3月15日 交通・情報通信委員会(2000年度政府予算に関する委嘱審査)

    通信事業者の接続料引き下げより加入者の負担軽減を 

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<国民共有の財産としての電気通信網>

宮本岳志君 日本共産党の宮本です。
 きょうは、NTTの接続料の問題についてお伺いをしたいと思うんです。
 国民共通の財産である電気通信網を国民全体のためにどう生かしていくのか、これが何よりも問われていると思っております。ですから、アメリカの言いなりになって国民の利益が犠牲になるというようなことはあってはならない、そういう立場で政府の態度の問題点もこの間指摘をしてまいりました。技術進歩の成果を国民に還元するという立場で加入基本料も通話料も値下げをするべきだと私どもは考えておりますし、また接続料の値下げにも決して反対ではございません。しかし、長期増分費用方式によって接続料を決めることは若干問題があるのではないかと考えております。
 まずお伺いしたいんですが、接続料の算定に当たって長期増分費用方式を導入する眼目といいますか、目的は何でしょうか。
政務次官(小坂憲次君) 御指摘のように、利用者の利便を考えなきゃいけないけれども、しかしそれをどういうふうに実現していくかということでございます。
 従来、東西NTTの事業者間接続料の算定に当たっては、ネットワークの構築や維持管理に実際に要した費用、これを回収するという観点から、いわゆる実際費用方式を用いてきたわけです。これに対して長期増分費用方式というのは、現時点で利用可能な最も低廉で最も効率的な設備と技術を利用するという前提で、実際のものではなくて、いわゆる仮想で組み立ててネットワークのコストを算定する方式。
 これは、なぜこんなことをやるかというと、この方式は現実の独占的な地域通信ネットワークの提供における非効率性を排除して、そして競争価格の水準を示すもの、こういうふうに経済理論上の理解がされておりまして、通信市場における競争を促進していく観点から、事業者間接続料の一層の引き下げを図るために、郵政省ではこの長期増分費用方式を用いた接続料算定のあり方について電気通信審議会に諮問をいたしたわけでございます。
宮本岳志君 この方式によって接続料を決定する制度が導入されれば、いわゆるユニバーサルサービスの提供にはどのような影響があるかという点と、それからその場合、NTT等法で定めている国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するという責務はどのようになるのか、ひとつお答えいただきたいと思います。
政務次官(小坂憲次君) おっしゃるように、これは決してアメリカから言われて導入した方式ではなくて、それ以前から、対米交渉の前から電気通信審議会、言ってみれば平成八年の時点からもう研究していたものなんです。今こういう時点へ来ているわけですが、対米交渉の中におきましても、私どもは、ユニバーサルサービスを維持する上でそれに障害にならないこと、それから東西NTTの経営に悪影響を及ぼさない、そしてまた利用者料金を値上げするようなこういった利用者の不利にならないようなこと、こういう前提でこれを導入しますよと、こういうふうにしているところでございます。
宮本岳志君 ユニバーサルサービスの確保についてはどのようになりますでしょうか。
政務次官(小坂憲次君) これは民間事業者でありますNTTに対して、特別法におきましてやりなさい、こう言っているわけでございますので、このレベルを激変緩和といいますか新しい計算方式を導入したことによりまして経営に大きな悪影響を及ぼしますと、このユニバーサルサービスというのが実現できなくなってまいります。すなわち、もうかるところだけやって、もうからないところにやらないということでは困るわけですので、それができるような経営体質というものを維持していかなきゃいけない。
 そういう観点から長期増分費用を段階的に導入していくという方式をとっておるわけでございまして、これは二月九日に審議会から答申をいただいたところで、その方針に従って進めてまいるわけでございます。
宮本岳志君 とにかくNTT等法で定められているこのユニバーサルサービスの規定、この規定はあくまでユニバーサルサービスを守るという趣旨だと思いますし、その保障は政府としてはきちっと行っていくということでよろしいですね。
国務大臣(八代英太君) まさに万民のためのIT時代を迎えるということになってきますと、先ほどから国内外の南北格差の話もありましたが、日本においても都会とあるいは山村地域との格差というようなこと、年齢の格差、いろいろな問題がありますが、とにかくNTTは日本の基幹産業でもございますし、その責任も私はあるだろうと思います。まさにこういう責任分野においては政府はしっかり指導をしていくことが大切だというふうに思いますし、まさにあまねく津々浦々、ユニバーサルサービスというものはNTTがインフラ整備を中心として国民の新しい時代の情報化時代に寄与してもらいたい、こういうことはしっかり申し上げるべきだと、このように思っております。
宮本岳志君 この問題、なぜこだわってお伺いするかといいますと、長期増分費用方式の議論というのは、この原理というのは、原理的にユニバーサルサービスのための費用の出どころを奪うといいますか、そういう原理になっていると私たちが考えるからであります。これは時間が限られておりますので、きょうはここで立ち入って算定方式の議論は避けますけれども、きょうは料金の問題で幾つか質問させていただきたい。

 

<市外通話は下がっても基本料が値上げ>

宮本岳志君 まず、接続事業者からNTT市内通話網への接続料、これは九四年からの四年間で約四割引き下げられております。これはこの間の技術革新や効率化の成果によるものか、それとも一部の接続事業者が主張しているように接続料算定対象の費用が狭められたということなのか、どちらでしょうか。
政府参考人(天野定功君) お答え申し上げます。
 東西NTTの地域網の接続料は、過去五年間を見ますと中継交換機の場合ですと四六%の値下げになっておりますし、また平成八年度から始められました加入者交換機接続の場合は、三年間ですが一二%ほど値下げになっています。
 この値下げを分析しますと、平成七年度、八年度は接続料算定対象となる費用を見直しましてその費用の範囲を狭めましたのですが、それによる効果は一部にとどまっているわけでありまして、費用削減だとか通信量の増大による効果の方が大きいと見ております。
 さらに、九年度以降につきましては電話について費用範囲の見直しは行っておりません。しかしながら、順調に値下げは行われておりまして、これは主として効率化等による費用の削減と通信量の増大によるものと考えております。
 以上のことから、接続料の値下げは年によって要因が若干異なりますが、全般的には効率化等による費用の削減と通信量の増大が主たる原因だと見ております。
宮本岳志君 両方あるけれども、どちらに重きがあるかといえば、やはり効率化の努力によるものだという御答弁があったと思います。
 そこで、郵政省が募集したパブリックコメント、特に接続料算定のあり方についての意見、これを見てみますと、TTネットは、接続料は高どまり、利用者料金は大幅値下げという構図は公正競争を妨げると苦情を言って、接続料のさらなる引き下げを求めております。郵政省が参入の促進などと言っているもとでこういう意見が出てくるのは当然なことだ、自然なことだと私どもも思いますけれども、しかし問題は、ここで言われているように、本当に一般の多くの加入者にとって大幅値下げとなっているのかどうかということであります。
 九四年以降、NCCのNTT市内通信網への接続料は既に述べたように大幅に下げられてまいりました。一方で、加入者の基本料金、市内通話料金、市外通話料金、公衆電話の通話料、それから一〇四の番号案内の料金はどうなったか、民営化当時と今の時点でどのように推移したか、御答弁いただけますか。
政府参考人(天野定功君) 市外通話料金につきましては、電電民営化当時、最遠距離で平日昼間三分四百円でありましたが、現在は三分九十円となっており、これは競争の進展によって料金の低廉化が図られております。
 しかし他方、基本料につきましては、民営化当時、住宅用四十万加入以上の収容局の場合ですと千五百五十万円であったものが、平成七年二月には千七百五十円へ値上げされております。
 また、公衆電話の通話料につきましては、市内通話の昼間、夜間の例をとりますと、民営化当時三分十円であったものが、平成五年十月に三分二十円に値上げ、平成六年四月に三分三十円に値上げが行われております。
 失礼いたしました。先ほど四十万加入以上の収容局につきまして千五百五十万円と申しましたが、千五百五十円の間違いで、訂正いたします。
 それで、もう一つ番号案内の料金でございますけれども、民営化当時これは無料であったんですが、月一回のオペレーター扱いの昼間、夜間の例をとりますと、平成二年十二月以来有料化、これは三十円になったわけでありまして、平成十年五月に五十円、そして平成十一年五月には六十円というふうに値上げになって現在に及んでおります。
 市内通話料金は平日昼間三分十円で、これは民営化当時と変わっておりません。
宮本岳志君 市外通話についてはかなり下がっておりますけれども、基本料や公衆電話、番号案内は逆に値上げとなっているわけです。

 

<市内通話と基本料金こそ下げるべき>

宮本岳志君 それで、最近タイムプラスの全国展開あるいはインターネット向けの定額料金の値下げということも新聞各紙で報道されておりますし、大臣もそのことに触れておられます。これらの料金サービスの対象となっているのは、だれでもが使うサービスになっているかといいますと、例えばインターネットの定額制というのは、これはISDNという回線であります。私もISDNを引いておりますけれども、これは新たに手続をする必要がありますし、ISDNの回線使用料金というものもかかるわけであります。インターネットは随分利用者が広がっているとはいえ、加入者の圧倒的多数という状況にはまだなっておらないというふうに思うんです。
 そこで、一つお伺いしたいんですが、例えばタイムプラスあるいはインターネット向けの定額料金のサービス、これらの対象となっている加入者数とそして加入者総数が大体どれぐらいの比率になっているかということはおわかりでしょうか。
政府参考人(天野定功君) 現在、NTT東西では、一般加入電話回線とISDN回線に対しまして、割引料金としまして先生御指摘のタイムプラスとテレホーダイのサービスを提供いたしております。
 平成十一年三月末時点でこの加入者回線数を申し上げますと、電話加入者数は全体で五千八百四十七万加入でありますが、うちタイムプラスは百九十一万契約で加入率三・三%、それからISDN加入者数は全体で三百九十六万加入で、うちタイムプラスは三十一万契約で七・八%の加入率でございます。
 また、夜の十一時から翌朝の八時までの深夜、早朝時間帯に定額制となるいわゆるテレホーダイの契約者数ですが、これも十一年三月末現在で、電話では四十一万契約で加入率〇・七%、それからISDNでは二十二万契約で加入率五・六%となっております。
 それから、NTT東西では、さらに昨年十月からISDN回線に対しまして、曜日、時間帯にかかわらずに月額千二百円または三千円で月最大十五時間または三十七・五時間まで利用可能になる割引サービス、いわゆるi・アイプランを開始しましたが、その契約数は現在では四十万に達する勢いというふうに聞いております。
宮本岳志君 いろいろこれからの努力ということもお述べになりましたけれども、とにかく最初に紹介したタイムプラスあるいは定額制、これは三・三%とか七・八%という状況であります。ほんの一握りの人々だけがこういう新しいサービスの恩恵を受ける形にまだ現状はなっているわけです。これでは新しく参入した事業者と競合する部分にだけ対策を講じて、これまでの電話回線網の構築を支えてきた多くの一般加入者を放置しているという声が出かねないと思うんです。
 最近、郵政省が電気通信のユニバーサルサービスの維持について検討していることは評価をしております。しかし、このユニバーサルサービスの維持についても、例えば一一〇番、一一九番の無料サービスを維持するといっても、基本料金は上がるというようなことになれば意味がないということになってまいります。
 それで、先ほど郵政省自身も接続料が下がっているのは効率化の成果が主だと、こうお答えになったわけですから、接続に使われる市内回線のコストが下がっているということは、同じ回線を使っている市内の通話料金を下げることもこれは可能だという理屈になってまいります。
 NTTに対して、この技術革新の成果を国民に還元するという意味で、基本料金の値下げ、多くの一般加入者のための料金値下げを求める、そういう気はございませんか。大臣いかがですか。
国務大臣(八代英太君) 市内通話料金は昭和五十一年十一月から三分十円に引き上げられて、それ以前は三分が七円だったと、大分引き上げられているじゃないかと御指摘を得たわけでございますが、そこで、基本料、市内通話料金を初めとして競争が十分に進展していない県内とか、そういう通信使用の料金については、一定の効率化努力を東西NTTに課すことによって料金の低廉化を促進する上限価格方式というものを設けるようにいたします。
 これは、新しい規制方式でございまして、ことしの秋には導入するということになっていきますと、いろんな事業者の参入によってどの料金をどのように下げるかという具体的な競争が非常に活発になっていくんじゃないかと思いまして、これは東西NTTのそれぞれの判断にゆだねるということにはなっておりますけれども、いろんな意味で引き下げが行われるだろうという見込みを私たちも予感しているところでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど来お話をいただいておりますが、今はもうモバイルの時代、だんだん家庭の固定電話がもう携帯電話に追い越されて、そういう意味では厳しい状況の東西NTTのことはあるにいたしましても、そういう一つの新しい時代の情報通信、また基本料、いろんなものを含めたものが低廉化されていく、これがまた民間事業者によってさらに競争が低廉化への道をつくっていくという状況を私たちもしっかり風を送る政策を展開しながら、この秋そういう形の上限方式を取り入れることによってかなり競争の中においての低廉化は期待できるのではないか、こんなふうにも見込んでいるところでございます。
宮本岳志君 接続料の問題が議論になっておりますけれども、国民は接続料が下がれば電話料金は下がると、つまりそれは直結しているという理解の方が多いと思うんです。ただ、もちろん競争的な分野のところはおっしゃるように競争で下がるということはあるにしても、例えば基本料とかあるいは市内通話とか、やっぱり依然として独占のところはそれほど下がらないという状況が出ているわけです。そして、接続料が下がった分は、その浮いたお金は新たな設備投資に使っていく、競争のために使うということになっていきますと、本当に接続料が下がって電話料金も下がるものだと思っていたら、結果はごくごく普通の一般の国民にはそうならなかったということも起こり得るわけでして、ここはぜひそういう国民の声にこたえられるようにしっかりと進めていただきたい。
 それで、アメリカはISDNだけでなくて通常の電話が全部定額サービスなんです。一本当たり幾らなんです。だからアメリカでインターネットが爆発的に普及したとも言われているんです。これは九九年度の通信白書にも郵政省自身が書いていらっしゃるんです。だから、特殊なものだけでなくて、つまり一本当たり何ぼと定額でびしっと決めることもアメリカなどではできているわけですから、そういう形で目に見えて利用者のところにその恩恵がきちっと行き渡るというふうにしていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

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