宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。両公述人の御出席に感謝を申し上げます。我が党は、日米安保条約をなくして基地のない平和な日本をつくるということを掲げておるわけですけれども、同時に沖縄の苦痛の解決、これは安保条約の終了以前にも、今直ちに行うべきことだと考えております。そこで、新崎公述人にお伺いしたいんですけれども、在日米軍基地の問題について、米軍駐留は日米安保条約を結んでいる以上、同盟国の義務であるという意見がありますけれども、先生はどのようにお考えになりますでしょうか。公述人(新崎盛暉君) アメリカが戦後、現在でもそうですけれども、同盟関係にある国というのは恐らく世界で五十を超えているだろうと思います。しかし、米軍が少なくとも一万人以上大規模な形で駐留をしている国というのは幾つもありません。アジアでいえば日本と韓国だけです。ヨーロッパでも、たしかドイツ、イタリア、そして先ほどから話題に上がってきているイギリス、それぐらいでしょう。アジアでいえば、フィリピンとの間にもアメリカは現在でも相互防衛条約を締結しています。オーストラリア、ニュージーランドとアメリカとの三国の間の条約もまだ生きています。しかし、ここにはほとんどアメリカ軍というのは存在しません。百人単位じゃないでしょうか。そういうことからいえば、同盟の内容が問題なのであって、相互防衛条約を結んでいても何ら米軍を駐屯させるのが義務であるなどということは、これはあり得ない、それが現実として示されております。宮本岳志君 そういう点で、沖縄の現実、本当に沖縄の苦痛というものを取り除くことは国民的な課題だというふうに私どもは思っております。ところが、政府が今推し進めているSACO報告というものは、多くが米軍基地の機能強化につながる基地の沖縄県内のたらい回しになっていると思うんですね。基地の被害もなくならず、沖縄の豊かな自然も破壊し、沖縄の基地問題の解決策にもならないと。また、米軍のために支出している思いやり予算は、海兵隊を含め米軍が沖縄、日本に居続ける理由にもなっていると思います。こういった問題について新崎先生のお考えをお聞きしたいと思います。公述人(新崎盛暉君) これは、沖縄における北谷町というところの議会が決議しているアメリカ海兵隊の撤退を要求する決議がありますけれども、少なくとも、例えば安保条約が現在存在している中ででも、アメリカの世界戦略の中からも、その立場に立っても必要性をほとんどもう失っているのが海兵隊です。その海兵隊をなくすだけでこの基地の再編統合の問題とか、それから米兵の犯罪の問題というのはかなりの程度に解決できるということは間違いありません。じゃ、なぜそういう余り必要もない軍隊がいるのかといえば、今のお話の中に出てきた思いやり予算というのが非常に大きな役割を占めています。これはアメリカの議会でアメリカ政府の役人がもう繰り返し述べていることですけれども、思いやり予算というのがあるおかげで米軍の駐留経費の七十数%は日本が賄っている、したがってアメリカ国内に米軍を置いておくよりも日本に置いておく方がある意味では安上がりだ、そういうことが基本的にあって、彼らがぎりぎり軍事的に必要だと判断する以上の軍隊が日本に存在し、それが過去の経緯の上で沖縄に居続けているということです。それで、かつてこの海兵隊というのは日本にいたということを思い出していただきたいと思います。旧安保条約のころ、つまり日本が独立した直後には日本にいたわけです。ところが、海兵隊の犯罪その他から日本において反米感情を非常に高めるということから、アイゼンハワー・岸共同声明の中で日本から地上戦闘部隊を撤退させるという合意が成立しました。そして、そのとき日本ではなかった沖縄に日本から米海兵隊は移駐したのです。そして、今、北部にある基地というのは、ほとんど海兵隊の基地というのはその段階でつくられています。そして、それが今そのまま惰性的に居残っている。それが今の問題をつくり出している。もともとはここにいたんだ、ここから追い出されたんだ、民衆によって。そして、日本ではない沖縄に行って居座り続けているんだ。その沖縄が日本になってもなおかつ居座り続けているのだ。この現実を認識していただきたいと思います。宮本岳志君 先生が公述でもお触れになりましたけれども、一月のヘイルストン在沖縄米軍四軍調整官の発言というのが大問題になりました。この司令官は罷免要求すべきですが、政府は罷免の要求すらしておりません。さらに、米軍人の放火をきっかけに起きた地位協定の改定の問題についても、政府は運用の改善で対処しようとしております。こうした日本政府の外交姿勢は極めて卑屈で自主性を欠く、沖縄県民、日本国民の立場からは対処していないということを示していると私どもは思うんですけれども、先生のお考えをお聞かせいただきたいと思います。公述人(新崎盛暉君) 一言で言えばそのとおりですということになりますけれども、別に四軍調整官を罷免しろとかやれとかいう問題よりも、やっぱり私は重要なのは地位協定の改定だと思います。地位協定というのは余りにも時代に合わない。特に環境破壊の問題とか環境汚染の問題とかについて、韓国が今努力している程度も内容を持っていない。ですから、先ほどいろんな同盟国があると言いましたけれども、例えば地位協定で、米軍を駐屯させているドイツと日本の地位協定の間には大きな差があります。特に環境問題において国内法が適用できないという点では格段の差があります。これは九〇年代に入ってドイツが地位協定の改定をやったからです。ドイツでできることがどうして日本でできないのか、こういうことを、それがやっぱり一番大きな問題である、屈辱的云々ということで言えば。一人の司令官を別に罷免要求するかどうかという話よりは、むしろ協定そのものをきちんと、少なくとも例えばドイツ並みに変えるというのが当たり前のことだと思います。宮本岳志君 まさに先生おっしゃるとおり、植民地的とも言える状況だと思いますし、私どもも地位協定の改定ということが本当に切実に求められているというふうに思っております。ありがとうございました。
宮本岳志君 次に、大沢公述人にお伺いをいたします。朝日新聞の三月四日付などによりますと、介護保険の給付について「市町村七割、予算下回る」というふうに報道されておりまして、それで在宅サービスが低調だと。その原因は、「介護保険担当者が挙げた理由で最も多かったのが「自己負担を気にして利用が抑制された」」というふうに報じられております。その後、日経なども「在宅利用七割どまり」というふうに報道しておりますけれども、私どもは、やはりこの問題の大もとには低所得者層への手当てが不十分だからではないかと考えるんですけれども、大沢公述人の御意見をお聞かせいただきたいと思います。公述人(大沢真理君) 御質問ありがとうございます。実は私自身、一月下旬の朝日新聞夕刊に介護保険の実施状況について短い文章を寄せておりますけれども、その中では、今、議員御指摘の調査は朝日新聞社の全国調査でございますけれども、私の記事の中では、厚生省自身が行った七月時点での調査に基づいて、利用率が四割を切っていると。利用率と申しますのは利用限度額に対する実際の利用料、利用額の割合でございますけれども、四割を切っているということが厚生省自身の調査によっても出ております。その後、若干利用率は上昇しているようではありますけれども、やはり期待されたほどの利用率にはなっていない。この問題について、有識者の中には、利用限度額というのはかなり潤沢であるということをおっしゃる方もいらっしゃるんですが、それは非常におかしい見方なのではないか。つまり、あり余るようなサービスをふんだんにつけて利用限度額が決められたというのだったらそれ自体が大問題ですが、そうではなくて、必要にして不可欠のサービスの量から利用限度額は算出されているはずでございますから、その利用率が四割を切るというような事態はもうゆゆしきことと考えなければいけないのですけれども、この問題について厚生省の関係者や有識者の問題意識というのは少し弱過ぎるのではないかというようなことを書かせていただいたんですけれども、その理由として、この朝日新聞社の調査では、自己負担が気になっているのだろうというのもほぼ予想していたことでございましたが、そのとおりに出てきたわけでございます。今後は、例えば所得階層で保険料の額を変えておるわけです。低所得者には低い保険料というふうに設定しているんですけれども、その所得階層によって利用率がどのように異なっているのかというような実態調査が進めばさらにこの問題の原因が明らかになるのではないか。いずれにしましても、現行の介護保険制度はいわゆる低いレベルでの均衡ということにとどまっていまして、このままですと家族の介護の負担というのは解消することはおぼつかないわけですから、これを何とかして高いレベルの均衡に持っていくためにさまざまな努力が必要かと思われます。宮本岳志君 ありがとうございました。