大阪府議会代表質問、黒田まさ子府議と橋下知事の論戦を傍聴
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大阪府議会代表質問、黒田まさ子府議と橋下知事の論戦を傍聴

 いよいよ橋下新知事の下での初府議会。橋下知事の所信表明と暫定予算案に対する各会派代表質問がおこなわれ、今日はわが党の黒田まさ子府会議員が代表質問に立つというので、私も傍聴に行ってきました。黒田議員は堂々の論陣で、「知事は府の財政が緊急事態と言うが、府民のくらしも緊急事態だ」と事実を示して知事に迫り、饒舌な橋下氏も、さすがにおされっぱなしという見事な論戦でした。

 同時に橋下氏の答弁振りも、この前日本共産党大阪府委員会にお見えになった時の印象どおり、「まじめで、さっぱりとした」ものでした。「今回は暫定予算であって、6月をめどにゼロベースで見直す」との主旨の答弁が繰り返されましたが、内容の是非はともかく、本気でそう思って口にしているのだなあと思われる答弁振りでしたね。さてさて、いま橋下氏が思っているとおりにやれるかどうか、今後それが問われることになるでしょう。

 注目すべきは「関西空港二期事業、安威川ダムも聖域にせず、ゼロベースで見直す」と断言したことと、「国や大企業に対しても言うべきことは言っていきたい」と述べたこと、「企業・団体からの献金は一切受けない、パーティー券も企業・団体には買ってもらわない」と言い切ったこと、そして「日本共産党の提案も重く受け止めて真摯に府政運営にあたる」と答弁したことです。「その意気や良し」…ぜひとも守っていただきたいものですね。

 問題は、同和問題に対する認識です。知事は黒田府議が「今日では、地域格差がなくなり、地区内外の住民の交流や混住もすすみ、同和地区の実態はなくなり、結婚も若い世代ではすでにこの壁を打ち破っている」事実を挙げて、基本的に部落差別は解消に向かっていることを指摘し、「きっぱりと同和行政を終結せよ」と迫ったのに対して、「今の質問を聞いて残念でなりません」などと噛み付きました。

 そして、「中学生の頃同和地域で暮らしていた」という個人的体験から、「差別意識は厳然としてある」し「部落差別が解消されたというのは机上の空論であり、事実誤認だ」と語気を荒げました。知事らしいまじめさです。おそらく個人的体験として差別的な言動に接したことがあるのでしょう。しかし、これは、根本から間違っています。「部落差別の解消」は決して「差別意識の解消」などではありません。第一、行政が人々の「意識」に踏み込んでこれをつくり変えるといったことはできることではありませんし、すべきことではありません。

 「差別意識」などというものは、依然として山ほどあります。それは「部落差別」にかぎらず「男女差別」でも「学歴差別」でも…。ついでに言えば「公務員などというものはとんでもない」というような「公務員差別」、「学者に言われたくない」というような「学者差別」もね。そんな「意識」を問題にしていたのでは行政はできません。これは日本国憲法の精神にもとづく教育と啓蒙によって市民自らが乗り越えてゆくべきものであり、現にそういう運動も力強く前進しています。

 行政がなすべきことは、地区内外の経済格差や学力格差、結婚における有意な差別など、その「差別意識」の根拠となるような客観的な格差と差別が現に存在しているかどうかです。この点では大阪府自身が行ったものも含めて、そのすべてが「部落差別は解消に向かっている」というのが事実であり、だからこそ黒田府議は「今日では地域格差がなくなり、地区内外の住民の交流や混住もすすみ、同和地区の実態はなくなり、結婚も若い世代ではすでにこの壁を打ち破っている」と指摘したのです。

 たとえ心無くも「差別意識」を持った人がいてもいいのです。それに全く根拠がなく、世間の人がそのような言動を愚かなこととして許さないようになれば、それはやがて解消されていくでしょう。行政が「差別意識の解消」などということにとりくもうとすれば、差別事案の通報を奨励し、差別発言したものを探し出し、これを糾弾して改心させるなどという、まさに部落解放同盟が70年代以降血道を上げてきた誤った暴力的糾弾路線に支持を与えることにさえなりかねません。

 まあ、それでも「人権協会についてもゼロベースで見直す」と断言したことは結構です。今後に多くの課題を残した代表質問でしたが、さらに大阪府議会の論戦は面白くなっていきそうです。

 
 
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