5月11日 交通・情報通信委員会(電気通信事業法改正案)

   「接続料」問題・NTTのリストラ計画はやめよ 
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<予期されていた西日本会社の「赤字」>
<NTTは退職強要の方法も検討していた>
<「接続料引き下げ」では料金は下がらない>
<合理性がない「長期増分費用方式」の導入>
<「合理化」で災害への対応ができない>
<NTTの2万人の人減らし計画はやめるべき>

<NTTの公共的使命の放棄を加速する法改正>



(参考人への質疑)
宮本岳志君 日本共産党の宮本でございます。
 本日は御多忙中の出席に感謝をいたします。
 時間がございませんので端的に答えていただきたいと思うんですけれども、まず、宮津社長にお伺いをいたしますけれども、NTTは連結納税制度の早期導入を求める立場でございますか。
参考人(宮津純一郎君) 期待しております、早期の導入は。期待してはおりますが、現実にはなっておりませんから、それでNTTとしては特例的に税の問題でも措置は講じていただきました。
宮本岳志君 連結納税制度というのは、御承知のように子会社を含む企業グループ全体を一つの経営体とみなして決算を行い納税するというものですから、いわば納税に関しては黒字を赤字で相殺して納税額が低く抑えられる。これはNTTにとってメリットがあることは疑いないと思うんですね。同時に、こういう納税制度を導入すれば、市場からもNTTグループは実態として一つの経営体としての側面を持つのではないかと見られることになろうかと思います。
 これも宮津社長にお聞きしたいんですが、そういうふうに見られる、つまり実態として一つの経営体としての側面というものを持つと思ってよろしいんでしょうか。
参考人(宮津純一郎君) 連結納税制度に絡んで、その税の問題があったときは、あの話のときは、NTTの株主から見て、再編成とか何とかと言ってあれこれやっているようだが、再編した結果、株主から見ると何かあれこれやっているうち、結局税をえらい取られるようになってしまった、おかしいんじゃないかなというようなことになると困るのでということでああいう話をしていただきましたので、NTT全体として見たときにそういう意味の、税金をなるべく従来どおりで済むようにというようなことで、ああいう趣旨でやったんだと思います。だから、そういう意味ではNTT全体を見たような議論だったとは思います。
 実際に運営していく話になってくれば、これもまた今の再編成の仕組みとして、会社を分けまして中を、それでそれぞれ独立採算でやらせるということにして、そういう仕組みで動いておりますから、それがまた全体としてもシナジー効果というのか、全体として効果が出るんじゃないかというようなことでやっているから、経営の基本的考えというのはそれぞれの中のグループ運営になってきて、それぞれの会社のそれぞれの独立性というものを生かしていこうかというのが全体の基本的な流れじゃないかとは思っております。
宮本岳志君 きょうは委員部の方からも少し資料を配っていただいて、私も見せていただきましたけれども、きょう御出席の三つの会社、東、西の会社の株式というのは、つまり持ち株会社が一〇〇%お持ちになっている、そして宮津社長のところの株の五九%は政府が保有しているというふうに資料に出ております。
 それで、本法案は長期増分費用方式という新しい接続料の計算方式を導入することによって事業者間の接続料金を引き下げようというものでありますけれども、その際に議論になるのが、ユニバーサルサービスの確保をどうするかということ、それから利用者料金への適切な配慮という問題、それからNTT地域会社への経営の適切な配慮と、こういう問題だろうと思います。
 まず最初に、これは確認をさせていただきたいんですが、ユニバーサルサービスの確保というのは、NTT等法によってこれは両社に義務づけられていると思うんですが、これは地域会社御両社ともNTT等法ある限り真摯に守っていくということでよろしいですね。
参考人(井上秀一君) NTT法の規定のとおりに我々は一生懸命その確保に努めていっておりますし、また努めていくということでございます。
参考人(浅田和男君) 今、井上社長が申し述べたとおりであります。
宮本岳志君 はい、わかりました。
 やはりそういう立場で、本当に公共的な性格というものも私どもはぜひ大事にしていただきたいという思いも持っておるわけでございます。
 先ほど宮津社長は完全民営化ということに触れられて、NTTの社長としては当然だろうと、さまざまな規制はもう取っ払ってほしいというふうに発言しているんだというお話がございましたけれども、現時点で、これはもちろんNTT等法というものがあって、そこで定められた責務を守ることは当然だと、これはもう宮津社長、よろしいですね。

参考人(宮津純一郎君) 現行法の中でそう決められておりまして、その中で動くのは当然でありますから、我々としてもその思想は忠実に実行する、そういう姿勢でございます。

 

<予期されていた西日本会社の「赤字」>
宮本岳志君 そこで、次に経営への配慮という問題であります。
 先ほど来、地域会社の赤字ということが盛んに言われております。私の地元は大阪ですから、特に西日本の赤字ということがよく口に上ってまいります。
 そこで私は少し疑問に思うことがあるんです。西日本会社は一九九九年度の中間決算で七百億円の赤字の見通しというふうに聞いておりますけれども、これは少し、グループ全体のことですので宮津社長にお伺いしますが、東日本はいらっしゃいますから東日本は東日本の社長にお答えいただいたらいいと思いますが、NTTコム、それから持ち株会社、それぞれ経常損益の見通しはどのようになっておりますか。
参考人(井上秀一君) 数字でございますので、私の方から一括して答えさせていただきますが、平成十一年度の中間決算時に公表した当期業績予測というものがございます。それによりますと、私の方は東日本でございますが二百九十億円の黒字、西は先ほどお話ありましたように七百億の赤字、コミュニケーションズが千百八十億の黒字、持ち株会社は千二百十億円の経常利益という形になります。
宮本岳志君 ですから、西日本以外の今言った三つの会社、東日本が二百九十億、コミュニケーションズ、持ち株会社、三社合わせますと二千六百八十億円の黒字が見込まれるということになると思います。西の赤字が大体七百億と見積もられているわけですから、いわばこの四社で考えれば、それだけでも二千億の黒字ということになるわけであります。しかも、NTTグループにはこのほか御存じのNTTドコモというのが、これは四千七百九十億円の黒字というものも加えられております。
 そこで、納税でいいますと、これが相殺できて安くなればいいという議論が出てくるわけですけれども、赤字を盛んに宣伝するときにはこういう議論はなしで、西日本が赤字で大変だという議論だけが私は少し喧伝され過ぎているんじゃないかというふうに思うんです。
 私がこのように言いますのは、既に私は分割前から、皆さん方の再編実施計画案の段階で合理性に欠けるのではないかという指摘を行ってまいりました。昨年の三月九日、当委員会です、ここで私は、皆さん方の再編実施計画案、案の段階で予想売上高が東よりも西は千四百億円低い、それから予想人員が六千五百人も多くなっている、経営基盤の格差を勘案したものに見直すべきであるということを指摘してまいりました。
 これはまた全体のことですので宮津社長にお伺いしたいんですけれども、率直に聞きますけれども、この西日本の赤字というのはもとから予想されたいわば織り込み済みの赤字だということではないんですか。
参考人(宮津純一郎君) 西日本がしばらく赤字で動くだろうということは、再編成の国会での議論をしていたときも、初めのうちは赤字でないかという話はございました。そのときは、それはそうなんだけれども、経営努力もあるし、それで三年以内に黒字にするように努力するんだということを申し上げました。その後、いろんな御議論がありまして現在の会社のような分け方になったと思います。ですから、我々としては今の分け方の中でそれぞれに経営努力して黒字になるように努力しろというふうな姿勢で今進んでおります。
 ちょっとあのときに計算した、これは予測でありますので、先行きのものは現在のものの傾向から将来を読み取らざるを得ないのがこれは宿命でございますけれども、一つ申し上げれば、その後、四年前のあの議論をやったときと市場はすごく変わりました。その影響がいろんなところに出てきていて、電話なんかは下がり始めてきたというようなことも出てまいりまして、そういうことがあるものだから、去年再編成をやる時点になって見直してみました。そうしたら、もうあの前のときの予測よりはかなり厳しくなりましたので、それで経営改善施策と去年言ったりしているんですが、その辺のことはそういうことを踏まえて言っております。
宮本岳志君 私がこういう問題を取り上げるのは、ではもう一方でもうかっている方の会社、例えばNTTコミュニケーションズ、NTTドコモなどは何をやっているかということがあるわけです。
 日経八日付では、NTTコムがアメリカのデータ通信大手のベリオ社を約六千億円で買収すると報じられております。さらに、NTTドコモ、日経の九日付では五千億円を投じてオランダのKPNモバイル社の株式の一五%を取得して、これを足がかりにイギリスの携帯電話大手オレンジ社の買収に乗り出すと。大変な羽ぶりだと私は思うんですけれども、このような戦略的に重要な経営判断というのは当然持ち株会社の了解を要する事項だと思うんですが、この二点について宮津社長は当然御承知ですね。
参考人(宮津純一郎君) グループ全体としてこういう方向に持っていきたいというような希望というか助言というべきか、それは持ち株会社で各会社の見通しなんかをまとめて三カ年計画というふうなことを言って発表しております。
 それで、ではそれをベースにして各会社はそういう方向にそれぞれが努力すればグループとしてはうまくいくだろうということも十分勘案した上で、しかしながら経営判断というのは結局は経営者の問題ですから、各子会社のそれぞれが主体的に自分で判断するということでやっております。
 今おっしゃった具体的な買収だとかそういう話というのは、まさにやった後の責任はそこの会社の社長がとらなきゃいけないんですから、そのこと自体の決定というのはそれぞれの会社がやっております。
 もちろん、そういうことをやろうとするんだが、それがグループ全体にはどういう影響があるかとかいうようなことは問い合わせはしてきますから、それに対してはそれなりの助言はしますが、基本的には各会社の問題だというふうに受けとめております。そういう仕組みで動いております。
宮本岳志君 先ほどの、知っていますよね、この二つの件は。また抜けましたか。端的に。
参考人(宮津純一郎君) ちょっと誤解があると困るので、ちょっと先生がさっきおっしゃった中で、細かいことなんですけれども、オレンジの会社の買収の話が出ておりましたが、あれは一切そんなことは言っておりませんので、済みませんが、ちょっとそれだけ。
宮本岳志君 新聞報道ではそうなっていたということを紹介したわけです。
 それで、今話の中で中期事業計画というものも出ました。また、三カ年の経営計画ということにも触れられました。それはもちろん中期事業計画で言えば、東日本、西日本の会社が二万一千人の人員削減を行う。これは二つの会社が主になった計画だと思いますし、三カ年計画の方は、これはNTTグループとしての経営計画ということになろうかと思います。ただ、少なくともこれは持ち株会社の方も助言だとか、かかわって進められた、これは否定されないと思うんです。
 私はこの問題で、特にこのNTTグループ三カ年経営計画を見て、西日本の会社が七百億の赤字だといって経営改善を図るということについては、私どもは先ほど言った分け方に問題ありと思っておりますから、それでも反対ではありますけれども、まだ筋のある話ではなかろうかと思うんです。ところが、全体としては先ほど言ったように黒字会社もたくさんある。このNTTグループが、なぜ三カ年経営計画ということで、一方では五千億、六千億という買収劇を演じているような会社もありながら、持ち株会社も加わってそういうことをやる必要があるのか。
 これは宮津社長にお伺いしたいと思います。
参考人(宮津純一郎君) それがまさにグループ運営をするためにそうせざるを得ないということだと思うんですけれども、基本的に電話の世界から今インターネットとかへ行っております、それから携帯の問題も相当伸びてきておりますし、新しい時代のIT革命というようなことにまで突っ込んでいこうというような時代になろうとしているので、NTTとしてもそれぞれについて多角的に対応しているわけであります。
 それぞれについて、ドコモはドコモで携帯の方のことをやっておりますし、コミュニケーションズはコミュニケーションズで国際的な意味でのインターネットというものをどう戦うかということでやっております。ですから、それぞれの会社はそれぞれ課題がございまして、それぞれの問題意識を持ってやっているので、そんなに金が余っていて使う場所も何もないというような状況でふわっとしている会社はございません。それはみんなそれぞれに問題はありますから。

宮本岳志君 結局、私は今議論になった分割の目的というのは、NTT自身が自分で自分のクリームスキミングをすることにあったのではないかと考えております。つまり、もうかる分野をしっかりと切り離して確保する、そしてそのしわ寄せを地域会社に押しつけて、しかも東西二分割の仕方にアンバランスを残して、そして西日本をスケープゴートにして赤字赤字だという議論をやって一層の合理化をグループ全体で推し進める、そういうふうに私などはこの問題をずっと見ておりますと感じるわけなんです。

 


<NTTは退職強要の方法も検討していた>
宮本岳志君 時間がございませんので、次の論点を一つお伺いしたいんですが、まず合理化の計画についての中身なんですが、宮津社長に確認をさせていただきたい。

 NTTビジネスアソシエという会社、この会社はどのような会社か、そして資本関係及び業務内容についてお話しください。持ち株会社の子会社でしょう。
参考人(宮津純一郎君) これは一〇〇%出資の子会社であります。それで、一応独立した法人として事業活動を行わせておりますが、主な事業は社宅の賃貸とか管理、それから給与の計算とか福利厚生等社員サービス関連業務、それから経理業務のアウトソーシングサービスの受託及び不動産開発等、いろいろやっております。大ざっぱに言うと、厚生に関連するかなという子会社でございます。
宮本岳志君 一〇〇%持ち株会社の子会社だということだと思うんですね。
 ここに、実は私はとあるところから入手した資料のコピーを持ってまいりました。これは一ページごとに「NTTビジネスアソシエ」という文字が入っておりまして、御丁寧にコンフィデンシャル、秘密という押印まで入っております。内容は、すべてNTT地域会社の人事政策になっております。この中には、僻地や地方の職員に本人の望まない配置転換かさもなくば退職かの選択を迫るフローチャート図、そういうものもついておりますし、さらには「「解雇」に対する法判断」と称して、もし職員の生首を切った場合に、裁判になっても解雇権の乱用とされないためにあらかじめどのような手順が必要かと、そこまでこれは書いてあるんです。これは三カ年計画の経営計画の一環でこういうことをつくられたんですか。
参考人(宮津純一郎君) 会社としては会社の中の仕事としていろんなことを手がけておるんで、そういうような調査とかそういう意味のものに関するデータを集めるとかいうようなことをやっているのかもしれません。
宮本岳志君 会社としては、この会社がですか、勝手にという意味ですか。
参考人(宮津純一郎君) 会社が人から引き受けたのか自分で勝手にやっているのかよくわかりませんけれども、少なくとも会社としてはそういうようなことを何かやってみようと思っているからそういう、それは何ですか、そこの紙とおっしゃるのはよくわからないけれども、会社として何かそういうような、業務をやっていく上で何かそういうものをつくっているのかもしれません。
 いずれにしても、その会社が別にNTTの人事をやるわけじゃありませんから、どっちみち。NTTの方は、何か経営に関してその会社が出てきて、NTTのあの会社にあれやれこれやれと言うわけじゃありませんから。頼まれて何か調査しているんだろうとは思いますけれども。
宮本岳志君 いや、頼まれて勝手にやったという感じじゃなくて、具体的にNTTグループでどのように人員削減していくか、配置していくかということが相当詳細に書かれたものなんですね。これが、全く持ち株会社も関係ない、あなた方の知らぬところで勝手にこの会社がやったんだともしおっしゃるなら、このような整理解雇というようなことは絶対あり得ないと言い切れますか。
参考人(宮津純一郎君) いずれにしてもNTT側の会社の運営をどうするかということはNTT側の会社の問題でありまして、アソシエの問題じゃないと思います。
宮本岳志君 こういう資料を別に捏造して持ってきているというわけじゃないんです。こんなものを捏造することはできるわけないんですから。
 結局、私はこういう検討がやられているというふうに見ざるを得ないと思うんです。この中には、スカンジナビア航空事件東京地裁判決というものまで紹介をして、その中から、それで解雇権乱用の回避だという検討までやっているんです。
 最後に一言しておきますけれども、この判決というのはその後に大きな怒りの世論と運動が起こって、翌九六年には解雇撤回、復職、解決金と会社の謝罪という勝利的な和解が成立をした。この判決は事実上社会的な通用力を失っているということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。

 


(政府への質疑)

<「接続料引き下げ」では料金は下がらない>

宮本岳志君 本法案によって導入されようとしている長期増分費用方式、これはこれまでも衆参で論議をされてまいりました。私も質問で取り上げさせていただいたこともございます。まず競争の促進等と、いろんなことが言われておりますけれども、常にこの方式を議論する際には接続料を引き下げることによってという文言がついて回っておるわけです。
 まず、これは電気通信局長にお伺いしますが、この方式の導入は接続料を下げるという効果を持つものであり、だからこそ導入するのだと、これは間違いないですね。
政府参考人(天野定功君) 長期増分費用方式は、現実の独占的な地域通信ネットワークの提供における非効率性を排除しまして、接続料金の引き下げを図り、それを通じて国民ユーザーの長距離や国際電話通信料金の引き下げにつながるとの観点から導入を目指すものでございます。
宮本岳志君 一部には接続料の引き下げを求めて署名運動をされている向きもあると聞いております。日本共産党は、これまで生活にかかわる公共料金についてはできるだけ低く抑えるよう主張し、その立場での住民運動に参加をしてまいりました。しかし、今度のこの業者間の接続料についてはそういう問題と同一視しておりません。
 いわゆる物価に関する認可料金については物価関係閣僚会議に付議を行うということになっておりますけれども、この事業者間の接続料は物価関係閣僚会議に付議することとなっておりますか。
政府参考人(天野定功君) 事業者間接続料金は物価関係閣僚会議に付議されるものではありません。
宮本岳志君 つまり、いわゆる消費者の物価にかかわる公共料金という意味では違うということだろうと思います。
 先ほどから何度も議論をされておりますように、つまり今後も引き下げのメリットが消費者に還元される保証があるのかどうか。つまり、事業者間の接続料が下がれば、それが直ちに消費者の料金の引き下げにつながるかどうか、この保証は直接的にあるわけではないわけですね。先ほど来期待するという言葉が出てまいりました。
 これはNCCを呼んでそのこともお伺いしたいと、実は理事会で私の方からNCCを参考人にという希望を出させていただきましたが、先ほど議論があったように出席できないということで実りませんでした。
 そこで、百歩譲って、一〇〇%通信事業者がこの接続料の引き下げ分を通話料に反映したとして、消費者にどれだけのメリットがあるかを議論したいと思うんです。若者向けに携帯電話の引き下げという、これで携帯電話の通話料が下がるという宣伝もあるようなので、携帯電話の例でお伺いしたいと思います。
 携帯電話会社が東西NTTに支払う接続料金が仮に半分になったとして、携帯の通話料はどれだけ下げることができるのか、また三分の一になったらどれぐらい下がるのか。天野局長は衆議院で、携帯電話事業者の接続料の支払いは売り上げの五%程度と御答弁されておりますが、ぜひそれを踏まえて御答弁いただけますか、天野局長。
政府参考人(天野定功君) 以前の国会の御審議で、先生がおっしゃいますように携帯電話事業者の接続料の支払いは売り上げ全体の五%程度でありますと答弁いたしております。
 したがいまして、接続料の値下げが仮にすべて通話料の値下げに充てられるという前提を置いて考えますと、接続料が半分になれば二・五%程度、三分の一になれば三・三%程度の値下げが可能になるというふうに考えております。
宮本岳志君 仮に接続料が急に三分の一に下がると、これはもう地域会社の経営は破滅的なことになるということ、今はとてもそんな状況にないと思うんですが、それをやったとして引き下げが三・三%ということなんですね、実際の料金の引き下げが。そうなりますと、直ちに大幅な値下げが実現するかのような議論というのは私は正しくないと思うし、またそういう議論というのがやっぱり正しくないということを先ほど政務次官も御答弁でお触れになりました。

 


<合理性がない「長期増分費用方式」の導入>
宮本岳志君 そこで次に、私は長期増分費用方式というものが一体どういう方式なのかについて議論をしてみたいと思います。
 郵政省が示した算定方式にはいわゆるケースAとケースBというのがございます。その違いは、ケースAでは接続料算定の根拠となる費用にき線点RTを含むのに対して、ケースBではき線点RTの費用は含まれないという点にあると思うんですが、これは間違いないですね。

政務次官(小坂憲次君) 
そのとおりでございます。

宮本岳志君 実際に接続料を算定する際には計算に必要なパラメーターによって額が変わってくるわけで、あるとき計算したケースAとまた別の場合のケースBではどちらが安くなるかはそれはわかりませんけれども、しかし、き線点RTという装置がただでない以上、同じ条件のもとで計算すれば必ずケースBの方が安くなるというのは疑いないところだと思うんです。
 それで、最初にそもそも今回のこの長期増分費用方式の導入は接続料を下げるためだと御答弁がございました。下げるためだというのならばケースBを採用した方がよいということにはなりませんか。
政府参考人(天野定功君) ケースBは、接続料という観点のみから見ますればより大幅な引き下げが可能になるわけでありますけれども、一般国民の電話の基本料の引き上げにつながるおそれがあり、国民や社会に与える影響が大変大きいことから、その導入につきましては社会的コンセンサスが得られていない状況では問題があろうと思いますし、また基本料への転嫁が難しい場合にはユニバーサルサービスへの影響も大きいことから、少なくとも現時点では導入することができないと考えております。
宮本岳志君 いや、もちろん私どももこのケースBを採用せよと主張するつもりはないんです。
 き線点RTは電話機の電気信号を光情報に変えるための装置でございまして、いわば事業者の都合で設置されているものです。これを加入者の基本料金に含めるというようなことは不当だと我が党も考えております。しかし、この長期増分費用方式という計算方式をとる限り、これが一体どうなるのかということを私はお伺いしたいわけであります。
 まず、事実問題として、今回の法改正で基本料金の値上げにつながったりNTTの打撃になるような水準の接続料にはしないと法文には書いてありますか。
政府参考人(天野定功君) 今回御審議いただいております電気通信事業法の改正法案にはそのような記載はございません。
宮本岳志君 そうなんですね。法律に加えられる条文では、高度で新しい技術で構成した仮想のシステムで当該指定電気通信設備によって提供される電気通信役務に係る通信量または回線数の増加に応じて増加することになる費用だけから接続料を算定しなさいよと、こうですよね。
 そうなりますと、き線点RTの費用というものは接続によって増加する費用なんですか。
政府参考人(天野定功君) き線点RTにつきましては、交換機の一部と見る考え方と端末回線の一部であるとする考え方と、二つの考え方が現在ございます。
 私どもは、今回の長期増分費用方式の導入に当たりましては、前者の交換機の一部として扱う考え方をとっておりまして、き線点RTコストは接続によって増加する費用というふうに考えております。
宮本岳志君 そういう答弁が出ましたか。
 私は、このき線点RTというものがトラフィックセンシティブな費用であるのかノントラフィックセンシティブな費用であるのかと。つまり、回線数の増加に応じて、回線数や先ほど申し上げた通信量に応じて変化するコストであるのかと。
 その基準だけから見れば、これはもうだれが見てもノントラフィックセンシティブであると認めざるを得ない。これはあなた方の研究会でも、ノントラフィックセンシティブコストであることからこれを接続料の計画に入れるべきでないという意見がある。そういうトラフィックセンシティブかノントラフィックセンシティブかといえばノントラフィックセンシティブだということは疑いないものだと思うんですね。
 だから、そういう意味でいえば、私は、この計算方式を導入するならばケースBを採用すべきであるというこの言い分、これに対して反論といいますか、そうでないんだと言う足場を失うのではないかと、こう考えるんですが、いかがでしょうか。
政府参考人(天野定功君) き線点RTのコストが、先生おっしゃいますようにノントラフィックセンシティブコストということであることは異論がないんですが、しかしそれを接続料の計算においてどのように扱っていくのかは非常に国際的に見ましても定説はないんですね。アメリカ自身においてもいろいろ過去の経緯を見ますとはっきりしないところがございます。
 私どもは、そういうことでき線点RTを含むNTSコストの扱いにつきましては別途今後検討していく課題だというふうには考えておりますが、当面今回の長期増分費用方式におきましては、従来からき線点RTは接続料の回収方法に入れる交換機の一部というふうにみなしておりますので、その考え方を継続させていきたいと考えております。
宮本岳志君 例えばNCCから、仮にこの法律を根拠にケースBを採用しろという裁判を起こされた場合、あるいは米国がこの計算方式を導入しているんだからノントラフィックセンシティブな費用は含めるべきでないと、こういう主張をする場合、これに反撃できますか。
政府参考人(天野定功君) この考え方は、法律的な解釈論争といいますよりも経済学的な一つの評価であろうと思うんです。ですから、裁判でどうなるかちょっと私は予想はできないのでございますけれども、今まで電気通信審議会での御議論なども見ましても、十分私どもの考え方は議論の成り立つ余地があろうと思っております。
宮本岳志君 私が指摘したかったのは、この方式を受け入れながら対米交渉では国益を守るというようなことが私はやっぱり合理性に欠けるのではないかと。やはり今回のこの長期増分費用方式の導入というものは、結局は米国の主張するような、あるいはNCCが主張するようなケースBという結論に行き着かざるを得ないのではないか、だから私どもはそもそもこの計算方式を導入すべきではないんだという立場で本法案に反対をしているわけであります。

 

<「合理化」で災害への対応ができない>

宮本岳志君 そこで次に、ユニバーサルサービスについてお伺いしたいと思います。
 NTT等法第三条にある、「国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供」という公共的責務、別の言葉で言えばユニバーサルサービスということですけれども、これは今後とも維持されると八代郵政大臣は繰り返し明言されております。
 また、午前中の参考人質問でも、私から直接地域会社また持ち株会社の社長にお伺いいたしましたら、引き続きこれをNTT等法に基づいて堅持するという御答弁でございました。
 そこで、これは大臣にお伺いするんですが、このユニバーサルサービスというものは、ただ東西両地域会社の料金が同一でありさえすればよいというものではないと私は思うんですが、これは郵政大臣、そうですよね。
国務大臣(八代英太君) ユニバーサルサービスとは、一般に、国民生活に不可欠なサービスとして利用可能な料金など適切な条件で全国において安定的な供給の確保を図るべきサービスだと、こういう思いに立っておりますので、したがってこの概念の範囲というのは東西両地域会社の同一料金といったことにとどまらないものと考えております。
宮本岳志君 とどまるものではないと。であれば、具体的に何かが問題になってくるわけです。
 きょうはその一つ、一端として、非常時の通信手段の確保という面から若干質問したいと思います。
 電気通信事業法の第八条第一項には非常時の通信業務についてどのように規定しているか、電気通信局長からお答えいただきます。
政府参考人(天野定功君) 電気通信事業法の第八条第一項は、まず前段で、「電気通信事業者は、天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に」行わなければならないと規定しております。
 そしてまた、同項は後段で、「公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であつて郵政省令で定めるもの」、例えば火災や重大事故発生時の救援、治安の維持、選挙執行などがございますが、「についても、同様とする。」と規定しているところでございます。
宮本岳志君 この条文の精神に立って、いざというときに公共の通信網が人命救助や救援活動に生かされるべきことは、まさにユニバーサルサービスの重要な柱だと思っております。したがって、都市部か郊外か、あるいは山村であるか僻地であるか離島であるか等々によって、この今言った緊急時の公共の通信網が人命救助や救援活動に生かされるという点がきちっと保障されなければならない。
 これは電気通信事業者の責務だと思うが、大臣、それでよろしいですね。
国務大臣(八代英太君) さっきも言いましたように、国民生活にとって不可欠なサービスというのにはまさにそういうものも入っているのは当然でございまして、災害時等においてこの条文の精神に立って、まさに電気通信事業者のこれは義務であるという思いですから、全く考え方は同じでございます。
宮本岳志君 ところが、例えば午前中、実はNTTの方々からいろいろ状況をお聞きしました。
 NTTの参考人はこの参考人質疑の中でこの間の合理化努力ということに触れられて、例えば交換機の保守拠点はかつて千三百カ所から平成十年末でわずか十カ所にしたと、こう述べておられました。つまり、保守だとかきちっと通信網を守っていくという点でいいますと、今この合理化努力あるいは集約化ということの中で随分不安な状況になってきているのではなかろうかと思うんですね。
 私たちはやっぱりこういう点でもユニバーサルサービスの確保ということが改めて問われるのではないかというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか、大臣。
国務大臣(八代英太君) 災害時という特別の事態においては、これは電気通信事業の有する公共的な役割ということを考えましても、東西NTTのみではなく、すべてにわたって、すべての電気通信事業者に法律上これは課せられているわけです。ですから、平時における市場原理に基づく事業活動と災害時、こういう状況における重要通信の確保というのはおのずと行動原理というものが違ってくるのは当たり前だと思いますし、そういうときにはまさにみんなが、NTTであれどこであれ、さあという思いに立ってやるのが当然のことだというふうに私たちも考えておりまして、したがって、災害時においてはすべての電気通信事業者が重要通信の確保を行うものでありまして、御指摘のような懸念は基本的には生じない、こう思うんですね。
 この間、有珠山のときも、私たちはいろんな、例えば携帯電話であれあるいは携帯ラジオであれ、いろんな事業者に呼びかけました。やっぱりそういう皆さんはそのときには、さあ一大事だということでみんなが協力してくれる、この姿を見ましても私たちの考え方がしっかり行き届いているという思いは強くいたしております。
宮本岳志君 今そういうお言葉ですけれども、私地元は大阪ですから、かつての阪神・淡路大震災というものを経験いたしました。関係者の方に話を聞いても、やっぱり最終的、いざというときの対応能力のかぎとなるのはマンパワーだということであります。
 阪神・淡路大震災のときにも広範な電話回線が不通となったんですけれども、電話線そのものが切れてしまった場所というのはそれほど多くはなかったというんですね。むしろ、電話局や中継設備の停電が不通の原因で、しかもリストラで電源の保守を下請に任せていたために、せっかく非常用の電源設備がありながら直ちにそれを動かすことができなかったと、そういう事例も御説明を受けたわけです。
 そういう点では、本当にこういう形で重点化、集約化していくと、あるいは市場性の低いところから市場性の高いところへと職員を集約していくということをやれば、市場性の低いところというのはつまり田舎といいますか地方といいますか、そういうことになるわけですから、そういうところの本当にネットワークの保守、これが守られるのかどうかという点で私は非常に不安があるんじゃないかということを指摘しているわけですよ。いかがですか、それ、不安あるんじゃないですか。
国務大臣(八代英太君) 人的パワーという面ではまさにそういうこともあるのかもしれませんね。しかし、企業の経営という努力、いろんな計画に基づいて人員配置が行われるわけでありますし、例えば郵便局は二万四千七百、まさにもう網の目のようにありますね。こういうものがしっかり国営化されて地域に根差していきますと、例えば情報通信もあわせて郵便局がいわば拠点としてこれからやっていくという代替する人的なものというのは、町ぐるみ、人ぐるみの中で私はいろんな形で出てくるだろうと思うんです。
 そういう事態を考えることによって、私たちはそういう緊急的なことに対しては国民総がかりで事に及んでいくという姿勢を持っていきますと、どこどこが人が減ったから来ないんじゃないかとかというんじゃなくて、まさに情報通信がそういうときに、いざ鎌倉というときにこういうものがしっかり行き渡るようなネット整備とかあるいは技術開発とか、そういうこともあわせてやっていくことによって十分フォローアップはできるだろうと、このように私は思っております。
宮本岳志君 大臣から郵便局の話も出ましたので、私はまさに郵便局、郵政事業とのかかわりでもこの問題少し大臣と議論してみたいんです。
 衆議院で我が党の議員が指摘をしましたように、郵政省は九七年に発表した郵便局ビジョン二〇一〇というのがあります。これはつまり郵政省が民営化攻撃にさらされて、民営化したらだめなんだという議論がここで展開をされております。「仮に「営利性、収益性」が重視される市場原理のみに基づく運営を行った場合には、不採算地域におけるサービスの維持が不可能になるものと考える。」と、こうあなた方が述べているわけですよ。
 それで、これに資料がついておりまして、例えば銀行なんかの場合は全部採算性重視なのでこんなふうになっているという流れの中で、実は「NTTの民営化後の支店数の推移」という資料をあなた方がその論証としてつけておられます。それを見ますと、なるほど昭和六十年に千六百あったものが、平成七年には百十に減らされたと、こんなふうにして大変集約化されて、やっぱり公共性というものに疑念があるということを書かれているんですね。
 これいかがなんですか、あなた方の主張から見てもおかしいんじゃないですか。
国務大臣(八代英太君) おかしいと言われてどう答えていいかわからないんですけれどもね。
 営業拠点の統廃合については、一一六番による電話注文受け付けの一層の促進とか、いろいろな代替的なことはNTTも考えておられるようですね。そういう意味で、サービス水準の維持とか、あるいは利用者利便に十分配意されつつ、そういういろんな整理統合といいますか、そういうことをやっているというふうにも聞いております。
 いずれにしましても、NTTにおいて今後とも利用者の利便を損なうことなく、非常時であれ何であれ、適正かつ効率的な経営を行っていくということを私たちは期待しているわけでございます。
 あわせて、郵便局はしたがって国営でございますから、その辺はしっかりと地域に根差した安全、安心の拠点になってほしいと、こういうことをつけ加えさせていただきたいと思います。
宮本岳志君 私どもは、この中期事業計画と言われるものによって結局人減らしが進められ、あるいは国民サービスが低下するということがあるのではないかと、そのこと自身が郵政省がかつて民営化した場合にはと主張していたことにも反するではないかということを本当に指摘をしたいわけであります。


<NTTの2万人の人減らし計画はやめるべき>
宮本岳志君 そこで、NTTのこの人減らしの計画についてお伺いしたい。
 平成十一年度の通信白書、これもあなた方が出したものであります。平成十一年版の通信白書では、通信の就業者は昭和六十年をピークに減少傾向をたどっており、昭和六十年から平成九年にかけて十五・三万人減少している、民営化以降のNTTの雇用者数の減少がこの大きな要因だと書いてあります。
 郵政省自身がこれを雇用減少の原因として認めている以上、このNTTの二万一千人の人減らし、これについてやめさせるべきといいますか、見直すことを求めるべきだと思いますが、いかがですか。
政府参考人(天野定功君) 昨年の通信白書では、先生おっしゃいますように情報通信産業全体の就業者数は昭和五十五年以降年二・四%の割合で増加しているわけでありますけれども、情報通信産業の部門別に見ますと、通信部門につきましては民営化後のNTTの雇用者数の減少が要因となりまして就業者が減少していると記述されておるところであります。これはNTTが再編成以前から、競争の激化と経営環境の変化に対応しまして経営の効率化を図るため、グループ会社への出向を活用しスリム化を行ってきたことによるものであります。
 郵政省としましては、東西NTTが一層の経営効率化を実現するため人員削減を含む中期経営改善施策を着実に実施していくことが必要であると考えておりますが、情報通信分野はIT革命により全体としての雇用が伸びており、それにより雇用の機会は確保されていくものと考えております。
宮本岳志君 そういうふうに言うだろうと思っていたんですよ。
 情報通信産業全体ではどうかと。それもこの通信白書に載っているじゃないですか。平成二年三百九十二・四万人、これをピークに平成七年、平成九年と下がって、九年では三百八十七・一万人と、これ自身もやっぱり下がっているわけなんですね、全体でも。
 大体これを仮に横ばいだと理解したとしても、私が言いたいのは、あなた方はこの間繰り返し、情報通信産業が雇用創出の牽引車だと、こう言ってきたじゃないですか。そういうふうにするんだと。ところが、実際に起こっていることは、NTTの人減らし等々によってむしろ横ばい、あるいは減っていると。ここがまさに日本経済にとっての重要なマイナス要因にもなっているということだと思うんですね。雇用というのがこれだけ問題になっているときなんですから、私はやはりこういうとにかく人を減らせばいいという考え方についてはしっかり物も言っていただきたいというふうに思っております。
 そこで、私は同時にお伺いしたいんです。
 先ほど来、NTTのグループ会社が外国の大企業を買い取るという計画が次々と出されております。一般に事業の拡大は悪いと、そう言いません。しかし、一方で労働者のリストラとかあるいは待遇の引き下げをしながら、他方ではそうして蓄えた潤沢な資金で世界に覇権を争うような、五千億、六千億というような買収に乗り出していくというのでは、私は特に公共的な性格を持つ企業の経営者のモラルが問われると言わざるを得ないと思うんですが、郵政省はこういうNTTの姿勢を是認しておられるわけですか。
国務大臣(八代英太君) NTTが昨年十一月に発表しました中期経営改善施策につきましては、NTTを取り巻く厳しい経営環境を踏まえまして大幅な人員削減がございました、二万一千人。それから、投資削減等を含む効率的な経営を行うということで、こういうものも経営ということを考えれば必要不可欠だというふうにも思っているわけです。
 今後、NTTがこの施策を確実に実施すること等によって、この中期事業計画というようなものでその経営がスリム化されるとか、あるいは体質が改善されて、国民により一層低廉で利便性の高いサービスを提供していくことを私たちは期待しているわけです。
 しかし、そこがまたNTTグループという一つのよさだろうと思うんです。だから、そのままあしたから、はい首ですよというものではなくて、その人の特性に合わせながらそれぞれのグループの皆さん方にまた新たな事業の展開もあるということになっていきますと、かえって雇用もふえていくと、こういう状況もあるわけですからね。ただ一概に、数字が出た、これでけしからぬという論法は私はいかがなものかなというふうに思っております。
宮本岳志君 きょうは、実は午前中にNTTの社長さんに私の方から文書を示しました。NTTビジネスアソシエという会社がつくった人事、雇用に関する、これからNTTグループとしてどう進めるかという文書が私どもの手元にあります。これはグループ内の企業によって作成されたことは認められました。持ち株会社がかかわったとかということはお認めになりませんでしたが。
 この中には、今大臣おっしゃったけれども、もう直ちにあしたからというようなことはないんだ、やらせないんだと言うけれども、明確に解雇権乱用の回避と、整理解雇ということも念頭に置いて解雇権乱用の回避ということで、そのためにスカンジナビア航空事件東京地裁判決まで検討して、どのように整理解雇をやればこういう解雇権の乱用ということを言われないかということまで検討を始めているわけなんですよ。だから、私は何もそんな大げさなことを言っているつもりではございません。
 さてそこで、こういったことをやる一つの原因が、今回の長期増分費用方式による接続料の算定によって接続料収入が大幅に減るんだ、厳しい経営環境になっていくんだということも挙げられていると思うんです。


(討論)
<NTTの公共的使命の放棄を加速する法改正>
宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、提案されている電気通信事業法の一部を改正する法律案に反対の立場で討論を行います。
 本法案は、現実の通信ネットワーク構築の経緯やこれまでの費用と無関係に、机上のモデルによって算出される事業者間接続料金の水準を、地域の電気通信網を持つ東西NTTに押しつけるものです。しかも、今後これを継続的に引き下げていく仕組みをつくる内容となっています。
 このような現実を無視した低料金で接続事業者を優遇することのツケは、一般加入者の料金値上げやサービス切り捨てにつながるばかりか、NTT労働者の雇用及び労働条件をも深刻に脅かすことにならざるを得ません。
 本法案に反対する理由の第一は、地域会社の経営負担を増加させるこの方式が、NTTの公共的使命の放棄を加速させることになるからです。
 既に大幅に減らされている営業拠点を、西日本会社の赤字を理由に、さらに三分の一以下に減らす計画が進められようとしています。災害時などの対応に重要な役割を果たす保守拠点に至っては、既にわずか十カ所に統合されているありさまです。NTTは、今後も本法案の施行を前提に両社の経営の効率化を推進する立場を表明しており、これがさらなるユニバーサルサービス切り捨てとなることは明らかです。
 反対理由の第二は、公共電気通信網の担い手として献身してきたNTT労働者の生活と権利を一層深刻に脅かすことになるからです。
 本日の審議の中で、NTT労働者を退職か不本意な移転か二者択一に追い込む、解雇のおどしで労働者に雇用条件の不利益変更を押しつける、さらには整理解雇の強行さえも検討していることが、グループ内企業の内部文書によって明らかになりました。こうした労働者への攻撃は、現に、接続料金の低下などの経営環境の変化と西日本会社の赤字を理由に進められているものです。本法案が、国を最大の株主とする公的企業によるこうした人権侵害を一層過酷なものにすることは避けられません。
 しかも、審議の中で明らかになったように、雇用条件の引き下げはグループ内のすべての労働者に降りかかるものであり、公共的な責務の放棄と相まって、グループ全体としてのもうけ体質を強化するものとなっています。さらに、接続料収入の減少分の過半は、実はグループ内の企業によって吸収されるものであることも明らかになりました。
 この結果は、NTT自身の三カ年計画に示された、二〇〇二年に一兆円の経常利益を見込むという見通しで明らかです。ここで行われていることは、アメリカの圧力を郵政省とNTTが利用して、労働者の権利を奪い、国民へのサービスを縮小してグループ全体としての利益を拡大することだと、怒りを込めて指摘し、本法案への討論とします。

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