面白かった本一冊と示唆を受けた月刊誌二冊
この前富国生命ビル前で開戦記念日の演説にたった日、旭屋書店に寄りました。中3の息子がマンガ本に明け暮れ、あまりにも活字本を読まないので、思案したあげく「ハリーポッター」なら映画をよく観にいっているようなので読むだろうと「ハリーポッター」の新刊を買いに行った次第。
しかし「ハリーポッター」って予約で完売なんですね…もう、ありませんでした。「くそう」ってなもんであたりの本を物色…そうすると目移りするもので3冊ほど、関係のない本を買ってしまいました。一冊は「太平洋戦争新聞」(歴史記者クラブ昭和班著、廣済堂出版)。「大本営発表」がどれほど史実と違っていたかを当時の新聞の切抜きと比較しながら読めるという趣向。これはなかなか面白かったです。おススメ。こういうのガンガンやってもらいたいですね。
さて、あわせて月刊誌を二冊。一つは「世界」1月号。「『東アジア共同体』−−未来への構想」という特集がされています。「日本の『アジア化』が問われている」と題した姜 尚中(かんさんじゅん)論文は日米同盟一辺倒でアジア軽視の小泉首相の政治外交姿勢に警鐘を乱打するとともに、米中間の「競合と協力関係」の深化、「6者協議」のゆくえにも触れながら、「今回の東アジアサミットは、日本の『アジア化』を占う試金石」となると論じています。
同時に目を引いたのは「対中、対韓関係改善のために」と題した品川正治経済同友会終身幹事と小倉和夫国際交流基金理事長との対談。品川氏はこの対談で、戦争が終わったとき「終戦」か「敗戦」かという議論があったことを紹介し、「終戦=二度と戦争をしない」は国民の決意だった、ところが日本の支配階級は、その決意を一度もしたことがないと指摘されています。
小倉氏が「いささか見解が違う」と異論を唱え、その考えに立つと自衛隊はどうなるのかと問うのに対しても、品川氏は「たとえば中国にミサイルが1000発あると仮定して、それに対抗する自衛力をもつかどうかに関して言えば、憲法で戦争をしないということが最大の自衛権だろうと思います」ときっぱり述べられています。
続けて品川氏は「20世紀型の国家としては絶対に9条2項などありえないが、21世紀型としてはひょっとしてあるかもしれない」とし、「いまの日中関係を変えるのはそう難しいことではなく。『9条2項を手離さないという姿勢が日本国民の大勢である』ということが中国側にわかったときに、中国の外交姿勢は変わるだろう」と述べておられます。財界人の中にもこういう人がおられることに意を強くしました。
もう一冊は「潮」1月号。「平和と文化の大城−−池田大作の軌跡」という新連載が始まり、第一回目が「昭和31年・大阪−−民衆は、かく戦い、かく勝った(上)」となっていたので買いました。しかし「潮」でもやっぱりアジア外交が焦点に…。
しかし視点と切り口は「潮」らしいですね、榊原英資元大蔵省財務官と寺島実郎日本総研理事長との対談「アジアの中で孤立する日本」も、「このままではいけない」という危機意識はあるものの、せいぜい「アメリカともアジアとも」というスタンスで行けというぐらいの話。及川正也毎日新聞ワシントン特派員の「靖国問題で変わり始めたアメリカの思惑」も、ワシントンからの事実の報告としては面白く読みましたが、残念ながら「論」がありません。
一番マシだったのは松田喬和(まつだたかかず)毎日新聞論説室・専門編集委員の連載「永田町鳥瞰虫観」、「柔軟性と戦略が求められる小泉外交」でした。小泉内閣は東アジアサミットで主導権を中国に握られ、中国の後塵を拝している。その原因はアジア戦略なき小泉外交にあるというもの。しかし、「潮」ってのは毎日新聞がつくってるんですかねえ…。
最後にお目当ての「平和と文化の大城−−池田大作の軌跡」の感想は?いやあ、深い深い「示唆」をいただきました。
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