海自のイージス艦による漁船衝突事件を糾弾する!
千葉房総半島沖で19日未明に起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」とはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故では、いまだに「清徳丸」に乗っていた吉清(きちせい)治夫さん(58)と長男哲大(てつひろ)さん(23)親子は行方不明のままです。現在も必死の捜索が続けられていますが、事態はますます厳しい状況になりつつあります。一刻も早く吉清さん父子が救出されることを願ってやみません。
わが党は志位和夫委員長を先頭に、ただちに新勝浦市漁協を訪問。安否が分からないお二人の乗組員に対して、心からのお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い救助と徹底した真相究明に全力を尽くす決意を述べました。同時に、漁協や、同時刻に同海域で操業していた他の漁船の乗組員から事故当時の状況を聴き取りました。
現場は黒潮が通る漁場ですが、普段から自衛艦を含め大型船が通る海域だったといいます。「イージス艦は減速せず、ほぼ正面から向かってきた。危険を感じた」。清徳丸と衝突する直前とみられる「あたご」と遭遇した僚船「金平丸」の市原義次船長(54)は、そう語っています。また漁協幹部は「近代的な護衛艦がなぜこんな小さな船にぶつかるのか。たるんでいる」と怒りをあらわにしました。
そもそも「イージス艦」とは、「イージスシステム」というものを搭載した軍艦のことで、「イージスシステム」とは、「レーダーやソナーなどのセンサー・システム、コンピューターによる情報処理システム、ミサイルとその発射機などの攻撃システム、そして他の部隊と連絡するためのデータリンク装置などが連結され、対空・対水上・対潜のあらゆる局面において、目標の捜索から識別、判断から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができる」というシステムです。
このシステムを使えば、「瞬時に敵を発見し、10個以上の目標に対して同時に戦闘を行なうことができる」というのが売り文句で、高性能ゆえに超高価。「イージス戦闘システム」全体の価格は500億円と言われ、このシステムを搭載した「イージス艦」の建造費は一隻1200億円とも1400億円ともいわれています。しかし、漁協のお怒りは当然で、「瞬時に敵を発見し、10個以上の目標に対して同時に戦闘できる」はずの超高価な軍艦が漁船一隻を発見し、避けることができないというのでは話になりません。
海のルールでは、「右舷に船を見つけた場合に、その船に回避義務がある」ことになっています。しかし、普段から自衛隊艦船と行き交うことの多い、漁業関係者によると、大きな軍艦などは、はっきりいえば『そこのけ、そこのけ軍艦が通る』というありさまで、回避行動はとらず、結局、回避義務がない場合でも小さい漁船の側が回避せざえるをえないのが日常茶飯事だといいます。
今回の事件は、また一つ人の命を大切にしない日本政治のゆがみが露呈した事件だといわねばなりません。海自のイージス艦による漁船衝突事件を断固糾弾するとともに、真相の徹底究明と責任の明確化、そしてこのような事故が、今後絶対に繰り返されることのないように抜本的な再発防止策がとられることを強く求めたいと思います。
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