自民党が郵便局のネットワークを選挙に利用している!
<大口の利用者を優遇して赤字が拡大>
(郵政大臣への質問)
宮本岳志君 日本共産党の宮本です。
大臣は、先日の大臣発言で、郵便局が国民利用者のニーズに迅速かつ的確にこたえられるようにとおっしゃいました。郵政の民営化という動きもございますけれども、国民は、日常生活に不可欠な存在として国が責任を持って郵便局を経営せよという選択をいたしました。そういう国民の願いという観点で議論をしたいと思うんです。
最近、郵政省は、大口利用者へのサービスに熱心な余り、赤字になるような割引をしているというふうにも言われております。結局それは一般利用者のしわ寄せになるのではないかと我が党は指摘をしてまいりましたけれども、やはり求められているのは一般国民へのサービスの拡充だと思っております。
ところが、ウェッジの十一月号にこういう記事が出ておりました。電話での専用線割引のようなサービスを郵便にも適用したい、会見の席で松井郵務局長の行った発言ですけれども、これが憶測を広げているということであります。この発言はいつどのような場で行ったのか、専用線割引のようなサービスというのは郵政省の方針なのかどうか、まず郵務局長、お願いいたします。
政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
先生御指摘の記事に先立ちまして、ことしの九月四日、私の定例記者会見の場で、今後のサービス改善の可能性につきましての質疑応答がございました。その中で出たものでございますが、私の趣旨は、郵便のサービスにつきまして、取り扱いのコストだとかあるいは御利用の実態、そういったものを十分踏まえながら、個人の利用者から大口利用者まで非常に多様な郵便のお客様がいらっしゃるわけでございまして、そのニーズによくおこたえして、そして御利用いただきやすいようなサービスというものをどう考えていくかということについて、私としては問題意識を持って勉強していきたいというふうな気持ちを担当の局長として率直に申し上げたものでございます。
それで、先生御指摘の、郵政省として専用線割引のそういった制度を適用するというのは方針なのかということでございますが、これにつきましては、そのような方針があるということではございません。
宮本岳志君 勉強したいということですけれども、その勉強の中には、しかしそのようなサービスの勉強も含まれるのか、それともそういうことは全く考えていないと言い切れるのか、いかがですか。
政府参考人(松井浩君) 御利用いただきやすいようなサービスのあり方という観点になりますと、個々の取り扱いから料金だとか割引だとかいろんなことにつきまして幅広く住民のためになるよう勉強していきたいというふうに思っておりまして、排除するわけにはまいらないと思っております。
宮本岳志君 否定されないので、ひとつ、じゃ、そういう専用線のような割引というのがどのようなものであるのか、議論してみたいと思うんです。
電話での専用線割引というのは、特定のユーザーが決まった相手と通信をするということを前提とした割引サービスですね。これを郵便に当てはめるとどういうことになるかと。仮に、毎日同じ相手に一通ずつ郵便を送るユーザーがいたと仮定して、この郵便物を値引きするということに果たして根拠があるのかと。つまり、このような郵便物は他の郵便より安くしてよい客観的理由が何か見当たりますか。いかがですか。
政府参考人(松井浩君) お答え申し上げますが、最初にちょっとお断り申し上げたいと思います。
先ほどの発言なんですが、私の記者会見における発言でございますが、いろんなサービスの御利用の仕方があるということ、実態をよく踏まえてということで申し上げまして、そういう中で例え話として、電話でいえば個人の宅内の電話の利用の仕方から専用線的な利用までいろいろ幅がありますという、そういう意味合いで言葉で出したものでありまして、それを一部の記者の方が誤解されまして、そして先ほど先生御指摘の専用線割引制度を郵便で利用するんではないかというふうな憶測が見出しになったということでございます。それを最初にちょっとお断りさせていただきます。
それからもう一つの本来的な政策に関する御質問でございますが、一つ一つの今につきまして詰めた話ではございませんので、十分な吟味が本当は要るんだろうと思いますが、基本的には割引といいますのは、例えば郵便局に成りかわって、お客様の方で同時にたくさん差し出していただいてその郵便局で行う区分をあらかじめやっていただくだとか、それからバーコードを区分しやすいように指定していただくだとか、そういったコスト削減効果ですね、そういうものがあるものが大体主軸でございます。一部には需要創出という観点での割引もございます。
そういったことで今の割引制度ができておりまして、先生の御案内のもののケースがそれになじむかどうかにつきましては、ちょっと慎重な吟味が要るんじゃないかと思います。
宮本岳志君 専用線割引というような議論は私は成り立ち得ないと思うんですよ。
例えば、たくさんの部数をまとめて出して手間を省くというようなことも今おっしゃいましたけれども、同一のあて先にこの二十通、三十通送ってくれという話があるかといいますと、そんなことをするぐらいだったら、それを小包か宅急便に一つにまとめればいいわけですから、これもそういうニーズがあるとは考えられないわけですよ。つまり、電話の専用線割引というものと郵便の割引制度というものは比較にならないし、そういう検討というのはそもそもやったって意味がないと私は思います。局長が勉強されるのは結構ですけれども、同時にこういう割引制度というものは採算そのものが疑わしい。
ここで一つだけ確認してほしいんですけれども、採算を度外視したような、一部大口利用者のみに適用するような採算を度外視した割引サービスというものは検討しているわけではないと、これはいかがですか、明言できますか。
政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
郵便サービスそのものは独立採算で収支相償の原則のもとで行われるべきものでございまして、その料金のあり方につきましても、当然適正な郵便の事業の運営を賄うものでなければならないというふうに法律で明定されております。ですから、物の考え方としては先生の御指摘のとおりだと思っております。
ただ、個々のせつな的にある時間の断面、短期的にとらえてどうだとかいうふうなことではないと思っております。郵便のコストは、引き受け段階から、例えばポストに入れられたものを取り集めて、そして引き受け処理をし、そして区分をし、そして運送し、そして最後の郵便局で配達するといういろんなプロセスに応じたコストが発生しておりますので、そういったコストに対する軽減効果があれば料金を軽減するという合理的理由があるというふうに考えております。世界的にもそんなふうなことでございます。
我々、よく勉強していきたいと思っております。
宮本岳志君 本当に国民の役に立つサービスを安く提供するということに心がけていただきたいと思うんです。
それで、そのためにもやはり経営のむだや非効率は改善していく、これは当然のことでございます。
<行政監察局勧告に逆行する特定郵便局>
宮本岳志君 総務庁の行政監察局長にお伺いをしたいんですけれども、昨年八月に出された郵政事業に関する行政監察結果に基づく勧告の三ページ、「郵便局設置形態の在り方の見直し」というところで講ずる必要があるとされている二つの措置、これは郵便局の設置形態についてですけれども、ひとつ御答弁いただきます。
政府参考人(塚本壽雄君)お答え申し上げます。
お尋ねの行政監察におきまして、御指摘の「郵便局設置形態の在り方の見直し」というところにおきましては、「次の措置を講ずる必要がある。」、こう述べております。
まず第一でございますけれども、「郵便局の新設に当たっては、想定される利用形態、取扱業務量等、地域特性を十分勘案しつつ、簡易局の設置で需要にこたえられる場合は、簡易局で対応すること。」、二つ目に、「既定の方針に基づく無特局の見直しについては、利用状況等を全国的かつ定期的に把握し、計画的な推進を図ること。」、この二点でございます。
宮本岳志君 要するに、これからは簡易郵便局の制度を積極的に活用して特定郵便局は、簡易郵便局でできるものは簡易郵便局にしていけ、計画的に見直せと、こう言っているわけですね。簡易局をふやすことがいいのかどうかということは議論はまた別にあるんですけれども、とにかくこういう監察結果が出ております。
そこで、実態をまずお伺いいたします。特定郵便局及び簡易郵便局の数のここ五年間の推移、年々の変化、お答えください。
政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
特定郵便局、簡易郵便局の五年間の数の変化ということでございます。
特定郵便局につきましては、平成六年度末の局数が一万八千五百七十五でございます。五年後の十一年度末の局数が一万八千八百七十八ということになっております。この間、新設と廃止もございますが、差し引きますと五年間で三百三局の増加でございます。一方、簡易郵便局は平成六年度末が四千六百十九局、同じく十一年度末が四千五百七十九局となっておりまして、五年間で四十局の減少というふうになっております。これは、主として受託者の事情というものが大きいというふうに承知しております。
宮本岳志君 今の数、特定局は三百三ふえている、それから簡易局は四十減っていると。これは勧告の趣旨とは全く逆になっていると思うんですが、ことしの九月の数字というのも見せていただきましたけれども、この傾向は続いております。これはなぜこういう状況になっているのですか。
国務大臣(平林鴻三君) 行政監察の方からの勧告におきましては、二点に関しての措置を講ずるように求められております。
第一は、郵便局の新設の場合の設置形態についてでありまして、特定局も含めまして国の直轄で郵便局を経営するということを原則としておりまして、例外的に委託による簡易郵便局を設置する、そういう設置の原則がございます。
そして、今回の勧告は、既設の無集配の特定郵便局の中に、要するに予測を下回る人口の伸びだったということで、設置する場合の判断基準に至らない地域に設置されている事例があったということを踏まえて勧告が行われた。そういうことでありますから、私どもは、勧告の趣旨を、今後こういう事例が新たに生ずることのないように、無集配の特定郵便局の新設においては設置の判断基準をできるだけしっかりと適用するといいますか、そういうことで適切に判断をしていく、そういうことを求められておるようであります。
特定郵便局を含む国の直轄の郵便局が原則で、簡易郵便局が補完であるという基本的なあり方の趣旨を踏まえてこの勧告には対応していきたいと思っております。
それから第二の勧告は、過疎化の進展に伴って利用者数が著しく減少した地域の無集配特定局の廃局を求めていくという勧告でございますが、これは従来から地域住民や自治体等の理解を得ながら廃局を行っているところでありまして、今後とも地域に密着をした郵便局の役割を十分に踏まえて対応していかなければいかぬと。
要するに、予想を下回った人口の伸びで思い違いをしてしまった、当てが外れたというようなことからの設置の場合と過疎化によって人口がもともとあったところがどんどん減ってしまったというところの扱いは、一種のニュアンスの違った判断でいきたいということでございます。
宮本岳志君 行政監察報告の結果も見せていただきましたけれども、この中に紹介されている北陸郵政局管内のある無特局の例で言うと、平成六年から八年度の間、簡易局で取り扱えない業務というのは全くなかった、こういう事例も紹介されております。
今、簡易局というのはあくまで補完だというお話ですけれども、私たちは、先ほども言いましたように、安易に簡易局をふやせばよいということを言っているわけじゃないんです。それなら普通郵便局をたとえ小規模であってもやっぱりつくると。なぜ特定郵便局がこういう形でふえているのかということを指摘させていただいたわけなんです。
<不明朗な会計制度と特定局長の採用>
宮本岳志君 それで、この特定郵便局についてひとつ聞きたいんですが、この特定郵便局の局長の任用基準というのはどのような法令にどのように定められておりますか、官房長。
政府参考人(團宏明君)お答えいたします。
特定郵便局長の任用基準というものの内容とその根拠でございますが、国家公務員の採用につきましては、国家公務員法第三十六条におきまして原則競争試験によるというふうになっているわけでございますが、同条のただし書きがございまして、一定の場合には選考による採用が認められておりまして、この規定に基づきまして、特定郵便局長につきましては選考により任用を行っているところでございます。
この選考による任用に際しましては、各郵政局等におきまして教養試験、作文試験、面接試験等の能力実証試験を実施しまして、その地域の特定郵便局長として地域住民の信望を担い得る者であって、事業管理能力を有する適任者を、部内、部外から選考しているというものでございます。
宮本岳志君 この任用基準、法的根拠というものを文書でいただきたいということで随分お願いしたんですけれども、なかなか納得のいく説明がなかったわけなんですね。少なくとも、今御答弁あったように、一般の試験ではないということになっているわけですよ。もちろん、御承知のように、この特定郵便局長の任用について、事実上の世襲ではないのかという批判も一部にやっぱり聞かれるわけなんです。
それで、この任用基準で、私ども調べてみたら、昭和二十年の制定、昭和四十七年、最近改正の特定郵便局長任用規程というものが出てきたわけですけれども、この規程で、一つは満二十五歳以上の者、もう一つは相当の学識才幹ある者、こうされているわけですけれども、こういう基準であることは間違いないですか。
政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
任用規程につきましては、今、委員の御指摘のとおりの根拠でやっております。
宮本岳志 学識才幹ある者と、何のことか一見しただけではわからないと思うんですね。
そこで、郵政大臣に、やっぱりこれは他の一般職の公務員と同じ採用試験を実施すべきではないか、また転勤なども含めて一般職同様の任用を行うべきではないのか、こう思うんですが、いかがですか。
国務大臣(平林鴻三君) 特定局というのは非常にほかの役所とは違った歴史を有するといいますか沿革があるということは御認識がいただけると思っております。
やはり、昔から田舎に参りますと村長さん、局長さん、校長さん、その三つの長が皆さんの信頼と尊敬を集めておったというようなことは今日でも語り伝えられておると。もちろん、そのすべての方が地元の居住の方で名望のある方とは今日では限っておりませんで、もっと選考範囲は広いものだと思っておりますけれども、やはりそういう沿革を大事にしながら、郵便局というのはお客様が地元の方がいわばほとんどでございますから、そのお客様本位に考えた場合でもこの今日の選考による任用というのがうまく働くものであろうと私は思っております。
宮本岳志君 長い歴史というのは決して知らないわけじゃないんですよ。ただ、あなた方は今日、今、設置、つまりふえていっている特定郵便局の局長の任用もこの仕組み、学識才幹ある者でやっているわけですから、それは長い歴史の中でどうつくられてきたかということと今日どう運用するかというのは別の問題ですから、やはりしっかり検討し直す必要があるんじゃないかということを指摘したわけであります。
もう一つ指摘したい。
それは渡切費というものであります。これは、郵便局で使う事務用品などの物品の経費をおおよそその額面で渡してしまう、そして後はどう使おうと自由だ、こういうものです。これでは経費といっても実際何に使われているのかわからないことになると思うんですね。きのうお伺いしました。渡切費は平成十一年度決算で九百四十三億円支出されております。
<自民党の選挙運動に特定局長を利用>
宮本岳志君 なぜ特定郵便局というものをそういうふうに優遇しているのか。これは、事業上の必要ということではなくて、特別な事情がそこにあるのではないかと私はきょう指摘をしたいと思うんです。 ことし七月の十日、全国特定郵便局長会の総会に大臣は出席をされてあいさつをされました。この総会で、郵政OBで自民党参議院議員の岡野裕氏が、あと一年特定局長会の用心棒を最後まで果たしますと、こう発言をされております。これは新聞にも報道されております。それで、つまり用心棒という表現をお使いになったわけですけれども、そしてあと一年とおっしゃっているのは来年の選挙には岡野さんはお出にならない、そして後継者として前の近畿郵政局長の高祖憲治氏が全特の顧問という肩書でこの総会の壇上で紹介をされております。
この図柄を見ても、自民党が郵便局のネットワークを選挙のために利用していると言われても仕方がないのではないですか。大臣、いかがですか。その場におられたでしょう。
国務大臣(平林鴻三君) 岡野さんがこの特定郵便局長のお集まりでスピーチをなさったということは、私もたしかその場に居合わせたと思いますが、ちょっとぼんやりしておりまして、どういうお話をなさったかよく覚えておりませんが、元気のいい方でありますから、大きな声で何かお話しになっておりました。
さようなことで、私が岡野先生がかくかくのことをおっしゃったということをはっきり申し上げられないのはまことに相済みませんけれども、ぼんやりしておって、お答えがちょっといたしかねるということで何とぞお許しをいただきたいと思います。
宮本岳志君 多少事情に通じた者であれば、私の指摘が決してゆえなきものでないことはおわかりだと思います。
大臣の前任者の八代大臣などは、ある自民党議員の資金集めパーティーで全国二万四千七百の郵便局ネットワークそのものを自民党のかけがえのない後援団体と述べて、当委員会でも私質問して議論になりました。
これまでの他の人や前大臣はともかく、大臣はどういう姿勢なのかをお聞きしたい。郵便局を特定政党の後援会組織のように扱うなどということは許されないと思うんですけれども、いかがですか。
国務大臣(平林鴻三君) 特定局は郵政省の組織の一つでございますから、郵政省の役所としての機能を果たすにふさわしい組織規則とか、あるいは服務規則とか、そういうものがあると思います。 特定局長といえども、今申しましたように、特別の任用の仕方をしておりますけれども、一般職の公務員であることには違いはありませんから、それに従って服務をしてもらわなきゃいかぬ、当然そういうことに思っております。
宮本岳志君 ここに東北のある県の特定局長会で配られている後援会の入会申込書を持ってまいりました。顔写真の入ったこういうものであります。
これは、高祖憲治さんという先ほど申し上げた方の顔写真が入っているわけですが、この会議で、つまり特定局長会議で、特定局長一人一人が十人の自民党員を集めなさい、そのうち二人は新規入党者を集めなさいと、こういうノルマが課されたというふうに証言を受けております。自民党は、参議院議員の比例代表候補に二万人という新規党員獲得を課しているわけですけれども、この高祖さんは一次の公認候補入りを既に果たしておりますので、二万人の党員拡大というのをやられたようであります。
そこで、まず人事院にお伺いしますけれども、一般論として公務員の地位を利用しての特定の政党の党員集めは許されますか。
政府参考人(中橋芳弘君) 一般論として申し上げます。
国家公務員の政治的行為につきましては、国家公務員法の百二条において制限されているわけでございまして、その子細は人事院規則で定められております。
その中で、特定の政党の構成員となるよう勧誘運動をすることは政治的行為に該当するものとされておりまして、原則として禁止されているところでございます。
宮本岳志君 そういうやり方は禁止されていると。
ところが、私の手元に兵庫県の局長会で配られた資料というものも来ております。これは、委員会で全員にお配りしようと思ったんですが、自民党が拒否をされました。
ことし六月二十七日付の兵庫県大樹支部による地区会長あての連絡文書です。大樹会というのは、言わずと知れた自民党の組織です。その自民党の特定の支部が、近畿特定郵便局長会の兵庫県内の各地区会長と地区副会長にあてて出したものです。大樹会の責任者とこの文書の責任者は氏名が一致をしております。
こういうものを使って新規入党者をこの特定局長会のルートで広げている、自民党が党員集めをしているのは明白だと思うんですけれども、今の国家公務員法の規定に照らしてこれは違法だということは明白じゃないんですか、大臣。
国務大臣(平林鴻三君) 私も選挙をやってきておりますから、その大樹という会が郵政省関係者のOBの会だということは知っております。それが自民党員であるということも承知をいたしておりますが、大樹の会はしたがって政治団体といいますか、あるいは政党支部といいますか、そういう性格の会でございますから、それに伴った活動というのは、これはやってもいいんだろうと思います。それの法的な解釈の権限は私にはないですけれども、普通に考えてそういう政党ないし政治団体だと思ってよかろうと思います。
それで、その人たちが特定郵便局長のグループの人に何らかの関係を有する、あるいは働きかけるということは、これは政党の支部なり政治団体としてはあり得ることだと思います。また、特定局長さんは自分が自民党に入ってくださいとかそういうことは言っちゃならぬ、これは今、人事院の規則にたしか政党に入ることを勧誘しちゃならぬ、こう書いてあるわけでございますから、自民党であろうが共産党であろうが、そういう勧誘はしちゃいかぬのだろうと思いますが、党員になることは差し支えない、これもまた自民党員であろうが共産党員であろうが、一般職の国家公務員は党員になることは禁じられていないはずでございます。
だから、そこら辺のことを上手に整理して考えていけばある程度の筋道がわかるんだろうと思いますが、頭の中がごちゃごちゃしてなかなか整理ができない場合もありまして、今おっしゃった実例が果たして国家公務員法の違反に当たるのか、あるいは何かほかの法律の制限に触れるのかということは、私はちょっと判断をいたしかねます。
宮本岳志君 お認めにならないわけですが、私の手元には、近畿地方特定局長会の「取扱注意」という文書、これもお配りしようと思いましたが、これも自民党に拒否をされました。来ております。
そういうごちゃごちゃしたところをどう扱っているか、この文書を見れば歴然であります。例えば、「参加の要請を強制しないこと。内部造反、告発につながる。」とか、「公選法、国家公務員法等、関係法令の理解・認識を高める必要がある。」とか、自分たちのやっていることが一つ違えばそういう法律に違反するし、内部告発されればぐあいの悪いことだという自覚のもとにつくられている文書も出されております。この中には、電話作戦から、まさに選挙活動をどういうふうに取り組むかということまで詳しく書き込まれているわけです。
大体、大樹と名のつく特定郵便局長関係の自民党支部が全国でどれぐらいの党費、会費を集めているか。一昨年の分を持ってきましたけれども、こんなにあります。これ総額、全部足して計算しました。二億八千七百万円に上っているんですよ、この大樹という関係の組織からあなた方に党費、会費として納められているものが。まさにこういう関係を続けるならば、私はやっぱり郵政事業そのものの存在基盤を掘り崩すと言わざるを得ないと思います。
もう時間が来ましたので終わりますが、あなた方は参議院比例代表選挙に非拘束名簿式というのを導入いたしました。つまり、こういう集票組織をフル動員させることによって政権を維持しようとしているわけであります。しかし、最後に決着をつけるのは国民だ、こういうことを続ければ必ず国民の審判が下るということを指摘して、私の質問を終わります。
<選挙用パンフレットに運輸官僚の連名>
(中運輸大臣への質問)
宮本岳志君 ここに自民党がつくったパンフレットがございます。「みんなでつくる、四国の夢。 21世紀四国ビジョン 四国はひとつ!」と、こういうものでございます。自民党の四国ブロックの議員の名前がずらりと並んでおります。「四国比例区 森田一」と、大臣の名前もきちっと出てまいります。「四国の夢」という文章を大臣はこれに書かれております。この文章、御存じですね。
国務大臣(森田一君) 承知いたしております。
宮本岳志君 問題は、この最後のページなんです。いいですか。この最後のページに、「以下の皆様のご協力を頂きました。」として官公庁の官僚の名前がずらっと並んでおります。運輸省航空局石田計画課長、港湾局前田計画課長、鉄道局野竹施設課長、自動車交通局岩崎総務課長、同じく技術安全部久米審査課長と、はっきり名前が載っております。このパンフレットには会長あいさつで、「今後は、第二国土軸構想を具体化したり、空港・港湾整備を促進したりしつつ、四国新幹線導入など四国外との交流も推進して参りたいと考えています。」と言っております。
さらに、このパンフレットはことしの四月、つまり総選挙の直前に出されているわけです。公共事業をどんどん持ってきますと、四国の自民党の利益誘導型の選挙をこのパンフレットを使ってやってきた。そこに運輸省の各局の課長がお墨つきを与える役割を果たしている。
大臣、運輸省はないと言うんですけれども、あなたが率先して運輸省の官僚を選挙に利用してきた、そういうことじゃないですか。これは国家公務員法に違反するんじゃないですか。
国務大臣(森田一君) 私は、私の書いた文章は承知をいたしておりますが、その最後のページというのは見ておりませんでした。
いずれにいたしましても、運輸省の職員につきましては国家公務員についての制限があるわけでございまして、そのような制限事項、禁止事項に違反して自民党に協力するということはないものと考えております。
宮本岳志君 これも知らなかったでは私は済まないと思うんだけれども、官房長に改めて確認したい。これは問題ないんですか。
政府参考人(小幡政人君) ちょっと私も今の資料を拝見したことございませんけれども、我々、いろいろな政策を組織としてあるいは個人としていろいろ勉強しているわけでございまして、そういうノウハウをいろいろな形で、資料というような形で外に出すことはございます。そういうものを利用されたというふうなことではないかと思いますけれども、今の点についてはよく調べてみたいと思います。
宮本岳志君 これは明白に選挙に向けたものなんですよ。議員についても名簿の下に「平成十二年四月現在」とはっきり書いていますから、選挙の直前につくったものだというのは明らかなんです。それぞれの議員も比例区とか香川県第一選挙区と、そういう形できちっと選挙区で紹介されているわけなんです。運輸省がその意図に反してこういうふうに使われたとおっしゃるんだったら、当然これは抗議すべきなんです、自民党に対して。森田運輸大臣が森田一衆議院議員に抗議するということになるんでしょうけれども。
今後再びこのようなことをやらないと、これ確認していただけますか、大臣。
国務大臣(森田一君) 今後につきまして、いろんな意味で情報の提供を受けることはあるかと思いますが、紛らわしいことにつきましては今後ないようにいたしたいと思います。
<度重なるリコール隠しが見過ごされた>
宮本岳志君 大臣は先日のあいさつで、交通運輸の分野においては安全の確保を図ることが第一の課題だと述べられました。先ほどの議論でも、安全が第一だと述べられました。もちろん私もそう思います。
ところが、その交通運輸の安全をないがしろにするような問題が次々と起こっております。三菱自動車のクレーム隠し、リコール隠し事件はその最たるものの一つだと考えます。この問題は、国民の生活で最も身近な自動車の安全問題であるだけに、こういった長期の隠ぺい体質に徹底的にメスを入れて二度と繰り返させない対策が求められていると思います。
三菱自動車のリコール隠しが発覚したのは、内部告発によって特別監査に入った結果発覚をいたしました。しかし、自動車メーカー各社には大体年に一度定例監査が入っているわけですね。三菱には直近で昨年十一月に定例監査を行っております。
まずお伺いしますが、なぜこれ、わからなかったんですか。
国務大臣(森田一君) 確かに検査に入っておったわけでございますが、組織的に隠ぺい工作が行われていたため不正行為が見抜けなかったものでありまして、この事実は運輸省として重く受けとめておるわけでございます。
宮本岳志君 大体、クレーム隠しの発覚というのは今回の三菱が初めてではないんです。九〇年のマツダ、九七年の富士重工、九九年のダイハツと繰り返されてまいりました。その都度運輸省は警告書を発してきたけれども、結局リコール隠しというのが後を絶たないことになっております。
なぜこのように繰り返されるのかということなんですよ。その原因を考えてみたいんですけれども、結局、この現状のリコールの制度が、欠陥車であるかどうかの判断、つまりリコールが必要かどうかの判断をメーカーの自主的な判断に任せているからではないかと私は思うんですね。
これは運輸省の自動車交通局にお伺いしますが、そもそもユーザーからメーカーに寄せられたクレームは逐一運輸省が受け取ることになっておりますか。
政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
運輸省としましては、全国の自動車のディーラーなどから報告のありましたユーザーからの情報のすべてについて、私どもがメーカーに立入検査を行う際に提示を求めまして、そのクレームの原因となりましたふぐあいの原因の調査などが適切に処理されているかどうか、リコール該当事案について届け漏れがないかどうかなどについて調査をしております。今御指摘のように、直接すべて運輸省に報告する義務があるということにはなっておりません。
宮本岳志君 つまり、一々全部クレームを運輸省がきちっと受け取るということにはなっていないわけですよ。つまり、メーカーが全国のユーザーから寄せられるクレーム、こういうふぐあいがあるというクレームを、そのうち、このクレームについてはリコールの必要がある、あるいはこれはリコールの必要がないとか、これはその車個別の問題だとかという判断は、すべてメーカーがやっているわけですね。そして、リコールの必要がある場合に運輸省に届け出るという制度になっております。
それで、なぜ、まずちょっと聞きたいんですが、全部報告させるというふうにしていないんですか。
政府参考人(縄野克彦君) 今申し上げましたように、すべてのクレームについては私どもの立入調査の際に確認をしておるところであります。これをその都度あるいは立入検査と関係なく運輸省に報告させた場合に、私どもの今やっております確認方法に比べて残念ながら内容のチェックをする効率が低下をするのではないかということから、現在の確認方法で確認をすることにしております。
なぜそのようなクレームがあったか、ふぐあいが道路運送車両の保安基準に違反しているんではないかというようなことについては、立入検査の際にその処理状況もあわせて私どもとしては説明を徴しまして、それを私どもとして判断をしているところでございます。
宮本岳志君 繰り返し立入検査の際にチェックをするというふうに御答弁ですけれども、私はその話を聞いてどうも合点がいかないんです。つまり、立入検査というのは一体どれぐらいの期間、どれぐらいの日数でやるかといえば、大体二日か三日と御答弁をいただいております。二日、三日の立入検査で例えば一年間に寄せられたクレームをすべてチェックできるならば、メーカーというのはせいぜい十数社なんですから、本省に集めてやった方がよっぽど簡単なわけですよ。だからつまり、二、三日の立入検査で寄せられたクレーム全部を逐一チェックはしてないですね。できてないですね、そんなの。できるんだったら集めてできるはずなんですから。
政府参考人(縄野克彦君) 繰り返して恐縮でございますが、私どもとしまして立入検査のときにメーカーに寄せられたクレームのすべてについて見せなさいということを申し上げ、もちろんメーカーがそれなりに整理をし、そのふぐあいの処理の措置についても結果を記載したものを私どもに説明をするわけでございます。そういう意味では、二日間の限られた日数、限られた人数の中で効率的にそういうチェックをしているというふうに考えております。
宮本岳志君 そこなんですね。見せなさいと言って、そしてメーカーがまとめたものを見せる、こうなっているわけですよ。
<情報公開で国民による欠陥車の監視を>
宮本岳志君 大臣、私は、この問題に対する運輸省の認識の誤りをまず指摘したいと思うんです。運輸省はつまり、自動車メーカーはほっておいても普通クレームやリコールを隠したりしないものという前提に立って私はこういう制度の運用をやっていると思う。だから、リコール隠しが発覚するたびに信頼が裏切られたと、こう言っているわけです。
しかし、そういう認識は通用しないと思うんですよ。だって、今度の三菱の事件が発覚して河添社長はこう言っております。リコールを届け出るとお粗末な車を出しているとのイメージを持たれ恥ずかしいという感覚があったと、こう語りました。またその後も、日産でも、マル秘資料はしまっておく、パソコン画面は検査用に切りかえる、こういう検査用マニュアルがあったということが、これは運輸省自身の発表でも明らかになっております。
つまり、メーカー任せにしておいたら、それは激烈な競争をしているんですから、もうできるだけふぐあいとかというようなことはやっぱり明らかにならない方がいいと、そういう思いが頭をもたげるものなのだという立場でこのシステムを考えなきゃならないと思うんです。つまり、隠そうとしても隠せないシステムをつくらなければ、やはりこの激烈な競争の中でそういう状況が生まれてくる。この点でやはり基本的には運輸省がすべてのクレームについてチェックするということが必要だと思うんですけれども、大臣どうですか、その問題は。
国務大臣(森田一君) 今は、確かにおっしゃる点はわかるわけでございますが、行政改革、行政効率化の時代でございまして、やはりクレームにつきましては立入検査の際にすべて確認するというようなことでやっていくのが一番いい、このように思っております。そして、この立入調査の際に確認を確実にいかにして行っていくかということに重点を置いていきたい、このように考えております。
宮本岳志君 それだと現状と変わらないわけですよね。つまり、隠そうとしても隠せない担保をどのようなシステムでつくるのかということがこれは大事だと。つまり、メーカーが隠そうとしたということがまず三菱の問題では事実として明らかになったわけですし、もちろん日産はそういう問題かどうかわかりません、これはまだこれからいろいろお調べになるんでしょうけれども、しかし、そういう現状がやはり激烈な競争の中であるんだということを踏まえた対策が必要だと思うんです。ただ、もちろんおっしゃるとおり、それを全部、運輸省にとってチェックするというのが膨大な作業であるということは私も否定いたしません。
ではどうするかと。そこで、私は国民の力をかりるということを提案したいわけです。つまり、運輸省、役所が全部チェックできない、そのかわりそれをすべてオープンにする。メーカーに寄せられたクレーム情報をまず報告義務をかけてすべて運輸省に出させて、それを一々運輸省でチェックできないならば、その中身を、もちろんプライバシーの問題、そういうものは配慮しなきゃなりません。出せるもの、配慮すべきもの、あるでしょうけれども、基本的には、国民に今これこれこういうクレームがこの車種については、このメーカーのこの車については寄せられていますよ、メーカーはこう対応していますよということが明らかになるようにオープンにすべきだと思うんですが、いかがですか、これは。
国務大臣(森田一君) ただいま先生がおっしゃったように、確かに一案でございますが、しかし、プライバシーの問題があるというのは先生のお話のとおりでございます。そのほかに、ユーザーからの情報が本当の情報なのかどうかということについて確認を要するわけでございます。
そういう点におきまして、直ちに開示するということは非常に難しいというふうに考えております。しかし、これらのいろんな点を考えて、情報を開示するという方向で検討を進めてまいりたい、このように思っております。
宮本岳志君 本当かどうかというところがやっぱり紙一重に最後になると思うんですよね。ユーザー、訴えを寄せた人は本当だと言い、それがメーカーは本当かどうかとこうおっしゃるわけで、ここでどっちにより分けるかでクレーム隠し、リコール隠しということにもなるわけですから、私はやはり国民を信頼してオープンにすべきだと思うんです。
そこで、運輸省も十一月一日からホームページを開設されたと。これはそういう意味では、情報公開という点では私はまだまだクレームを全部オープンにしていないと思うんですけれども、これは初日から七十件の情報が寄せられたとお聞きいたしました。この問題に対する国民の関心、不安の高さが示されていると思います。
ただ、これを本当に国民に知らせる必要がある。そこで、これも提案をしたいんです。テレビコマーシャルやポスターなどは当然ですけれども、ユーザーがいつでも目につくところにきちっとホームページあるいはフリーダイヤルをお知らせする。運輸省で言いますと、車検時期を知らせるステッカー、これは運輸省の所管のものですし、車検証、これも所管のものですから、これはやろうと思えばすぐに、ここにふぐあいがあれば、クレームがあればこのホームページにとお知らせできる、すぐにでもできることだと思います。また、メーカーにも、取扱説明書や故障マニュアルにきちっとこのホームページ、フリーダイヤルを書き込めということを指導するということはできると思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
政府参考人(縄野克彦君) 先生御指摘のように、リコール制度の徹底を図るためにユーザーからの情報を幅広く収集するということが必要でございます。あわせて、私どもの現状からいたしますと、その寄せられた情報を収集するだけではなくて、分析をする体制を充実することも必要であるというふうに考えております。
そういう意味で、フリーダイヤルやEメールの受け付けのためのホームページの専用コーナーの設置などを行っているところでございますけれども、今お話がございましたように、さらに広く情報を収集するための手段とあわせまして、その寄せられた多数の情報を私どもが受け入れるあるいは分析をする、整理をする、そういう体制を考慮しながら窓口の周知について方法を検討してまいりたいと思っております。
<設計ミスに起因するリコールが急増>
宮本岳志君 次に、三菱ということではなくて全体としてのリコールの問題であります。
ことし六月に自動車交通局が発表した届け出内容の分析結果という文書を読ませていただきました。この五年間のリコール件数は一貫してこれはふえ続けているんですね。九五年に四十五件だったものが昨年は百三十二件、そしてことしは既に上半期だけで百に達しております。まさにリコール非常事態宣言を出すほどの事態だと思うんですが、その原因について分析結果では、「製造に係るものが二十三件で三八%と設計に起因するものが多くなっている。」、つまり設計のミスが多くなっている、こう述べております。
ではなぜ設計ミスが増加しているかと。この原因についてはいろいろあると思うんですね。ただ、私がマスコミの報道、関係者の話を聞いたところによりますと、やはり開発期間の短縮が一つの原因ではないかという意見が多かったんです。
そこで確認したいんですが、開発期間の短縮が設計ミスの増加の一因となっているという可能性は運輸省もお認めになりますね。
政府参考人(縄野克彦君) リコールの届け出件数の増加については、今、先生がお示しされたとおりでございます。
この要因として私どもが考えておりますのは、一つは、平成七年度におきまして対象自動車が拡大をしましたこと。それから、新しい技術、コンピューターの採用でありますとか、新しい装置、チャイルドシートあるいはシートベルトでありますとか、そういういろんな新しい装置の採用が進みまして、付加される装置が増加をしておるということ。それから、よく言われておりますが、部品の共通化が進んでいるために形式的な件数がふえること。それから、これはいいことであると思いますが、先ほどお話に出ましたように、過去におきますリコール隠し等の問題によって各メーカーのリコール届け出についての意識が向上したというようなことがあると思っております。
私どもとしましては、今、先生御指摘されましたように、設計自体に起因するもの、耐久性に起因するものが多いわけでありますけれども、そういうことを見ますと、やはり開発期間の短縮というものが影響を与えることも一つの理由であるというふうに考えております。
宮本岳志君 開発期間について、私も現場の実態もいろいろ調べてみました。かつては試作車の試験走行を含めて四十カ月程度はかけていたものが、最近では一年程度に短縮されてきているというのが現場の実態です。その上、試作レスといいまして、試作車をつくらずにコンピューターシミュレーションで済まそうということもいよいよ進められていると聞きました。
もしこの開発段階でメーカーがミスを犯した場合、つまり開発ミスを犯した場合に、それはどこで最終的にはチェックされるのか。そうなりますと、それは運輸省が行う型式指定の審査だということになると思うんです。
そこで、私は事前に運輸省から、型式指定の際にメーカーが提出する試験成績一覧表というものと、それから改めて運輸省が再試験する項目について説明を求めました。メーカーが行う安全関係試験は、私の手元に来た資料では二十一項目ありました。うち運輸省が通常再試験する、つまりそれ以外にもやることがあるけれども、普通やるのは二十一項目のうち六項目となっておりました。
説明はこうでした。一つは、部品の試験はメーカーで行う、それから完成品のチェックが運輸省だというのが一つで、もう一つは、安全上重要な部品についてはこの限りにあらずと。この二つの原則でやっていると。これでは、ほとんどの部品はメーカーの出したデータをうのみにすることになってしまうと思うんですが、これで設計上のミスが本当に運輸省としてチェックできるんですか。大臣どうぞ。
国務大臣(森田一君) おっしゃられるように、運輸省が行う型式検査の指定の場合には道路運送車両の保安基準に定められた一定の基準に基づいて審査を行っております。ただ、自動車の技術開発などの状況も踏まえまして、必要に応じて今後とも審査項目や審査方法の見直し、追加を行ってまいりたい、このように考えております。
また、開発期間の短縮の問題につきましては、基準に定められた条件のみならず、想定され得る多様な条件のもとでメーカーが安全性の確認を十分に行うということが望ましいと考えられますことから、みずからの責任において事前に十分な確認を行うように運輸省としても十分な注意喚起を図ってまいりたい、このように考えております。
宮本岳志君 ぜひ見直しをしっかりやっていただきたいと思うんですが、その見直しをする上で一つ私が気づいた点を御指摘申し上げたいと思うんです。
このいただいた試験成績書等提出書面一覧によりますと、長距離走行試験というのがございます。これは、あらかじめメーカーがやるわけです。実際に八万キロ走らせてデータをとるというものです。
これはちょっと運輸省に事実確認しますが、これは型式指定時に運輸省で再試験をやっておりますか。
政府参考人(縄野克彦君) 今御指摘の長距離の走行試験については、原則として試験のデータをもらいましてチェックをするということにしております。
宮本岳志君 もう一つ聞きますけれども、メーカーのデータを頼りにチェックしていると思うんですが、この試験をメーカーはどういう温度設定でやっておりますか。
政府参考人(縄野克彦君) 申しわけございません。今手元に資料がございませんで、もし必要でございましたら後ほど御説明申し上げたいと思います。
宮本岳志君 これは明確に事前の説明で常温二十五度と聞いております。日本には四季があるんですね。だから、日本で売られる車は、北は北海道から南は九州、沖縄まで、雪の中を走ることもあれば炎天下を走ることもあるわけです。しかし、やっている試験は常温、八万キロ、運輸省は改めて再試験をやっていないという状況のもと。本当に一部のユーザーからはユーザーがテストドライバーにされているのではないかと。つまり、ふぐあいが出てきてから、クレームが寄せられてからまあまあどういうわけかと調べるということになりかねないという声も寄せられております。
<利潤優先の自動車メーカーに甘い行政>
宮本岳志君 ユーザーや国民の多くは、仮にメーカーが手抜きをしたとしても運輸省が最終的にはチェックしてくれているんだから安全だと、こう信じていると思うんですよ。よもやメーカーのチェックで大半の項目がいっているというふうには思っておられないと思うんですね。この問題を見ましても、私は、実は先ほどのリコール、クレーム隠しで指摘させていただいたようなメーカーに対するやはり認識に少しずれがあるのではないかと御指摘申し上げたいんです。
メーカーは今どういう姿勢で設計でのコスト削減をやっているかと。私、これも事実、現場で聞いて驚きました。
あるメーカーでは、一部品一グラム一円コストダウン、これスローガンだというんです。つまり、部品を徹底的に削り込んでやると。自動車というのは大体何万点もの部品でつくられていますから、一つの部品を一円削っても物すごくプラスになるわけですね。別のメーカーの、これも見直し事例というものを持ってきましたけれども、社外秘となっております。一層露骨です。A部品の板厚を削り込めば一台につき四円の効果、B部品については全数検査しているものを抜き取り調査に変えれば一台につき三十八円の効果、こういっていかに削り込むかということでやっているわけですね。
だから、メーカーというのはほっておけばやはり安全性ぎりぎりのところまでこうしてコストダウン、これはもう当然競争の中にあるわけですからやるものなんですよ。だから、やっぱりチェックをきちっと厳格に運輸省がやる、このことが求められていると思うんですが、いかがですか大臣。大臣にひとつ。
国務大臣(森田一君) ただいまお話がありましたような問題点はあろうかと思いますが、基本的には行政の効率化ということが求められておるわけでございまして、やはり信頼関係に立って物事を行わなければ万事うまくいかないというふうに考えております。
しかし、安全の問題というのは規制緩和の中で、私が先ほど申し上げましたように、特に政務次官当時から比べて規制緩和が大幅に進んでおる問題でございますので、よっぽど注意してやらなきゃいかぬなということを実感しておるわけでございまして、そのような観点から、ただいま先生が御提起になりました問題につきましても十分に検討してまいりたいと考えております。
宮本岳志君 信頼関係と言うけれども、それがまさに裏切られているわけですし、国民はそのことに危惧を抱いているわけです。私はやっぱりメーカーに対しては甘いと思いますよ。
それで、私きょうは、実は最後に、きょうもう一枚資料をおつけいたしました。実は、自民党は、自民党の資金団体である国民政治協会は自動車メーカーから莫大な献金を受け取っております。三菱自動車一千八百四十万円、トヨタ自動車六千二百万円、日産自動車二千五百四十万円、本田技研工業二千六百四十万円、スズキ二千三百七十万円、日本自動車工業会七千九百九十万円、これが自民党と自動車メーカーとの関係であります。
その一方で、当のメーカーは何と言っているかと。これは時事通信の配信で知ったことですけれども、実は先日十月十七日の記者会見で、日本自動車工業会の奥田会長は、当局の立入検査が多いと日常業務に差し支える、日本の制度に厳し過ぎる点があれば調整していきたいと述べたと報道されております。これは三菱自動車問題がこれだけ大きな問題になった後の自動車工業会会長の言い分です。
運輸大臣、甘くないと、こんな献金と全く別だと言うんだったら、こんなことを言わせておくわけにいかないと思うんですよ。やっぱりきちっとこの点について自動車メーカーに対しても指導すると。いかがですか、これ。このことを聞いて、質問を終わります。
国務大臣(森田一君) 新聞を読みまして、これは重大なことだと思いまして、日本自動車工業会に確認したわけでございますが、ただいま御指摘のような発言はなかったというふうな返事を受けております。
宮本岳志君 終わります。