3月21日 交通・情報通信委員会(TAO関係2法)

    情報通信技術の研究開発は公正・透明に 

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宮本岳志君 日本共産党の宮本です。
 きょうは、法案そのものの内容について条文などに即した質問を準備しております。それに先立って、新しい動きが出ておりますので、一問だけ郵政大臣にお伺いをしたい。
 私は、昨年の三月十二日、当委員会で区分機の調達をめぐる談合問題を取り上げました。郵務局長は、入札は公正に行われた、法令上認められている制度などとの答弁に固執をいたしました。しかし、十七日にメーカー側から公正取引委員会に提出された資料で見ますと、郵政省がみずからの入札制度を露骨に無視して、納入機械や設置工事の時期などを直接メーカーと交渉していた詳細な過程が明らかになっております。
 郵政省みずからが入札制度を形骸化させていたこと、これまで国会に対して事実を偽ってきたこと、郵務局長に至っては、「新聞、新聞とおっしゃいますけれども、」「事実に基づいた報道ばかりではない」、こうまで言いました。この責任を一体どのようにお考えになっているのか、郵政大臣にお伺いしたい。
国務大臣(八代英太君) 局長の発言の真偽のほどはわかりませんが、三月十八日の読売新聞の報道だと思うんですけれども、私もどかんと一面ですからびっくりしましたが、中身を見ますと、平成十年、以前にも同じような報道がなされておりました。
 この件につきましては、現在審判で公正取引委員会とメーカー二社との間で係争中の事案でもございますので、基本的にコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 なお、御指摘の記事を拝見しますと、新型区分機の入札対象でなかった郵便局が競争入札対象の郵便局として書かれているところもあったりしまして、この記事は平成九年一月と五月の新型区分機の入札に関して書かれておりますけれども、この当時、新型区分機の競争入札は八十七局百五台について行われましたが、同じ時期に、従来からのあて名区分機という機械を新型区分機に改造するという、こちらの方は随意契約でありますが、これが入札対象機よりも多くて百四十三局で百六十二台ございました。また、多くの局で競争契約による新型区分機の導入と改造機の配備がともに行われたところでございます。このような競争入札と随意契約が同時期に並行して走っておりましたので、先ほどおっしゃった、言ってみれば十八日の記事だと思うんですが、記事の混乱もこの辺に原因があるんじゃないかというように思っております。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように現在係争中の事案でございますので、逐一のコメントはまことに申しわけありませんが差し控えさせていただく、こういう思いで、私たちはそのような誤りはない、こういう思いは持っておりますけれども、お許しいただきたいと思います。
宮本岳志君 なかなかお認めにならないんですけれども、引き続きこの問題は厳しく私どもは追及したいと考えております。

 

<広範な中小零細企業への支援が必要>

宮本岳志君 法案の内容に入ります。
 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の改正案は、ベンチャー事業の立ち上げを支援するために新たにTAOから認定会社に助成金を出せるようにしようというものであります。
 我が党は、ベンチャー支援などといって一握りの企業に目を向けるよりも先に、日本経済を支えている広範な中小零細企業全体を潤すための努力をすべきだ、こういうことを訴えてまいりました。ベンチャー企業を支援すること自体に決して反対ではございません。ベンチャー支援の装いで新たな大企業奉仕をするようなことは許されないと考えております。
 そこで、円滑化法の枠組みで、新規事業として支援の対象となる認定会社について、郵政省が定めた特定通信・放送開発事業の実施に関する指針にはどのように規定されているのか、御答弁ください。

国務大臣(八代英太君) 今回の助成金は通信・放送分野の新規事業を創出する、これが我が国において極めて重要であるということにかんがみまして、現行の開発法による出資や債務保証では支援できないスタートアップ段階のベンチャー企業の支援を目的としたものでございます。
 法の趣旨からいえば、大企業であれ小さい企業であれということが平等の原則とは思いますけれども、しかし自力で資金調達が可能かどうかの判断ということは、やっぱり大企業が資本金の大部分を出資しているとか資本金が大きいということであればこれはもう自力で資金調達ができるわけですから、おのずとその場合は助成の対象にはならないという思いを持っておりますので、午前中の質疑もございましたように、まさに小さな、そして何とかベンチャーで立ち上げたい、こういうところへ、言ってみれば優しさの支援というような思いを酌んでいただいて、大企業は大企業のパワーというものがありますので、恐らくそういう懸念は私はないのではないかというふうに思っております。
宮本岳志君 法律や省令を通して大企業の資本によって行う事業を排除するという項目はないわけですけれども、ですから、現状がどうかということを見てみますと、なるほど、今既に円滑化法に基づく通信・放送新規事業の認定会社となっているものを見ますと、大企業の子会社や合弁会社の名前も出てまいります。
 それで、助成金を交付することで事業の立ち上げを支えようというのであれば、大企業からの支援を当てにできるような子会社あるいは出資会社は対象から外すべきだと思うんですが、これはどのようにして排除といいますか見きわめるのかということをひとつ局長の方から。
政府参考人(有村正意君) ただいま大臣から申し上げましたように、法律及び実施指針におきましては企業の大小は問うておりません。これは、いろんな支援の仕方がございまして、出資でございますとか債務保証等ございますので企業の大小を決めていないわけでございますけれども、出資とかいうことになりますとリターンというものを求めるわけでございますので、ある程度確実性ということの中で相当程度の大きな企業というものも対象になるということがあるわけでございますけれども、この助成金につきましては、立ち上がり支援ということでございまして、そういった意味で経営的な能力といいますか、そういったものを補完するというようなことがございます。
 ただ、その場合に、立ち上がりの困難性ということが一つの評価の基準に、審査の基準になってくるということでございますので、大企業が相当程度出資をしておりますとかその企業自身の資本金が相当大きい、そういったものにつきましてはその困難性というものが余りないのではないかということも推測できますので、ある一定の条件と申しますか、そういったことを決めなくてはいけないと思っておりますけれども、これにつきましては、助成金の交付要綱におきまして、今後、この法律を成立させていただきましたら助成金の交付要綱をつくっていくわけでございますけれども、この中で具体的に決めていきたいというふうに考えております。
宮本岳志君 この助成金は事業費の二分の一以内、限度額が五百万円ということですけれども、これは一度きりの助成でございますか。
政府参考人(有村正意君) 必ずしも一度きりということではございません。この助成は新規事業の立ち上がりにつきまして助成をするということでございますので、一つの企業がほかの事業をやろうとする場合に受けるという可能性はあるわけでございますけれども、そういった意味では一度きりということではないというのが法律の考え方でございます。
宮本岳志君 ぜひ、くれぐれも答弁の趣旨に沿った運用をお願いしたいというふうに思います。
 国から資金の交付を受けて行われる事業が反社会的なものであってはならないのも当然のことだと思います。情報通信だから何でもいいということにはならないと思うんですね。例えば、ダイヤルQ2というのはほとんど風俗産業として使われて普及しておりますけれども、ダイヤルQ2をつくったときにはそういう意図ではなかったと、仕組みそのものは、ということであっても、現実にそういう問題が起きる可能性を考慮して事前に対処することが必要だと思うんです。
 売買春に類することや薬物、銃器の取引など、反社会的な目的にこの助成金を使われることがないようにするための監視は可能なんでしょうか。
政府参考人(有村正意君) この助成金の交付決定に当たりましては、外部の専門家等から成る評価委員会の判断を反映させるということでございまして、その判断の中で社会的秩序に反するような事業を行う事業者というものは交付対象から排除されるというふうに考えております。
 また、実際にその事業を行ったかどうかということにつきましても後でフォローするわけでございますので、そういった面からもチェックをしたいというふうに思っております。
宮本岳志君 万々が一審査を行った書類に虚偽があったり、あるいは問題があると後々わかった場合に、不適切だと判明した場合に助成金を取り返すということはできるんでしょうか。
政府参考人(有村正意君) 助成金につきましては、交付した後にそういった事業を行っていなかったということがはっきりいたしましたり、あるいは助成金交付の趣旨に反した事業を行っているということがわかりました場合には、返還をしていただくということになっております。

 

<国費での研究開発は国民本位で活用を>

宮本岳志君 次に、システム法についてお伺いをいたします。
 TAOの行っている研究開発事業には、機構自体の施設で行う直轄研究と、それから外部の研究機関などへの委託研究がございます。我が党は、このうち後者、委託研究の研究費が近年急増していることについて、研究成果が事実上企業自身の資産となるという観点から国の予算の使い方としては不適切だと考えてまいりました。
 このシステム法に基づく研究開発ですけれども、これはすべてTAOの直轄研究でございましょうか。
政府参考人(有村正意君) このシステム法に基づきます研究開発は直轄研究でございます。
宮本岳志君 研究開発の行われている三カ所の研究拠点、麻布台と岡崎と、そして中央、三鷹だと思うんですけれども、それぞれ研究体制がどのようになっているか。参加している人員の数や、どこから研究員が来ておられるのかについて簡単に説明いただけませんか。
政府参考人(有村正意君) 先生からお話のありましたように、三カ所のリサーチセンターで七つの今研究開発を進めておりますので、一々申し上げると大変でございますけれども、この研究開発の仕方は、通信・放送機構が大学の先生にリーダー、そしてサブリーダーをお願いいたしまして、そして通信・放送機構が共同研究者を公募いたしまして、その応募した研究者の中から共同研究者を決めていくという手順でございまして、この共同研究者の中には企業が入っております。例えば電子申請システムでございますと、NTTとかNTTデータとか三菱電機という共同研究者がおりますけれども、このシステムにつきましては九名で研究開発をしているということでございます。
宮本岳志君 参加している企業はいずれも技術力を持った超有名企業なんですね。NTT、今お話がございました。ほかには松下もありますし、日本IBM、三菱、沖電気、KDDも入っておられます。
 それで、これらの研究結果がやがて実用に供される段階になったときに、開発に参加した企業が独占的な地位を確保するということにはならないでしょうか。
政府参考人(有村正意君) この公共電気通信システムの研究開発は、先ほど申し上げましたように直轄研究でございまして、通信・放送機構がみずから直轄で行っておるわけでございまして、その研究開発の成果は通信・放送機構に帰属するというものでございます。
 この研究開発で、例えばあらゆる地方公共団体において活用可能な申請手続の電子化システムなどを研究開発しようとしているわけでございますけれども、これはあくまで汎用的、標準的なシステムを開発するものでございまして、実用化された際の具体的なシステムの調達というのは、それぞれの省庁及び地方公共団体における調達手続によりまして適正に行われるものと認識しております。
 このシステムの開発にも共同研究者として企業が参加することがあるわけでございますけれども、そういった意味で、広くこの成果は普及させるということでございます。
宮本岳志君 完成した段階で、実用に供される段階で、当然そのメーカーのものが使われていくというようなことになるということはないんでしょうかね。
政府参考人(有村正意君) 今ちょっと申し上げましたけれども、公共電気通信システムというのは汎用性、標準性というものを中心にして開発をいたしますので、システム自体も汎用的、その調達についても汎用的に行えるものでございますし、もちろん調達手続自身が透明にオープンに行われるということでございますので、そのような御懸念はないかと存じております。
宮本岳志君 その意味でも、ぜひ、NECと東芝の談合というような、そういうやっぱり疑念を持たれるようなことのないようにしていただきたいと思うんです。
 あわせて、メンテナンスなども、そういう例えば研究に参加した企業でなければノウハウがない、だから随意契約だというようなことにならないでしょうか。
政府参考人(有村正意君) この公共電気通信システムは、まだ実際に開発をされまして実用に供しているものはなくて、実証実験をやっている段階が多いわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように汎用性ということが一つの大きな目的でございますので、そのような御懸念はないと存じております。
宮本岳志君 汎用的な技術だということであれば、企業にとってはほかの事業にも応用することができると思うんです。それで、国費で研究して、それがまた別の事業に使えれば、企業にとってこれほどいい話はないということになるわけですが、企業から参加している研究スタッフは研究の過程でデータを出身企業に提供できる仕組みになっているというようなことはないでしょうか。
政府参考人(有村正意君) この公共電気通信システムの研究開発は、通信・放送機構が直轄で行うものでございまして、その成果が機構に帰属することは先ほど申し上げましたけれども、したがいまして、これらの権利を勝手に行使することはできないわけでございますし、なお、この研究開発におきましては共同研究契約等を結びまして、その研究者に守秘義務を課しております。
 また、研究成果を当事者以外に公表しようというときには、当事者間の同意を得た上で公表するといったような仕組みをとっております。
宮本岳志君 ぜひそういう点しっかり踏まえて、この法の目的、運用をしっかりと国民の立場に立って進めていただきたいと思うんです。
 我が党は、今回の二法について、確かに運用上誤れば、我が党がこの間指摘してきたように大企業や大企業子会社への利益供与に利用されるおそれなしとはしないと考えていますけれども、国民の立場に立った運用がなされる限り、このシステムというものは国民の利便に通じるものでありますし、また円滑化法の方も、本当に中小企業、新たな情報産業を立ち上げるという方々にとって活用されるならば、それはそれとして役に立つものであるというふうに考えています。ですから、この二法については反対はしない、賛成するということにいたしました。
 ぜひとも、運用上の留意を強く求めて質問を終わりたいと思います。
 最後に、もう一分ぐらいありますので郵政大臣にその決意を。
国務大臣(八代英太君) 先ほどもちょっと区分機の話が出ましたけれども、スタート時点では、なかなか特殊な機械ですから研究するといっても二社ぐらいで、なるべくこれは競争入札がいいという思いでいろんな企業の研究は求めていた経緯もあるんですが、ようやく今、日立なども加わって三社体制になって、当時二億円のものも一億円に下がり、それから競争入札することにより五千万に下がるというようなことになってきますと、いい形の競争入札で、いい形の研究体制で、そういうものも含めていろんな研究体制というのは大切だというふうに思うんです。
 また、大企業だけがそのノウハウをひとり占めするのではなくて、ここには守秘義務のようなものを課しながら、しかしそれが広くまた枝葉にわたって小さな企業のベンチャー育成のためにそのノウハウが使われていくという仕組み、そういうことももろもろ考えながらこの法律をしっかりと健全な方向で私たちも育てたい、このように思っている次第でございます。
宮本岳志君 終わります。

 

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