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「ルール破り」に対抗するには・・・

 午前0時10分、参議院本会議開会。「厚生労働委員長解任決議案」の採決から始まりました。記名投票なので議員の名前が読み上げられて、与党議員たちが次々と投票に向かいます。さあ民主党議員の番になって動かなくなりました。民主党がこのような「牛歩」をする腹を固めるのは珍しいことです。それでも私が共産党の先頭なので、私の前の民主党議員と私の間にはさらに大きな開きができてしまいます。でも私が共産党の「牛歩」の速度を決めるのですが、口汚いヤジも気にせず、堂々と牛歩で投票しました。

 午前2時には投票が終わり、「議運委院長解任決議案」は与党の反対で否決されました。そこで休憩。さあ、これから坂口厚生労働大臣をはじめ未納6大臣の問責決議案、さらには議運委員長や議長の不信任決議案を連発してたたかい抜こうと議員団で意思統一した矢先・・・民主党から「秘策」があるとの話が。そして、その「秘策」のためには「議長不信任決議案」を次に提出するとのことで、民主党は他の決議案を取り下げてしまったのです。

 果たして、その「秘策」とは・・・。午前3時20分参議院本会議開会。議長不信任案の処理のために議長席に座った民主党出身の本岡昭次副議長は突如として「散会」を宣言。民主党の議員は「万歳」を叫んで退場しましたが、参議院事務総長は動かず、与党席の議員たちも一切動きませんでした。「おかしい」と思った矢先・・・衛視と与党議員に守られて倉田参議院議長が議場に入り、改めて議長席に登壇し、副議長の散会宣言は参議院規則に反しており無効である旨を宣言し、さらには仮議長選任のため休憩を宣言しました。

 民主党と社民党の議員は「議長が散会を宣言した以上、本会議は散会された」との主張でただちに国会を離れ帰っていきました。しかし、わが党はそこで、「もう一度厳密な法的検討をおこなわなければ、ことは議会のルールに関わることであり不正確な対応はできない」との立場で引き続き国会内にとどまり、法的な検討をおこなったのです。

 本岡副議長が散会を宣言したにもかかわらず、不信任案を突きつけられ、その職務を行う立場にない倉田議長が議長席に座ってそれを取り消すというようなことは、もちろん明りょうなルール違反です。参議院規則弟85条には「議長が散会、延会又は休憩を宣告した後は、何人も、議事について発言することができない」とあります。そして、これが民主党と社民党が、国会を離れた理由でした。もちろん、この参議院規則弟85条は守られなければなりません。

 ところが、この第85条の前に、第82条という規定があるのです。「議事日程に記載した案件の議事を終わったときは、議長は、散会を宣告することができる。議事が終わらない場合でも、議長は、必要と認めたときは議院に諮り、午後4時を過ぎたときは議院に諮らないで、延会を宣言することができる」というもので、その条文説明には「国会法弟117条にいう『散会』も実質は延会であって、広義の意味で散会という語が用いられているのである」と明確にされています。

 では、この参議院規則弟82条にてらして本岡昭次副議長が行った「散会」の宣言は正しかったか?わが党議員団は残念ながらYESという結論を導くには、どう見ても無理があるという結論に達しました。まず、議長不信任案が案件となっているのですから「案件の議事を終わったとき」にはあたらないことは明りょうです。次に議長は「議事が終わらない場合でも」必要と認めるならば散会を宣言できないわけではありませんが、その場合も参議院規則には2つの条件が付けられてあります。

 一つは「議院に諮る」こと・・・。「議院に諮る」というのは具体的には「議院運営委員会に諮る」ことですが、あのような不正常な場でそのようなことは行われておりません。それでも「午後4時を過ぎたときは議院に諮らないで」できないことはないのですが、残念ながら午前3時半では、とてもこの規定に合致しません。

 4日から5日にかけて自民・公明の与党が行ったことは、許し難い民主主義のルールを踏みにじる暴挙です。
 しかし、民主党がおこなった「秘策」・・・つまり本岡副議長の「散会」宣言も、どうみても「ルール破り」だといわざるを得ないものでした。ではルール破りにはルール破りで対抗していいか。もしもそんな立場に落ち込めば、もはやわれわれも与党の「ルール破り」を批判する立場を失ってしまうでしょう。そして国会は与野党双方からの「ルール破り」が横行する無法地帯と化すでしょう。

 私たちはそのような立場を取り得ませんでした。ではどうするか。あらためて国会法と参議院規則にてらしてあくまで「ルールにたち返った対応」を貫こうという結論になりました。議長に不信任が突きつけられ、副議長がルール破りを犯した。では誰が議事を行うのか。この場合は「参議院事務総長」ということになります。

 与党から、「本会議を午前7時から開催する」という連絡を受け、私たちは以下のように意思統一しました。「もしも開会された本会議で、議長席に倉田参議院議長が座っていれば、そのような本会議には出ない。しかし議長席に参議院事務総長が座っていれば、その本会議には出席する」と。果たして7時に開会された参議院本会議の議長席には、参議院事務総長が座っていたのです。私たちは議員団の意思統一にもとづいて、出席することにしました。

 それからのたたかいは、それぞれの議案に対する討論を堂々とおこない、わが党独自で坂口厚生労働大臣問責決議案も提出し、たたかいぬきました。そしてついに午前9時過ぎ、国民の声を踏みにじって天下の悪法「年金大改悪法案」は与党の賛成多数で可決されたのです。

 一睡もしないまま、大阪へ。茨木市の演説会でただちに報告するとともに、近鉄八尾駅前から、たくさん集まって下さっていたみなさんの前で訴えました。本当に長い長い一日でした。

 
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