宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
タクシーと乗り合いバスは、生活に欠かすことのできない住民の足であり、極めて公共性の高い公共交通機関であります。規制緩和の名のもとにそのすべてを市場原理に基づく競争や事業者の自主的判断にゆだねるべきではありません。
まず、タクシー事業についてです。
需給調整規制を廃止すれば、タクシー事業に大混乱を招くことは明白です。なぜなら、この間、規制緩和計画を進めた結果、運輸省の需給判断の基準に基づいても数倍の供給過剰となっているではありませんか。
さらに、今度の法改正により供給過剰は極めて深刻な状況に陥ることは明らかです。そのことにより、中小事業者はもちろん、労働者の長時間過労運転、低収入など、直接影響を与えることにならざるを得ません。その結果、利用者国民に安全、サービス上、多大な問題が生じることになります。
それだけではありません。供給過剰の歯どめだとする緊急調整措置も、実効性が疑わしいからであります。利用者の安全や利便に問題があると判断されるまでは発動されることはなく、仮に発動されたとしても減車の措置は行われません。つまり、著しい供給過剰になり、事業者がばたばたと倒産し、それに伴い労働者が路頭に迷うような事態になっても発動されないことも明らかになりました。こうしたことは絶対に認めるわけにはいきません。
次に、バス事業についてです。
審議で明らかになったように、この十年間で七万八千キロという途方もない路線の廃止が進められています。その上、規制緩和することにより廃止に拍車がかかるのは火を見るより明らかです。このことは運輸政策審議会での資料で明白になりました。
規制緩和による需給調整が廃止された場合、全国のバス系統の二〇%に当たる七千七百二十六系統も廃止希望が出されていること、やむなく継続、いわゆる廃止予備軍も合わせると、約半分近くも占めることになります。このように、今度の規制緩和は公共交通機関を崩壊させるものであります。
そればかりではありません。同じ資料の中で、規制緩和を実施した場合、営業収支は悪化し、最大で黒字系統がゼロになり、赤字額が倍になるとまで言い切っています。
なぜ、こんなことまで明らかになっているにもかかわらず強行しようとするのでしょうか。まさにバス行政の自殺行為ではありませんか。断じて認めるわけにはいきません。
以上が法案に対する反対の理由であります。
最後に、本法案は道路運送法の根幹を変えるものであります。にもかかわらず、六時間余りなどという短時間審議で押し切ることに厳しく抗議して、討論を終わります。