵政が損をしない、事業庁が損をしないシステムは必然的にお客様の損によって成り立っていると言っても過言ではないんですよ。そうでしょう。こんなことをやっているところはほかに一つもない。
 総務省のきょうは自治行政局に来ていただいておりますけれども、地方自治体の手数料など現金を扱う窓口で過剰金が生じた場合、これを地方財政に繰り入れる明文上の法的根拠はありますか。
政府参考人(芳山達郎君) お答えいたします。
 地方団体の財務会計手続を定めております地方自治法におきましては、ただいま御質疑ありましたような過剰金についての明文上の規定はございません。
宮本岳志君 ないんです。
 事前のレクで自治行政局の説明では、これを雑収入として地方財政に繰り入れるということは少し乱暴な処理ではないかと。では、どうするのかと聞いたら、あえて厳密に言えば拾得物ということで警察に届けるということになるのではないか、こういうことでありました。
 そこで、郵政省に聞きますが、会計法上、郵便局で発生した過剰金を国庫金に収益として繰り入れる法的な根拠はありますか。また、現在繰り入れる際に、何という費目で繰り入れておりますか。
政府参考人(足立盛二郎君) 郵便局におきましては過剰金を国庫に繰り入れておるわけでありますが、これは会計法に特別な規定があるものではございません。いわゆる権利者が不明な過剰金につきましては、国がひとまず保管をしておきまして、時効が完成した後は権利者の請求権が消滅する。そうしますと、いわゆる民法の時効の法理に従いまして国のものになってくるということでありますので、現在、国が保管をするという考え方で処理しておるところであります。
 具体的には、後日、過剰金のいわゆる権利者が判明した場合にはその方にお返しをいたします。そして、一定期間以上経過してもその権利者が判明しないものについては先ほどの時効の法理に従いまして国庫に組み入れているということでございます。国庫に組み入れております歳入科目は業務収入、目は為替振替業務収入、区分は為替貯金の雑収入でございます。
宮本岳志君 雑収入ということなんですね。まさに自治行政局さえ乱暴だと言う処理をやっている。一年間保管して民法上の時効の考え方を援用という説明を受けました。私は、どうもほとぼりが冷めるのを待ってというふうに聞こえたんですけれども。
 それで、年間七億七千七百万円ですよ。いいですか。警察白書によると平成十一年に全国で拾得届が出された現金、総額百三十二億円なんです。年間七億七千七百万というのは実にその六%ですよ。本来受け取るべきお客様に、個人に返さなければならないこのお金が雑収入という乱暴な処理で国庫金の収益として扱われている。
 前回の私の質問でも郵政省は、この過剰金について国庫金の収益として間接的にお客様に返していると答弁されて、当時の委員会では与党委員の間でさえ失笑が漏れましたよ。大臣、これ聞いていただいて、あなたの政治家としての一つの御答弁、感覚で答弁していただきたい。こんなことが国民に理解が得られると思いますか。いかがですか、大臣。
国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員言われるように、本当はこういう過剰金というんですか、そういうのはないのが一番いいんですよね。しかし、やっぱり人間ですから、いろいろの手違いが出て、過剰金が出る場合もあるし、足りないのが出る場合もあるんだけれども、過剰金が出たら、それは善意で拾ったのと同じような状況で、一年間持って、時効になって、それは郵便局の中で大体起きているんですから、郵便局絡みだから郵便局の特別会計の恐らく雑収入で入れていると、こう思いますけれども、私もこの話を聞いて額が大きいなと思ったんですよ。

 ただ、郵貯自身の額が大きいですから、比率からいうと大したことはないといえば大したことないのかもしれぬが、いかにも額は大きいので、今、長官が言うように、こういうことが起こらないようにするのが一番だと思いますので、職員のいろんな研修だとか訓練だとかというのもあるんでしょうし、事務のやり方、それから機械の入れ方、IT時代ですから、何かもう少し私は工夫する必要があるんじゃなかろうかと、こう思っておりますので、御指摘は十分重く受けとめて、しっかり検討させていただきます。

 

<「任意弁済」として事実上は賠償の強制>

宮本岳志君 まさに人間だからいろいろ間違いがあるというお話もありましたね。
 では、次に、不足金の問題なんですよ。
 この不足金については、正規の会計手続は欠損金扱いというのがあるんです。ところが、欠損金として処理されているのは年間千件、わずか〇・二五%。ほとんどが任意弁償、つまり職員個人が自腹で出すというのが九九・七五%になっているんです。
 インターネット上に「2ちゃんねる」という巨大掲示板がありまして、そこの郵便、郵政関係者の掲示板というのがあるんです。私、そこをずっと見てみますと、「任弁、過剰金 あなたの最大記録」というスレッドがあって、郵政職員や郵政関係者がいろいろと掲示板に書き込みをしております。
 この中身を見てみますと、五十万欠損が出て、サラ金で借りて任意弁償したとか、貯金の担当になって数日目の新人が七万欠損、出勤者全員で頭割りして任意弁償したとか、枚挙にいとまがないんですね。この中に「任弁しない方法てあるの?」という質問があって、それにある人が答えを書き込んでいる。「任弁しません。と宣言すればいいんじゃないの?要するに自分に落ち度は全然なかったということでしょ。でもそれを証明しないといけないでしょうね。あと監察とかやって来そうですね。」「多分、最終的に払わされると思います。」と、こう書いてあるんですね。これほど任意弁償というのは日常茶飯になっているんですよ。しかも、任意とはいうものの、事実上は強制になっている。
 これもひとつ総務大臣の御見解を聞きたいんですけれども、これは事実上やっぱり強制になっているんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
政府参考人(足立盛二郎君) 現在の郵便局で取り扱っております現金は国庫金でありまして、いわゆる欠損が生じた場合には、出納職員は会計法の規定によりまして、善良な管理者の注意を怠ったときは弁償の責任を免れることができないというふうにされておるわけであります。
 そういう制度のありますことを前提といたしまして、職員がいわば自発的に善管注意義務を自分が欠いたというふうに判断して、いわゆる自己の債務として現金を補てんしたものでありまして、国としては、任意弁償というのは事実上の制度でありますが、決して強制して行っているものではないということは御理解いただきたいと思います。
国務大臣(片山虎之助君) これは会計法の規定や仕組みもあるんですね。善良な管理者としての注意をちゃんとやったということを証明せにゃいかぬのですよね。ただ、これはなかなか簡単にいきませんよ。そうすると、あとは面倒だから、ややこしいし、大した額でなけりゃ出しておこうかと、こういうことになるんですよね、恐らく。私は、強制じゃないと思いますけれども、雰囲気としては、出した方がいいなという、そういう感じになるのかなという気がいたしますので、これも一遍、郵政省が総務省になったんですから、仕組みも変えるという、国営公社になりますし、そういうことの中で、どうやってこういうことが少なくなるか、件数も額も。そういう検討をやっていきたい、こういうふうに思います。
宮本岳志君 それは当然で、強制にもし仕組みとしてなっていたらさらに問題なわけですけれども、大臣おっしゃるとおり、そういう空気になっているというのはこのスレッドを見てもひしひしと伝わってまいります。

 そして、やっぱりこのことが非常に職員の負担になっているし、そういうことについてさまざまな議論があるということは事実でして、この今のスレッドで、任弁しませんと宣言すればどうなるかと。任弁しませんと宣言した例がございます。そうすれば、郵政監察がやってきて、会計検査院が検査に入ると。総務大臣の名前で弁償命令が出ます。それも拒否したら、国から裁判に訴えられると。こういう裁判が行われてまいりました。

 

<今後、職員への賠償の強制は「困難」に>

宮本岳志君 去る二月二十一日、東京地裁民事第二十四部において、この不足金裁判、不足金の処理をめぐる裁判の判決が出されました。その判決のうち、郵便窓口での不足金については、郵政省、国側の主張を退け、請求を棄却いたしました。この裁判は、一九九〇年から九六年にかけて、六名の郵便局員が郵便窓口で発生した不足金について正規の取り扱いである欠損金として処理したところ、郵政大臣から六名に対して合計三十九件、四十一万三千二百五十四円の弁償命令が出されている。この弁償命令に対して六名が異議を唱え、支払いを留保したところ、一九九七年八月に郵政省が不足金の支払いを求めて提訴し、裁判となったものです。
 判決によりますと、郵便窓口での不足事故は、現金亡失、お金がなくなったのか、切手類亡失、切手、物品がなくなったのかを特定できない以上、会計法に基づく、先ほどおっしゃった善管注意義務違反を根拠とした弁償義務はないと、こう言って国側の請求を棄却したんです。これに間違いないですね。
政府参考人(足立盛二郎君) この原判決は、郵便窓口におきまして、現金亡失か切手類の亡失かいずれであるかを認めるに足る証拠がないということで、会計法に基づきまして現金亡失を前提とした善管注意義務違反を求めておりました当方の請求を一部棄却するという内容でございます。
 なお、棄却されたものにつきましては、当方としては現金の亡失であるというふうに考えておりまして、本件につきましては、今後、控訴審の中でその事実関係等を主張してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
宮本岳志君 ここに判決の全文があります。今後この裁判がどのように争われるかというのは司法の問題なんです。ここでやろうというふうには思っておりません。しかし、確認したいんですが、国側は、この不足金が切手など各種販売品の亡失でなくて現金の亡失であるという主張はしておりますよ。しかし、現金亡失か切手類亡失かが特定できなければ善管注意義務違反には問えないということについては争っていないと思うんですね。
 この判決の趣旨、つまりこれがはっきりしなければ善管注意義務違反としての弁償責任は問えないという判決の趣旨に立つと、また、国側が争っていない、国側も認めているこの論理、これに立てば、今後、現金以外に切手や印紙などを扱う郵便窓口においては、切手や印紙の数え間違いなどの可能性が全くないと、これは間違いなく現金が亡失された事故であるということが明らかになったときのみに会計法に基づく弁償責任が出てくると。逆に言えば、今後、郵便窓口においては、その現金不足の原因が切手や印紙の亡失でない、確かに現金を亡失したということが具体的に明らかにできない場合は、職員に会計法上の善管注意義務違反に基づく弁償責任は問えない、こうなると思うんですが、間違いありませんね。
政府参考人(足立盛二郎君) 先生の言われますとおり、この判決の趣旨に従うならば、現金亡失か切手亡失かのいずれであるかを認めるに足る証拠がない限り、職員に会計法上の弁償責任を問うことは困難になるものと考えます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、本件裁判で争っております具体的な事件につきましては、この事実関係の認定を、私どもは先ほど申し上げましたような観点で今後控訴審の中で主張していくということでございます。
宮本岳志君 今後はやっぱりそういう扱いにしていただくということだと思うんですね、その両方を扱っている窓口においては。そのことが明らかにならない限り弁償責任は問えないということをはっきりさせて運用に当たっていただきたいと思っております。

 そこで、今後の郵政のあり方にかかわる問題で、先ほど少し総務大臣も先取りして答弁をいただいたわけですけれども、中央省庁改革基本法によりますと、郵政事業庁は二〇〇三年にも新型の公社に移行いたします。そして、基本法の第三十三条の四では、新型公社の予算及び決算は企業会計原則に基づき処理する、予算は国会の議決を必要としないものとするほか、繰り越し、移用、流用、剰余金の留保を可能とするなどその統制を必要最小限のものとすると、こうしております。また、国会審議では、当時の大森法制局長官が、郵政公社に関する財務会計費用の支出、これは国費に当たらない、明確に国庫金でなくなると、これはこうお答えになっているわけですね。

 

<公社移行後は「公平な」制度にと大臣>

宮本岳志君 だからこそ冒頭、私質問で確認したように、今回の法改正で行われる日銀ネットとの決済も、新型公社となったらその扱いを検討する必要が出てくるわけです。これはそうなると明確に会計法の適用がなくなると思いますので、その際には当然こういった問題についても現状のままでいかなくなると思うんですが、この点よろしいですね。
政府参考人(野村卓君) 新公社の財務会計制度につきましては、中央省庁等改革基本法に基づきまして現在検討中のところでございますけれども、新公社は国と別の人格を持つ法人として設立される予定になってございますので、新公社の取り扱う郵便貯金等の現金につきましては国庫金でなくなるということになると考えております。また、会計法の適用につきましても、そういった現金等の取り扱いの手続につきましては直接適用にはならないというふうに考えているところでございます。
宮本岳志君 相当明快な答弁ですので、少し早目に終われそうなんですけれども。
 私は実はこの件をめぐって勉強してみたんです。会計法、とりわけこの弁償責任というものがどのように歴史的に発展してきたかと。
 実は、明治会計法、明治二十二年制定の会計法で初めて弁償責任というものが出てくるんです。この当時は、実は現金もしくは物品の出納をつかさどるところの官吏はと、主語はこれは物品も現金も一緒くたになっているんです。しかも結果責任、もう無過失責任なんですね、このときは。
 その後、大正会計法、大正十年に改正されまして、このときもまだ現金または物品を亡失毀損した場合はということですが、初めて善良な管理者の注意を怠らなかったことを証明すればその責を免れ得ると。しかし、挙証責任は依然として出納官吏の側にあったんです。
 そして、昭和二十二年、新憲法とともに会計法を再び全面的に改正しました。弁償責任の主観的責任要件である善管注意義務について、立証責任は出納職員にあるんじゃなくて国の側にその立証責任を転換したんです。
 しかし、決定的だったのは、その後三十一年に物品管理法という法律をつくって、物品については会計法から外したんです。そして、物品の管理に係る職員は物品管理職員として新たな法律で律することにしたと。そして、そのとき物品管理法は「故意又は重大な過失」というふうに、つまり善管注意義務じゃなくて故意でやったとか重大な過失があったということがない限り問わないということになったんですよ。
 だから、この問題のさまざまな学術書も読みましたけれども、少しバランスに欠くと。物品がそう緩和されているのに、いつまでも現金、出納の職員だけこういう扱いでしているのはやっぱりバランスを欠くという議論も随分学界にあるんです。
 ぜひこの機会に、やはりもうこういう取り扱いについてもきちっと民間金融機関並みにしていくと、この方向での御検討を、ひとつ大臣からその御決意というか所見をお伺いして、五分残りますけれども、私の質問を終わりたいと思うんですが、いかがでしょうか。
国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員が言われるように、やっぱり今度は国でなくなりますよ。しかし、国営の公社でして、それから国民の皆さんの貴重なお金を預かって、それがキャッシュであるか小切手か印紙であるか、それは形はともかくとして重要度は私は同じだと思いますね。だから、いずれにせよ、この国営公社の財務会計制度というのは仕組まなきゃいけません。
 その中で、いろんな御議論がある、宮本委員の御意見も御指摘もありますから、そういうことを含めて、やっぱり国民の目から見て安心できるような、それからバランスをとって公平なような仕組みは十分検討させていただきます。
宮本岳志君 終わります。
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