投資詐欺でも「不法原因給付」論を採用…最高裁
本日、投資詐欺事件をめぐる損害賠償請求訴訟で、被害者に配当金名目で支払われた現金を損害額から差し引くべきかどうかが争われた訴訟の上告審判決が、最高裁第3小法廷でありました。藤田宙靖裁判長は、「差し引くべきではない」と判断し、減額した2審大阪高裁判決を破棄、審理を同高裁に差し戻しました。
賠償を求められたのは、詐欺罪で実刑判決を受けた男(69)。男は平成12〜15年、米国債への投資名目で原告3人から計2200万円をだまし取ったもの。一方、男は配当金名目で原告に計約200万円を支払っていました。
上告審で男の代理人弁護士は「原告は配当金分の利益を得ており、損害額算定では配当金分を差し引くべき」と主張していましたが、藤田裁判長は旧五菱会ヤミ金融事件をめぐる訴訟で示した「反倫理的行為により損害を受けた一方で利益も得た場合には、この利益を損害賠償請求における損害額から差し引くことは許されない」との10日の最高裁判決を引用。その上で、「この詐欺が反倫理的行為に当たるのは明らかで、原告が得た利益を損害額から差し引くことは許されない」と結論付けました。
「ヤミ金からは、利息だけでなく元金も取り戻せる」と判示した6月10日の画期的な最高裁判決は、民法の「不法原因給付」規定の趣旨を踏まえ、元金をもヤミ金から取り上げる効果のある判例を作りましたが、その判決がさらにその効果を広げつつあるようです。
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