布藤さんのお父さんのお通夜、上野千鶴子を読む
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布藤さんのお父さんのお通夜、上野千鶴子を読む

 私の議員時代の地元秘書で、今でも大阪国政事務所の所員として私のスケジュール調整などを全般取り仕切って下さっている布藤充さんのお父さんが去る6日お亡くなりになり、今日行われたお通夜に参列させていただきました。布藤さんのお父さんは元大工さんでアスベストを扱っておられました。4年前に肺に水が溜まり呼吸困難に見舞われて、詳しい検査を受けたところ「胸膜中皮腫」であることがわかりました。

 「中皮腫」というのは、中皮細胞由来の腫瘍の総称で、アスベスト起因性のガンの一種です。この間国会で成立した「アスベスト新法」(「石綿による健康被害の救済に関する法律」)については「救済の対象となる『指定疾病』の範囲が狭すぎるという問題点が指摘されていますが、「中皮腫」については文句なくアスベスト起因性を認めるというぐらい、アスベストとの関係が明確な疾患です。

 「中皮腫」には、悪性のものと良性のものがありますが、、アスベスト起因のものは圧倒的に「悪性胸膜中皮腫」であり、治療法が確立されておらず、きわめて予後が不良なのが特徴で、1年生存率は50%、2年生存率は20%とされています。布藤さんのお父さんは4年以上闘病生活を続けてこられ、本当によくがんばったとお母さんがおっしゃっておりました。

 この間大問題になってきたアスベスト被害は、職業上のものが圧倒的です。しかし、アスベストを取り扱う事業所の近隣住民や、アスベストを取り扱う労働者の家族(労働者の衣服に付着したアスベストからの被曝)にも患者が出ており、これらについてもアスベストとの関連が強く疑われています。近年では、低濃度環境暴露の方が高濃度職業暴露よりも発癌性が高いと考えられています。

 疫学的観点から言えば、2020年前後に、このアスベスト起因性の疾患はピークを迎えると考えられているだけに、近隣住民や家族を含めて、すべての方のアスベスト被害を国が責任を持って救済できるよう「アスベスト新法」を改正することがどうしても必要です。アスベスト被害の典型的な疾患で命を落とされた布藤さんのお父さんとご遺族の無念を思うとき、この問題にいっそう力を注ぐ決意を固めました。

 さて、性的マイノリティの問題のブックレットの私の受け持ち分の執筆が山場を迎えています。私は今回の原稿を書くにあたって、あらためてエンゲルスの「家族・私有財産・国家の起源」と、それを講義した不破哲三さんの「講座『家族、私有財産および国家の起源』入門」(新日本出版社)を読み返し、「ジェンダーと史的唯物論」(鯵坂真編著、学習の友社)など、ジェンダー論とフェミニズムにかかわるいくつかの理論書を読みました。

 また「多様な『性』がわかる本」(伊藤悟・虎井まさ衛編著、高文研)や「同性愛・多様なセクシュアリティ」(“人間と性”教育研究所編、子どもの未来社)など性とセクシャリティに関する書物にも、ひととおり目を通しました。さらには憲法13条が定める「個人の尊重」および「幸福追求権」、24条が言う「個人の尊厳」についても、憲法の教科書をひもときました。

 実は、この問題の背景にはいくつか解明すべき、若干の理論問題が横たわっていると考えたからです。その解明は、ブックレット自身に譲るとして、そういう作業の途中に古本屋で上野千鶴子氏の「対話篇・性愛論」という本を見つけ、お通夜の行き帰りですべて読み終えました。上野氏というのは面白い人ですね。大変わかりやすく論戦的です。「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」という遥洋子さんの本があるくらいですから、さぞかしケンカにはお強いのでしょう。

 テンポの速い論点の提示は目を見張るものですが、運論には比喩が多く、厳密な科学性という点では難を感じざるを得ませんでした。それは私がその前にエンゲルスの「起源」と、それを解説しつつ、さらにエンゲルス以降の諸科学の発展を踏まえて書かれた不破氏の講座を読んだからでもあるでしょうが、「面白い」ということと「科学的である」ということとは、まったく別のことです。


 
 
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