<警察庁の報告を「うのみ」にして判断>
宮本岳志君 まず、新潟県警の不祥事について国家公安委員長にお伺いします。
あなたは、国家公安委員五名の合意が完全に形成されていたので持ち回り決議を命じた、だから問題はないと答弁されておりますけれども、国家公安委員全員の合意ができたと確信するに足るだけの報告を受けたんですね。
国務大臣(保利耕輔君) 報告は田中長官からいただいておりますが、私は、基本的合意は成立しておる、そういう認定をいたしました。宮本岳志君 説明に行った田中長官が説明した相手はだれで場所はどこか、一堂に会してやったのか。いかがですか。国務大臣(保利耕輔君) 二十五日の夕刻と思いますが、私は国会内にずっとおりましたから、国会内で伺いました。宮本岳志君 現地で一堂に会して説明して議論したのかどうか。国務大臣(保利耕輔君) その点につきましては、警察庁長官から答弁させます。宮本岳志君 ちょっと待ってください。
そんなこともわからないで合意ができたという判断ができたんですか。一人一人どういうふうなお話しになったのか、答えてください。国務大臣(保利耕輔君) 総体として、全員の方が合意をしたということを聞いております。宮本岳志君 一人一人どういうふうにおっしゃったかという報告は受けなかったんですか。いかがですか。国務大臣(保利耕輔君) 総体として、全員そのような処置で結構であるということを伺っております。政府参考人(田中節夫君) その間の事情につきましては、私から御説明いたします。
二月二十五日、都内の共済施設で行われました警察育英会が終わりました時点で四名の公安委員さんがおられました。その席で、当日の朝、両名から聞いた事情につきまして御報告を申し上げました。大臣の御意向といいますか、大臣が前夜お述べになられましたこともあわせて御報告いたしました。
そのとき四名の方は、新潟県の県議会のこともお話しいたしましたので、事情を全部把握の上、速やかに更迭すべし、それからまた小林前本部長につきましては厳しい処分をすべしという御判断がございました。したがいまして、私どもといたしましては、その時点で四名の方につきましてはお話をきちんとしており、また御意思も私ども得ております。
また、その内容につきましては、もうお一方につきましては私どもの幹部から電話にてお話を申し上げました。その方も同じ意見でございましたので、その時点で公安委員会の合意は形成されたというふうに私ども事務局としては判断したわけでございます。宮本岳志君 話し合いは一堂に会してやったのか、ばらばらだったのか、具体的な中身をお話しください。政府参考人(田中節夫君) 四名の方が、例えば一堂にそこに会したということではございません。複数の方に同時にお話をしたこともございますし、またそうでない方にはお一人ずつ御説明いたしました。宮本岳志君 具体的な名前を一人一人お話しください。そして、話し合いはやったんですか。政府参考人(田中節夫君) 具体的にどういうようなお話があったかということにつきましては、これは意思形成の過程の問題でございますので、内容についてはお答えをすることは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、具体的に申しますと、新井委員、渡邊委員につきましては同時に私がお話をいたしました。また、那須委員、岩男委員につきましては個別にお話をいたしました。宮本岳志君 話し合いはしたんですか。政府参考人(田中節夫君) 先ほど来申し上げておりますように、四人の方が同時に席に着いてお話をしたということではございませんで、私が、お二人の方は同時にお話をし、お二人の方はそれぞれ個別にお話をしたということでございます。宮本岳志君 公安委員長、そういう中身を本当に一つ一つ確かめたんですか。御答弁ください。国務大臣(保利耕輔君) 私は、警察庁長官から今のようなお話を伺いまして、それで合意が形成されたと見て、同時に示されました処分案について、これで持ち回りでお許しをいただいてこいと、こう指示をいたしました。宮本岳志君 結局、警察庁の報告をうのみにしたということでしょう。何一つ御自分で確認していない。お一人お一人どういう意見だったかということを確認せずに、なぜ完全に合意ができたと言えるんですか。国務大臣(保利耕輔君) うのみということではございませんが、私は、その警察からの報告については信頼をいたしまして判断をしたものであります。宮本岳志君 では、一つ聞きましょう。
四名についてはグランドアーク半蔵門で意見表明を受けたんですね。あと一人は電話で確認したと。間違いないですか。政府参考人(田中節夫君) そのとおりでございます。宮本岳志君 報道によりますと、那須氏は、帰りがけに幹部職員から立ち話で処分を知らされ、説明を受けたのは夕方だと述べております。欠席した磯邊氏は、電話でなく、事務所に訪ねてきた職員から説明を受けたと言っております。既にここで食い違っているじゃないですか。
お一人お一人のそのときの状況、御議論を国会としてしっかりとつかむためには、どうしても国家公安委員全員の参考人の招致が必要だと、このこと一つをとっても明らかだと思います。また、国家公安委員長の責任は重大だと私は指摘しておきたい。
<事故が起きている以上はどこかにミスが>
宮本岳志君 さて次に、去る三月八日、営団地下鉄日比谷線で発生した脱線衝突事故について質問いたします。
昨日、またお一人亡くなられました。まず私は、この事故で亡くなられた五名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げます。
深い悲しみと事故への怒りの中、亡くなられた方々のお葬式が行われております。十七歳の若さで無残にも未来を奪われた富久信介さんのお父さんは、おまえの死を決してむだにしないから、それがこれからおれのできる唯一のことだと述べられました。この思いは私たちみんなのものでなければならないと思うんです。
事故原因の徹底究明と再発の防止、運輸大臣、いかがですか。国務大臣(二階俊博君) 御質問にお答えする前に、私からも一言申し上げたいと思います。
今回の鉄道事故により、入院されておられた方の中で昨夜新たに一名の方が亡くなられ、犠牲者が五名となりました。まことに残念な結果であり、何とも申しわけなく、心から御冥福をお祈り申し上げます。御遺族の深い悲しみにお慰めの言葉もございませんが、改めて心よりお悔やみを申し上げる次第であります。また、現在、入院加療中の方々におかれましても、一刻も早い回復をお祈り申し上げます。
さて、ただいま宮本委員からのお尋ねの決意いかんということでありますが、安全は運輸行政の基本であり、このことにつきまして私どもも随分力を注いでまいりましたが、その最中に今回このような事態に遭遇し、非常に残念であると同時に、このことを深刻に受けとめております。
運輸省としましては、事故発生後直ちに関係者を総動員いたしまして、なし得る限りの努力を傾けておるところでございます。
事故の原因の究明につきましては、事故当日の三月八日、現地調査の後、運輸省におきまして直ちに第一回の事故調査検討会を開催するとともに、三月十日、より詳細な検討を行うためのワーキンググループを開催し、精力的に調査分析を進めているところであります。
また、事故後の対応としまして、帝都高速度交通営団はもとよりでありますが、全国の鉄道業者に対し、事故当日、鉄道局長名で通達を発し、安全の徹底を図ったところであります。
いずれにしましても、運輸省として、今後再びこのような事故を起こすことのないように、今回の事故の徹底的な原因の究明がまず第一だと思っておりますが、これらに対応し、再発防止に全力を尽くす決意であります。<延長されてきた車両の定期検査の周期>
宮本岳志君 きょうは時間もないので、二つだけお伺いしたい。
一つは車両の検査の問題であります。
鉄道局長にお伺いしますが、営団では定期検査は現在どういう周期でやっておりますか。政府参考人(安富正文君) お答えいたします。
車両検査につきましては、運輸省令である鉄道運転規則に基づきまして、規則に定められた期間または走行距離のいずれかを超えない範囲で検査を行うこととされております。
具体的に、営団におきましては、月検査ということで、三カ月ごとでございます。それから、重要部検査としまして、これは主要機器を取り外し、または解体して行う検査でございますが、これが四年または走行距離が六十万キロ、いずれか短い期間でございます。それから、全般検査につきまして、これは解体をかなり全般的に行うものでございますが、これが八年ごとということになっております。宮本岳志君 例えば、今お答えの重要部検査ですが、一九八七年以前からで見て、今日まで周期はどう変更されてまいりましたか。政府参考人(安富正文君) 具体的に、一九八七年以前から一九八八年六月までは、この重要部検査につきましては二年または三十万キロということになっておりました。一九八八年六月に、この二年または三十万キロを、三年または四十万キロに変更しているところでございます。それから、一九九七年四月に、三年は変わりませんけれども、距離数のところが六十万キロに変わっております。それから、一九九九年十月に、今度は距離数は変わりませんが、三年のところが四年ということで変更になっております。宮本岳志君 次々と延ばしてきたわけです。これは運輸省令の鉄道運転規則で定められておりますので、事業者が勝手に延ばしたというものではありません。
昨年も延伸しましたが、省令変更の理由は何ですか。政府参考人(安富正文君) 鉄道運転規則で昨年も定期検査についての検査周期を変更しておりますけれども、これは近年の各装置の信頼性あるいは耐久性の向上、さらには鉄道事業者における検査管理体制の充実といったようなことを踏まえて、具体的に鉄道総研におきまして各種走行試験のデータ等を収集いたしまして、検査周期を延伸しても安全性が確保されるという専門家の方々の意見も踏まえまして確認されたために所要の規定の改正を行ったものでございます。
〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕宮本岳志君 安全性が確保されるということになっていないから事故も起こっているわけでしょう。
運輸大臣にお伺いいたします。
今回の事故の重大性に照らして、こういった規制の緩和が安全の軽視に絶対結びついてはならない、この点はっきりさせていただきたい。国務大臣(二階俊博君) 今回の事故調査委員会におきまして、そうした点も踏まえ、今後再びこういうことの発生しないように我々としては万全の体制で臨む、そういう決意で今検討いたしておるところでございます。いましばらく時間の余裕をちょうだいしたいと思います。宮本岳志君 規制緩和は絶対安全軽視につながってはならないという点、どうですか。国務大臣(二階俊博君) 私は、以前からもう規制緩和、規制緩和というかけ声のようなことでずっと周囲が盛り上がっておりました当時も、事運輸省のことに限って、安全性の確保という面におきましては、時流に流されてそうした面についておろそかになってはいけないということをみずからに言い聞かせてまいりました。<ガードレールの基準も緩和されていた>
宮本岳志君 次に、脱線防止ガードレールについてお伺いしたい。
事故箇所のカーブは半径百六十メーター、営団の設置基準は半径百四十メーターと聞いておりますが、一九五一年の営団の内規では半径何メートルでしたか。政府参考人(安富正文君) お答えいたします。
営団地下鉄は昭和二十六年、丸ノ内線建設に際しまして、曲線部における外側レールの摩耗を防止するために、半径二百メートル以下の曲線箇所に内側レールに沿って摩耗防止ガードレールを設置するということを基準としておりました。その当時は摩耗防止ガードレールと呼んでおりますが、これは当然脱線防止にもつながるものでございます。宮本岳志君 これが年々緩められてきて百六十メーターから百五十メーターに緩められたのは何年ですか。政府参考人(安富正文君) 先ほども申しましたように、昭和二十六年当時二百メートルでございましたが、その後昭和二十九年にこれを百八十メートル以下ということに改めております。それから、さらに昭和三十三年に曲線半径百八十メートル以下から百六十メートル以下、それから昭和三十六年にこれを百六十メートル以下から百五十メートル以下、さらに昭和四十三年に百五十メートル以下から百四十メートル以下にそれぞれ設置基準を段階的に引き下げて、今日に至っております。宮本岳志君 事故現場の恵比寿―中目黒間の開通は何年ですか。政府参考人(安富正文君) 営団日比谷線につきましては、昭和三十四年に工事着手以来、順次開業してきておりますが、当該恵比寿―中目黒間につきましては、昭和三十九年七月二十二日の開業となっております。宮本岳志君 わずか三年前まではつけるという基準になっていたものを規制を弱めてつけていなかった、そしてその後も結局百四十メーターにまで引き下げられたと。この緩和の理由は何でしょうか。政府参考人(安富正文君) お答えいたします。
営団地下鉄では、脱線防止機能を有するこのガードレールにつきまして車輪の踏面、いわゆる車輪とレールが接する面でございますが、その面の形状の改善、改良あるいはレールの塗油、塗油と申しますのはレールに油を吹きつける器械がございますが、そのレール塗油による摩擦係数の低下等の改善状況を踏まえまして、そういう設置基準を段階的に改正してきたということを聞いております。宮本岳志君 私が問いたいのは、そもそも運輸省はこの基準に責任を持ってきたのかと。運輸省の規則では明確に何メートル以下はつけるようにとなっておりますか。政府参考人(安富正文君) 運輸省の構造規則の中には具体的な数字は示しておりません。急曲線あるいは急勾配の曲線の部分につきまして脱線防止ガードレールをつけるようにということで、それぞれの各事業者における車両の性能あるいは運転速度等を勘案して各事業者が決めているものでございます。宮本岳志君 きょうは資料もおつくりして配ってありますけれども、具体的な数字はない、そしてばらつきがこれほどあるというのが今の実情なんですね。そこなんですね。つまり事業者任せにしていると。ここを運輸省がきっちりと何メートル以内は必ずガードレールをつけなければならないと責任を持つべきだと思いますが、運輸大臣、いかがですか。国務大臣(二階俊博君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、この問題につきましても、私どもは今回の事故を機会に専門家等の御意見も十分聴取した上でこの問題についての基準をどう設けるかということも念頭に置いて検討してまいりたいということを考えております。宮本岳志君 時間がなくなりました。この問題はまた交通・情報通信委員会でも徹底審議をしたいと思っております。
運輸大臣も所信表明で安全の確保は最優先だと述べておられます。我が党は、あなた方が進める規制緩和は交通機関の安全に大きな不安を持つものだと指摘してまいりました。今回の事件はそのことをとうとい犠牲の上に示したものだと思います。今回の事故を契機に規制緩和一辺倒のやり方をきっぱり見直すことを強く要求して、私の質問を終わります。