「セクシャルマイノリティ」について考える
堺選出の大阪府会議員がレズビアンであることをカミングアウトしたことが話題になっています。彼女の本「カミングアウト」を読みました。同性愛者に対する差別と偏見の中で、彼女が歩んできた道と「自分を隠す」生き方から「ありのままの自分を肯定する」生き方への勇気ある踏み出しが良くわかる本でした。
私は「セクシャル・マイノリティ」…つまり性的少数者の問題に深くかかわってきた議員です。私のこの問題に対する基本的な立場は「セクシャリティは人権であり、その多様性は認められるべきである」ということです。セクシャリティのあり方は、それが他人の人権や人格を傷つけるものでないかぎり、国家や社会によって、あれこれと強制されるべきものではありません。
私がこの問題に取り組むきっかけになったのは、「性同一性障害(GID=Gender Identity Disorder)」をもつ人たちの性別変更に道をひらく「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」をつくる過程で当事者の方たちとお会いし、ともに運動をすすめてきたことです。
今では「特例法」により性別変更が認められた上川あや世田谷区議会議員ともこのときご一緒し、今でも上川さんからはニュースを送っていただいています。当時、最大の問題は「性別変更を認める要件」についてでした。与党を中心に「既婚者や子どものいる者には認めるべきでない」という強固な意見が存在し、残念ながら成立した「特例法」はそういった制約を持つものでした。
私は「そのような制約をもうける必要はない」という立場でしたが、反対派の言い分は「もし既婚者の性別変更が認められるならば、結果として同性婚を認めることになる」というところに最後まで難をしめしたのです。私は「当然、同性婚も認めるべきである」と考えています。(日本共産党は党としてはまだ「同性婚」については賛否を明らかにしておりません)
「GID」に限らず「セクシャル・マイノリティ」の問題というものはいわゆる「LGBT」と言われるLesbian(女性同性愛者), Gay(男性同性愛者), Bisexual(両性愛車), Transgender(トランスジェンダー)と大きく分けて語られますが、その内容はいっそう多様です。それぞれ「性自認」と「性指向性」によってさらに複雑なバリエーションがありえます。
わかりにくい話ですが、「性同一性障害(GID)」の人は心と体の性が食い違っているのだから、性別適合手術を受け、上川さんのように性別変更すれば普通の女性です。つまり「自分は女性だ」と心は「性自認」してるのですから「男性を好きになる」のは当たり前のことです。したがって「GID」は「同性愛」ではありません。
それに対して「レズビアン、ゲイ」といった同性愛者は「自分は女だが女性が好きだ」「自分は男だが男性が好きだ」という「性指向」をもつのです。しかしもちろん「GID]の同性愛者の存在は否定されません。「自分の本来の性を取り戻した上で同性が好きだ」という人も厳然としていらっしゃいます。
このように「セクシャリティ」とくに「性自認」と「性指向」はきわめて多様でデリケートなものなのです。それは何も「同性愛」に限ったことではなく、実は「異性愛」でも同じように多様なのです。このような問題に関してお上が一律に決めつけたり、マイノリティを「異常である」などと言うのはまったく時代錯誤もはなはだしいと言わなければなりません。
私は何人かのレズビアンやゲイの人たちとのお付き合いをつうじて、彼らが真剣でいたって真面目な愛情をはぐくんでいるという事実をいくつも知っています。逆に、「異性愛」の夫婦でも風俗に行ったり、愛人をつくったり、不倫したり、夫が妻に暴力をふるい生命まで奪うような「ドメスティックバイオレンス」の事例も枚挙にいとまがありません。
「まあフーゾクに行くぐらい男の甲斐性や」などと言いながら、同性愛者を「変態」呼ばわりする者を許せるでしょうか?「同性婚」を「種の保存という自然の摂理に反する」などと、もっともらしく言いますが、そのような論法がまかり通るなら、異性婚の夫婦でも「子どもをつくりたくない、生みたくない」という夫婦は、同じ論拠によって非難されることになり、女性の「リプロダクティブ・ヘルスライツ=(性と生殖に関する自己決定権)」などというものは否定されることになるでしょう。
同時に、私はもちろん「セクシャリティの多様性」という言葉で「不倫や風俗も多様性の一つ」などとする俗論を免罪するつもりはさらさらありません。それは他人の人権と人格を傷つけるものだからです。その意味においては最初に述べた「それが他人の人権や人格を傷つけるものでないかぎり」という要件は絶対的なものです。
ここに書いたことは、いま付焼刃に考え付いたことではありません。すでに昨年の参議院選挙の前に、同性愛の当事者たちでつくる「フォーラム・アクエリアス」のアンケートに答え、きっぱり「同性婚も認められるべきだ」と言明しています。(詳しくは「アクエリアス」のホームページ、http://members.aol.com/forumaquarius/2004kyosankaito.htm#miyamotoをご覧下さい)
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