「性同一性障害」と「偽装管理職」…今日報じられた2つの訴訟
一つ目の事件は、性同一性障害を理由に雇用契約を取り消されたのは違法として、静岡市駿河区の「女性」(33)が広告デザイン会社「アドテクニカ」(同区)を相手取り、慰謝料など約198万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こしていたことが13日、明らかになったというもの。
訴状などによると、「女性」は平成16年ごろから男性として生活。昨年夏、願書の性別欄に男性と記載して同社の採用面接を受け、採用が内定しました。ところが引っ越しなどを済ませた9月20日、同社側に事実を明かしたところ、就業開始日の21日、会社側から契約を白紙にすると告げられました。
「女性」側は10月、同社を相手取り約198万円の損害賠償を求める労働審判を同地裁に申し立て、12月に50万円の支払いを命じる決定が出ました。しかし1月、両者が異議申し立てを行ったため、本訴に移行しました。会社側は「書類の身元保証人欄が代筆だったことや、当初は戸籍上の性別を偽っていたことなどから内定を取り消した。障害自体が理由ではない」と主張しています。
この間もゲイの若者から、就職で面接を受けたが、「彼氏が居るから、雇えない」と断れたなどという事例の相談を受けましたが、こういった性的マイノリティにたいする差別は日本国憲法が保障した基本的人権の侵害であることを明らかにしなければなりません。この人のたたかいにエールを送りたいと思います。
二つ目の事件は、播州信用金庫(兵庫県姫路市)が支店長代理を管理職として扱い、残業代を支払わなかったのは違法として、元支店長代理の山内勉さん(55)=同県稲美町=が未払いの残業代など計約770万円の支払いを求めた訴訟の判決が神戸地裁姫路支部であったというニュースです。中島栄裁判官は「職務権限に照らし、支店長代理は管理職とはいえない」と判断、同信金に計約450万円の支払いを命じました。
山内さんは同県加古川市内の支店で支店長代理を務め、平成17年12月に退職。中島裁判官は判決理由で、支店長代理は勤務時間が自由裁量でなく、部下への人事評価権もないと認定。労働基準法が残業代の支払い義務がないと定める、経営者と一体的な「管理監督者」には当たらないと判断しました。
山内さんは「判決内容に安堵(あんど)した。若い人を管理職に就かせ、同様の行為を行っている企業もあるかもしれない。同じ立場の人の待遇改善につながればと思う」と話しているといいます。「管理職」への残業代支払いをめぐっては、東京地裁が1月28日、日本マクドナルドの直営店店長を、同様に管理職に当たらないと判断。同社に未払い残業代など750万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
許せないことに日本マグドナルドは東京高裁に控訴しましたが、その後、コンビニエンスストア最大手のセブン−イレブン・ジャパンが直営店の店長に残業代を支払うことを発表するなど、「偽装管理職」問題をめぐって論議が広がりつつあります。大企業の横暴に歯止めをかけ、人間らしく「働くルール」の確立へ、いよいよ力を合わせるときです。
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