JR採用差別事件、東京地裁で勝利判決!
国鉄分割・民営化のさい全動労(全国鉄動力車労組=現・建設交運一般労組鉄道本部)と国労の組合員ら1047人がJRに不採用・解雇された事件で、東京地裁は23日、組合差別があったことを認め、国側に損害賠償を命じました。国の組合差別を認定した判決は、国労組合員らが勝訴した2005年の東京地裁判決に続いて二度目。国が不当労働行為を行った事実と法的責任は争う余地がないものになりました。
この訴訟は、北海道の全動労組合員と遺族58人が、国鉄清算事業団を引き継いだ鉄道建設・運輸施設整備支援機構に慰謝料などを求めていたもの。北海道では、民営化賛成の労組はほぼ100%採用されたのに、全動労はわずか28%。全動労を脱退した組合員は全員採用されました。裁判で機構側は「民営化に反対した者はJRにふさわしくない」と差別は当然と居直りました。
佐村浩之裁判長は、民営化反対が「不利益に作用しているとみるのが相当」として採用差別を認定。組合に対して「中立保持義務」を負う国鉄が差別を行ったことは、「公平な取り扱いを受けるべき法的利益を違法に侵害する不法行為に当たる」として、一人あたり550万円の損害賠償の支払いを命じました。損害賠償請求権が時効(3年)だという機構側の主張も、不採用の責任主体が国鉄にあるとの判断が最高裁で確定した03年12月が起算点だとして退けました。
国鉄の分割・民営化は当時の中曽根首相が「臨調行革の203高地」と呼び、国民サービス切り捨ての「臨調」行革路線の最大の柱と位置付けられたものです。国民サービスを守ろうと反対する労働組合つぶしをねらって引き起こしたのが、採用差別事件でした。しかも政府は、「所属組合によって選別することがあってはならない」(当時の橋本龍太郎運輸相)「一人も路頭に迷わせない」(中曽根首相)との約束も投げ捨て、許されない国家的な不当労働行為を行ったのです。
しかも、民営化が正しかったなどといえないことは、ローカル線の切り捨てや国民負担とされた巨額の借金をはじめ、最近の福知山線の脱線事故を見ても明らかです。すでに事件から20年が過ぎ、解決を見ずに亡くなった労働者も多く、家族も含めて苦痛は極限に達しており、人道的立場からも一刻も早い全面解決が求められています。全国751の地方議会が早期解決を求める意見書を可決し、ILO(国際労働機関)も7度にわたって解決を求める勧告を出しました。
労働者側は、不採用となった労働者と組合、支援団体が組織の違いをこえて団結し、政府の責任による全面解決を求めています。福田康夫首相が「国民の立場にたって」というなら、判決と世論を受け止め、関係者との協議を直ちに開始することこそ求められます。
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