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= たけし Express −158号− ■ 2007年2月08日 ■ =
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◇「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)」今国会提出を断念!
◇なぜ柳沢氏の口からは「問題発言」しか出ないのか?
――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆「WE」今国会は見送りへ…労働時間短縮のための真に必要な政策は?
政府・与党は6日の協議会で、残業代も払わずサラリーマンを何時間でも 働かせる「WE」について、今国会への提出を見送り、残業代の割増率引き 上げを先行して実施する方針を決めました。「過労死促進法案」「残業代ゼ ロ法案」であるWE導入に反対する世論と運動によって、ついに今国会につ いては提出断念に追い込まれたものですが、政府・与党は参議院選挙後にも 導入を狙っており、決して諦めたわけではありません。この悪法の参院選後 の国会提出を許さないためにも、参議院選挙がいっそう大切なたたかいにな ってきました。
同時に、「先行実施」を決めたとされる「残業代割増率引き上げ」も決し てサラリーマンにとって歓迎できるようなしろものではありません。だいた い「先行実施」という言葉自体が危険です。これをのんでしまえば、「ワン セット」だとして後からWEをのまざるを得なくなるという危険すらはらん でいます。しかも、今回の「割増率引き上げ」はきわめて重大な問題点を含 んでいます。現行の残業時間の上限目安は月45時間ですが、ここまでの残 業については何の引き上げもなく、現行どおり…。「過労死ライン」と言わ れる月80時間を超えて初めて、割増率を50%に引き上げる方針だという のです。
「月80時間」といえば、私が遺族とともにたたかってきた過労死の公務 災害や労災の認定を求める裁判で、「残業月80時間超」が証明されれば、 基本的には公務災害・労災が認定されるという、いわば「因果性」が裁判所 によって認められている水準なのです。つまり「月80時間以上残業させ る」ということは「死ぬかもしれないことをやらせる」ということであっ て、ただちに禁止すべきものです。
それを「50%の割増率」に引き上げるということは、逆に「50%割増 の残業代を払えば、労働者を死ぬまで働かせてもかまわない」という制度を つくることにほかなりません。また現在きわめて低い賃金水準にある労働者 に対して、5割増の残業代をぶら下げて「月80時間以上の残業」を煽る… つまり過労死を煽りたてる政策とさえいえるものです。
「過労死」を根絶し、異常な残業を減らし、労働時間問題の根本的解決を すすめるためには、私は次のような政策が求められていると考えます。
(1)最低賃金を時間1000円以上に引き上げて、まず労働者の基本給 を引き上げること。「残業代がなければ生活が成り立たない」といっ た現状をなくすことが、何よりもまず必要です。
(2)次に「月80時間以上」という裁判所でさえ「過労死水準」を認定 しているような残業はそれをさせた経営者に対して刑事罰つきで禁じ ること。ちなみに、残業代を支払わない、いわゆる「サービス残業」 は、すでに刑事罰つきで禁じられています。
(3)45時間以内の残業代こそ、50%割増に引き上げること。こうす れば、現状で行われているすべての残業代が引き上げられることにな り、サラリーマンの収入が増えるとともに、これは日常的な残業を減 らすインセンティブになります。
(4)そして45時間から80時間の間の残業代については、「その残業 をさせるより、新たに正社員を雇い入れるほうがコストが安くなる」 という水準の割増率にまで引き上げること。これによって「ワークシ ェアリング」をすすめ、雇用をひろげることができます。
(5)最後に、中小企業に対してはその経営を守るために、このルールを 守るためのコストを負担できるような制度が必要です。そのために、 @大企業による不当な下請けいじめのコストダウンをやめさせるルー ルをつくること。Aそれでも生まれる負担を補助する助成制度をつく ること、などが必要ではないでしょうか。
◆なぜ柳沢氏の口からは「問題発言」しか出ないのか?
柳沢厚生労働大臣がまたぞろ、結婚して、子どもを二人以上が「健全」な どと、許せない発言を繰り返したようです。もはや「言い方」などという問 題ではないことが、いよいよ明りょうですね。
「子どもを産む機械」発言にしても今回の「健全」発言にしても、柳沢大 臣はじめ安倍政権の「少子化対策」論の視点は、国家が国民を見下ろして、 「いかに産ませるか」という人口政策の視点なのです。これでは「産めよ増 やせよ」式の戦前の再来ですね。いまや女性の「性と生殖に関する自己決定 権」(リプロダクティブ・ヘルス・ライツ)の保障は世界の常識です。
今なぜ若い人が結婚する気にならないのか、若い人たちがまともに結婚で きる経済状態におかれているのか、夫婦が「これ以上、子どもはいらない」 と思わざるを得ない背景に何があるのか…自分たちの胸に手を当ててよく考 えてみることです。そういった反省も無しに、「少子化」対策なるものを語 ろうとするから、何をしゃべっても「問題発言」しか出てきようがないので す。柳沢厚労大臣の罷免はもはや避けてはとおれません。
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